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9. 伊豆医療福祉(いずいりょうふくし)センター どんつく
(静岡県)
―プロフィール―
 どんつくは、静岡県の韮山町にある伊豆医療福祉センターの日本太鼓チームです。
 「たいこやりたい!」の小さな声から始まったどんつくも結成から7年になります。
 太鼓は叩けば音が出ます。それゆえ1人では打てるものの曲となると音がバラバラ、そんなこともありました。でも、好きなことを頑張っている子供たちの顔は最高。笑顔が笑顔を呼び、どんつくの輪は少しずつ、でも確実に大きくなり、今年の2月には静岡県東部地区福祉施設音楽祭で『どんつく』、『どんつくキッズ』介助者あわせて50名での演奏を実現できました。それ以後、みんなの太鼓熱はさらに上昇。月曜日の夜の6時半。練習場のOT室は超満員の大騒ぎ!最近では時間ぴったりにくると太鼓に辿り着けないこともしばしば。
 「最近、太鼓を打っていて、みんなと一つになっているのがわかる」3月に卒業生が残してくれた言葉通り、みんなで創る一つの音にこだわって頑張っています。
 
演奏曲
どんつく
 
出演者
代表者 北條 博厚
石川 満 河村 真輝
荻田 恭平 後藤 公寛
北村 愛 岩科 晴子
亀井 亮祐 与那嶺拓也
与那嶺裕哉 与那嶺里恵
前田 健伺
 
―実践報告―
 自分では来れないけれど、時間になると足をばたばたさせて騒ぐ子も、辛そうな顔していても太鼓の音が聞こえると表情が緩んでくる子、力が入ってしまって苦しいけど自分で一生懸命太鼓が打ちたい子、みんながどんつくのメンバーです。
 今年の1月、御殿場市で行われた第3回日本太鼓障害者大会の後、2月に行われた静岡県東部地区福祉施設音楽祭では、ホームグラウンドの韮山時代劇場にて総勢50名での演奏を実現できました。
 7月には、近所の堀越保育所の夏祭りに参加しました。代表メンバー12名が汗をたくさんかいてきました。新メンバーの笑顔につられて楽しい演奏ができました。年長の園児さんからの「ありがとう!」の声が嬉しかったです。
 8月のセンター夏祭りでは今年購入してもらった段ボールの太鼓が良い音で響いていました。
 今日は、体調のことや学校行事やら保護者の都合で参加出来ない子がたくさん。今、後ろに控えているメンバーはちょっぴり心細いかも知れません。太鼓を打つことが楽しいだけでなく、人の前で自分を表現すること意識できる経験を積んできた子のプレッシャーもあるでしょう。
 「最近、太鼓を打っていてみんなと一つになっているのがわかる」3月に卒業生が残してくれた言葉通り、みんなで創る一つの音にこだわって頑張ります。
 
10. 甲州(こうしゅう)ろうあ太鼓(だいこ)
(山梨県)
―プロフィール―
 音の無い世界にいる私たちが“音の世界と関わりたい、音楽を楽しみたい”そんな思いで昭和56年1月に結成しました。“聞こえなくてもやればできる”と聴覚障害者を中心に活動を展開してきました。
 地元、若草町の甲州遠光太鼓保存会から指導を受け、町から練習場を提供していただき、今年で21年になりました。平成になってから長野県の御諏訪太鼓から教えを受ける機会に恵まれました。以来チームのレベルも向上し、レパートリーも増えました。
 私たちの活動が認められたのでしょうか。福祉教育の一環として学校からの出演依頼が多くなりました。多くの困難を乗り越え、多くの人に支えられながら日本の伝統芸能の一翼を担うという、ほんの僅かな自負心を持ちながら、これかちも頑張りたいと思っています。
 
演奏曲
天鳴竜尾大神楽
 
出演者
代表者 桜木 力
井上 直光 滝口 寛光
猪岡 哲也 保延 浩貴
長田 和久 山口 龍太
滝口 正浩 斉藤 里恵
杉山 悠美 河西 召祐
小野 智弘
 
―実践報告―
 こんにちは、山梨県から来ました甲州ろうあ太鼓の桜木力と申します。第4回日本太鼓全国障害者大会、おめでとうございます。この大会で、また演奏出来ることを光栄に思っております。音の無い世界にいる私たちが音のある世界と関わりたい、音楽を楽しみたい、そんな思いで昭和56年1月に結成し、今年で21年になりました。聞こえないから出来ないではなく、聞こえなくてもやれば出来る!聴覚障害者を中心に活動を展開しています。地元である若草町の甲州遠光太鼓保存会に技術指導を受け、練習場は若草町が提供して下さり、そして平成になってから長野県の御諏訪太鼓からも教えを受けてチームのレベルも向上し、レパートリーも増えました。聴覚障害者は、障害が無いとは見ただけでは分からないのですが、難聴など軽度の者から重度の者まで、聴力はまちまちです。太鼓の音色とリズムも判らず、打つ時には音合わせが思うようにいかないこともあるのですが、聞こえなくても健聴者に負けたくないという精神が自然にメンバー人ひとりの心に根付いているからこそ頑張れるのだろうと思いました。だから、毎週2回の稽古は活気に満ちています。聞こえないのになぜ太鼓の音がわかるのか、と不思議がられています。ハンディキャップのある人たちに、これだけのことが出来るのだから五体満足な私たちはもっと頑張らなくては!とか演奏に感動し励まされました等の声があります。最近では、学校から福祉教育の一環として演奏依頼が多くなっています。演奏だけではなく、『聞こえなくてもやれば出来る』という話をベースに努力、忍耐、継続、チームワークを持って立ち向かえば良い結果が得られるという話を織り交ぜて、1時間から1時間半程度で子供たちに聞いていただいています。後日、子供たちからの感想文が送られてきますが、子供たちにも好感を持たれているようです。これからも多くの困難を乗り越えながら、更なる飛躍を目指して頑張りたいと思っています。







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