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論文概要
平成14年秋季講演論文概要
(1)青雲丸を用いたマイクロバブルの摩擦抵抗低減実船実験―前編:準備研究―
児玉良明、角川 明(海技研)、石川 暁、川北千春(三菱重工)、金井 健(造技センター)、戸田保幸(阪大)、加藤洋治、池本晶彦(東洋大)、山下和春(中国塗料)、永松哲郎(鹿児島大)
 
 マイクロバブルの実船実験に先立ち、実船への適用に際して派生する種々の問題に対応するため、気泡吹き出し量と摩擦抵抗低減効果との関係、鉛直壁や圧力勾配中での気泡による摩擦抵抗低減効果の実験、海水影響の実験、気泡発生装置の開発、せん断力センサーの開発、局所ボイド率計の開発、50m平板船を用いた尺度影響実験、配線フェアリングの検討、実船用接着工法の開発、予備実船実験などの準備研究を実施した。
50m平板船前半部
(2)青雲丸を用いたマイクロバブルの摩擦抵抗低減実船実験―後編:実船実験―
永松哲郎(鹿児島大)、児玉良明、角川 明(海技研)、高井通雄、村上恭二(住友重機械)、石川 暁(三菱重工)、上入佐光(三井造船)、荻原誠功、吉田有希(IHI)、鈴木敏夫、戸田保幸(阪大)、加藤洋治、池本晶彦(東洋大)、山谷周二、芋生秀作(航海訓練所)、山下和春(中国塗料)
 
 マイクロバブルによる船体摩擦抵抗低減効果を実船で検証するために、航海訓練所の練習船「青雲丸」に気泡発生装置および各種の計測装置を装着して実船実験を実施した。その結果、気泡を吹き出す位置や量によって抵抗は増加することも減少することもあることが分かった。また、気泡が大量にプロペラに流入するとプロペラ効率が低下することも分かった。気泡発生条件の選択により、本実船実験では14ノットで最大3%の軸馬力の低減を得た。気泡発生に要する動力を考慮すると、これは2%の正味の省エネとなる。
 
使用した気泡発生装置と気泡量 軸馬力の低減率 抵抗の低減率
全ての装置;1/4最大 −0.8% 4.5%
上段の装置;最大 3.0% 3.0%
下段の装置;最大 2.0% 5.5%
(3)トリムした船体に働く流体力の推定
湯川和浩、星野邦弘、原 正一、山川賢次(海技研)
 
 著者らは平成10年度から「最適曳航支援システム」の開発を進めている。シミュレーション計算により損傷船舶の漂流予測や安定な曳航法に関する指針を与えることができるソフトウェアだが、正確な指針を与えるためには、とりわけ主船体に働く流体力を精度良く推定することが重要となる。本研究では、VLCC船型の10分割模型を用いて船首トリムした船体に働く横力の船長方向分布を計測し、その特徴を調べた。また、細長体理論と離散渦流出法を組み合わせた理論推定法により、船首トリムした船体に働く流体力の推定計算を行ったので、その結果を報告する。
(拡大画面:48KB)
10分割模型による横力分布の計測結果(船首トリム3deg.)







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