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 海難審判庁裁決録 >  2002年度(平成14年) > 乗揚事件一覧 >  事件





平成14年那審第22号
件名

漁船第三光進丸乗揚事件

事件区分
乗揚事件
言渡年月日
平成14年11月14日

審判庁区分
門司地方海難審判庁那覇支部(金城隆支、坂爪 靖、平井 透)

理事官
平良玄栄

受審人
A 職名:第三光進丸船長 海技免状:一級小型船舶操縦士

損害
船底に破口、浸水し、のち廃船

原因
船位確認不十分

主文

 本件乗揚は、船位の確認が十分でなかったことによって発生したものである。
 受審人Aを戒告する。
 
理由

(事実)
1 事件発生の年月日時刻及び場所
 平成14年2月9日20時00分
 沖縄県南大東島南岸

2 船舶の要目
船種船名 漁船第三光進丸
総トン数 4.9トン
登録長 11.85メートル
機関の種類 ディーゼル機関
出力 183キロワット

3 事実の経過
 第三光進丸は、FRP製漁船で、A受審人が1人で乗り組み、そでいか旗流し漁の目的で、船首0.7メートル船尾1.2メートルの喫水をもって、平成14年2月5日09時00分沖縄県当添漁港を発し、23時00分同県南大東島西方25海里ばかりの漁場に至った。
 A受審人は、翌6日から操業を開始し、適宜東方に移動しながら連日05時30分から19時00分まで操業し、越えて9日19時30分操業を終え、南大東島76メートル頂から102度(真方位、以下同じ。)4.6海里の地点を発進し、帰途に就いた。
 発進直後A受審人は、GPSプロッター画面を200海里ばかり西方の中城湾が表示できる画面とし、針路を同湾入口に設定したポイントに向く277度に定め、機関を全速力前進にかけ、9.0ノットの対地速力で、自動操舵により進行した。
 A受審人は、左舷側2海里ばかりを同航していた僚船と一緒に帰航することとし、速力の打ち合わせや漁模様等について無線電話で交信した後、引き続き操業日誌の記入を始めた。
 19時50分A受審人は、南大東島76メートル頂から112度1.6海里の地点に達したとき、同島南岸に著しく接近した状況となっていたが、操業日誌の記入に気を取られ、作動中のレーダーを見るなり、GPSプロッター画面を拡大するなどして船位の確認を十分に行わなかったので、このことに気付かないまま続航した。
 第三光進丸は、同じ針路及び速力で進行中、20時00分南大東島76メートル頂から184度0.4海里の地点において、同島南岸に乗り揚げた。
 当時、天候は曇で風力4の北風が吹き、潮候は下げ潮の中央期であった。
 乗揚の結果、船底に破口を生じて浸水し、のち廃船処理された。

(原因)
 本件乗揚は、夜間、沖縄県南大東島南方沖合において、同島東方の漁場から同県当添漁港に向けて航行する際、船位の確認が不十分で、同島南岸に著しく接近したことによって発生したものである。

(受審人の所為)
 A受審人は、夜間、沖縄県南大東島南方沖合において、同島東方の漁場から同県当添漁港に向けて航行する場合、作動中のレーダーを見るなり、GPSプロッター画面を拡大するなどして船位の確認を十分に行うべき注意義務があった。しかるに、同人は、操業日誌の記入に気を取られ、船位の確認を十分に行わなかった職務上の過失により、南大東島南岸に著しく接近していることに気付かないまま進行して乗揚を招き、船底に破口を生じさせ、のち廃船に至らしめた。
 以上のA受審人の所為に対しては、海難審判法第4条第2項の規定により、同法第5条第1項第3号を適用して同人を戒告する。

 よって主文のとおり裁決する。





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