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海の総合学習テキスト

 事業名 帆船から学ぶ海と日本
 団体名 大阪港振興協会 注目度注目度5


洋船と和船のちがい
●1 用途
 洋船(おもにヨーロッパの帆船)は外洋を渡る長距離輸送を目的として開発されたが、和船は日本国内の沿岸輸送を主目的として開発されてきた。
 
●2 船の性能
 洋船の船底は丸く浅瀬に乗り上げると横転してしまう。一方和船は底が平らなので陸に引き揚げることができる。また洋船が密封された“樽(たる)”であるなら、和船はふたのない“桶(おけ)”であり、高波にあうと水船(みずぶね)となる弱点があった。
 
●3 船体の構造
 洋船はろっ骨(あばら)に板を張り詰めて造るため細い木材でも大量にあれば造船できる。和船はろっ骨がなく、大きな厚い板を大釘で止めて構造にする。杉の良材に恵まれた日本ならではの大板を構造にした船である。
 
長崎製鉄所の立神ドック・明治12年(1879)完成(三菱重工業株式会社・長崎造船所蔵)
東洋最大といわれていたドック。古いドックは、今日のものに比べて深さが浅く、四方から木材により支えているのが特徴
 
寺島新艘船卸
(拡大画面:103KB)
(新典社版 名所図会叢刊3・摂津名所図会より)
浜で新造した菱垣廻船の船卸しの祝い。コロを使って波打ち際に運ぼうとしている
 
Difference between Japanese and Western-style Ships
1. Use
Western-style ships (mainly European sailing ships) were developed for the purpose of sailing across the ocean -long distance transportation, while Japanese-style wooden ships were mainly for domestic coastal transport.
2. Properties
As Western-style ships had round bottoms, they turned over in case they ran ashore. On the other hand, Japanese-style ships, with flat bottoms, could be pulled onto the land.
Western-style ships were sealed up while Japanese-style ships weren't and easily wetted in times of high wave.
3. Hull Construction
It was possible to build a Western-style ship even with thin wood if enough was available, for it was made by planking the ribs; however, a Japanese-style ship did not have ribs.
Its structure was made by nailing long, wide and thick boards. The fact that Japan was rich in good cedar trees made it possible to build a ship in such a way.
 
洋船の部分断面
(拡大画面:77KB)
図の薄い外板の張り方は突き合せ張り(カラベル)。よろい張り(クリンカー)もある。いずれも内外二重張りだが、鉄の釘を大量に使う。そして水漏れ防止に槙皮(まきはだ・槙の木皮の細縄)と接着剤を詰め込んでいく。
 
和船(北前船(きたまえぶね))の部分断面
(拡大画面:52KB)
平均厚さ10.5cmほどの杉の大板を使う。長いほど良材で、接合は鉄の大釘。水漏れ防止に槙皮を使うが、洋船ほどは使わない。
 
(拡大画面:211KB)
●船大工道具について
丸木船、胴船、羽賀瀬船などは、くり船造りの道具で造る。主役はくったり掘ったりする手斧(ちょうな)。北前船は大板で造る。主役は丸太を板にひく大型の横びき鋸(のこ)。
 
日本海の和船の歴史
 江戸時代、海は物流の幹線として発達し、弁才船(べざいせん)*(千石船(せんごくぶね))が海の主役であった。弁才船とは江戸時代の中頃から全国で活躍し始めた大板造り(おおいたづくり)の大型貨物船である。
 それまでは、木材をくり抜いたり割ったりして部材を造り、つなぎ合わせて船を造っていた。中世末になると鉄製のさまざまな道具が普及し、丸太から板を挽くための大きな鋸(のこぎり)、板を継ぐための鉄の大釘が流通するようになり、大板造りの船が主流になった。さらに大きな厚板と大量の鉄釘を使うことで、船は大改良され大型化し、日本独得の船形になっていった。
 
*弁才船(べざいせん)
 江戸中期以降の大板造りの大型荷船の総称。最大積載量は300石(45t)から2000石(300t)の間の船。幕末以降、千石船という俗称で呼ばれているが、このテキストでは正式に「べざいせん」と呼ぶことにした。漢字にすると、「弁才船、弁財船」などの書き方がある。
 
●弁才船の分類
 弁才船は、その船の形から一般的な上方(かみがた)型弁才船と北前(きたまえ)型弁才船の2種類に分けられる。北前型弁才船は「北前船」と呼ばれ、大阪・江戸間の船として知られている「菱垣廻船・樽廻船」は、船の形からみると上方型弁才船に含まれる。
 
History of Japanese-style Ships in Japan Sea
In the Edo era, the sea was a main road for goods distribution. Bezai-sen, a large planked Japanese-style ship, which came to be used around 18th century, played an important role there. Formerly Japanese people had built a ship by assembling the parts made by hollowing or breaking wood. However as a large saw to cut timber out of a log and iron nails to connect timber came to be commonly used, a planked ship superseded such a ship.







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更新日: 2019年12月7日

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