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平成14年横審第67号
件名

引船サルベージ リーダー
被引自昇式海洋工事作業台船カジマ乗揚事件

事件区分
乗揚事件
言渡年月日
平成14年11月22日

審判庁区分
横浜地方海難審判庁(黒岩 貢、森田秀彦、甲斐賢一郎)

理事官
松浦数雄

指定海難関係人
A 職名:サルベージリーダートーイングマスター
B 職名:カジマ作業長

損害
サ 号・・・損傷ない
カジマ・・・船体中央から折れ、のち廃船

原因
サ 号・・・荒天措置不適切

主文

 本件乗揚は、台風が発生した際、早期に避難の措置をとらなかったことによって発生したものである。
 
理由

(事実)
1 事件発生の年月日時刻及び場所
 平成13年10月17日08時05分
 沖縄島名護湾

2 船舶の要目
船種船名 引船サルベージリーダー
総トン数 907トン
全長 86.0メートル
機関の種類 ディーゼル機関
出力 8,826キロワット
船種船名 自昇式海洋工事作業台船カジマ
排水トン数 5,510トン
全長 74.0メートル
45.0メートル
深さ 5.00メートル

3 事実の経過
 (1)サルベージ リーダー
 サルベージ リーダー(以下「サ号」という。)は、2基2軸の可変ピッチプロペラを装備した鋼製航洋引船で、制限加重153トンのボラードを有し、平成10年7月に財団法人日本海事協会が検査承認した2本の直径67ミリメートル(以下「ミリ」という。)長さ1,200メートルのトーイングワイヤーを装備していた。
 (2)カジマ
 カジマは、後部に開口部のあるU字形船体上に100トン吊りのジブクレーン等の工事諸機器や、沈設作業機器、沈埋トンネル工事用機器等の特殊機械類、作業員居住区等で艤装され、4隅に昇降可能な、一辺の長さが2.4メートルの正方形の断面を有する高さ約80メートルのレグと称する鉄杭を装備しており、曳航(えいこう)されて作業地点に達すると、レグを海中に降下して先端を海底に貫入し、船体を浮揚させて波の達しない海面上の高さまで持ち上げ固定し(以下「レグ降下状態」という。)、作業を行う台船であった。
 曳航中のカジマは、船首方向からの波浪には十分に堪航性があり、波高5ないし6メートルまで船体の動揺はないものの、横波には比較的弱く、波高3.5メートルくらいになると船体動揺が大きくなり、立ち上がり部の振れ止め防止器具だけで支えられている4本のレグを損傷させるおそれがあった。一方、レグ降下状態では、波高10メートル、8ノットの潮流、風速60メートルという気象海象条件にまで十分耐えられる強度をもっていた。
 また、レグを降下できる水域は、海底岩盤のようなレグの貫入量の少ない海底で水深50メートル以内、海底堆積土砂があるところで水深40メートル以内に限られていた。
 カジマには、K建設株式会社(以下「K建設」という。)の社員5人、同社が雇用した気象予報士、電気技師、調理師各1人及びFサルベージ建設株式会社(以下「Fサルベージ」という。)の社員5人が乗船していた。
 (3)曳航計画
 カジマの所有者であるK建設は、台湾蘇襖港の北約50キロメートルのところで建設中の龍門原子力発電所の海洋工事にカジマを使用することとなった。同船の台湾までの回航は、Fサルベージが請け負うことになり、同社では、サ号を用船したうえ、曳航保持力や曳航ルートを検討した曳航計画をK建設に提出し、それに基づいてK建設とFサルベージの間で、平成13年9月27日に仮曳航計画が交わされた。
 曳航計画書によると、引船の保持力については、サ号の曳航能力、カジマの排水量、レグの長さ、投影面積等をもとに検討した結果、有義波高5.0メートル、風速毎秒20.0メートル、潮流1.0ノットの各条件下、要求される保持力は約120トン前後となり、これに対し、サ号のボラード制限加重が153トンであることから、荒天時においても十分安全にカジマを保持できるとされた。
 広島県江田島から台湾蘇襖港までの曳航ルートは、近年の日本、台湾間の台風発生状況や潮流等の気象海象を考慮して検討され、豊後水道から都井岬沖合を経由し、沖縄の東方を南下したのち、蘇襖港に至るルートを採ることとなり、台風からの避難地の候補としてカジマのレグ降下状態での停泊が可能な別府湾、鹿児島湾、沖縄島東岸の金武湾(きんわん)を設定していたが、同島西岸の名護湾(なごわん)は、西方に大きく開いた湾であり、東寄り風浪に対しては十分凌ぐ(しのぐ)ことができるものの、他の方向からの風浪を遮るものがないという地域的特性をもち、また、水深が陸岸から急に深くなり、カジマのレグを打つ場所もなかったことから、同候補から外されていた。
 前示ルートは、距離930海里で、平均速力4.0ノットとして、順調に航海を続けると約10日間の航程となっていた。
 また、曳航方法は、カジマの船首部両舷にあるパッドアイと称する大型の係止具にそれぞれ繋いだ径70ミリ長さ27.5メートルの各チェーンに、直径67ミリ長さ36メートルのワイヤーを折り返して二重にした長さ18メートルのメインペナントワイヤーをシャックル及びデルタプレートを介してY字型に繋ぎ、更にシャックルを介してサ号の船尾から延出した直径67ミリのメインタウラインを繋いでおり、同ラインの長さは、航行海域、気象海象等により適宜、伸縮させ、平素、内海では300メートル、外洋では700メートルとしていた。
 (4)A指定海難関係人
 A指定海難関係人は、大手漁業会社等で航海士、船長として勤務したのち、平成9年にFサルベージにサルベージ曳航部課長として入社し、以来、曳航作業時の責任者として曳航船に乗り組み、船長に曳航作業の助言をするなどの業務を行っていた。
 A指定海難関係人は、カジマの台湾までの曳航について、蘇襖港に赴いて港湾状況の調査を行うなど、計画段階から参加しており、Fサルベージは、サ号に、曳航責任者のトーイングマスターとしてA指定海難関係人を乗せ、カジマ側からの航行についての要望や気象情報を取り入れ、サ号船長に助言させることにしていた。
 (5)B指定海難関係人
 B指定海難関係人は、K建設機械部機械技術センター施工技術部次長の職にあり、カジマを使用する建設工事にカジマ建造当時から携わり、カジマを実質的に保守管理していたことから、カジマ搭載の機器類に精通していた。同人は、A指定海難関係人同様、カジマの台湾までの曳航について計画段階から参加しており、曳航中、同船に作業長として乗り組み、カジマ側の要望や気象予報士による気象情報をとりまとめ、適宜、サ号のA指定海難関係人に伝えることになっていた。
 また、B指定海難関係人は、沖縄島付近を南下中に台風に遭遇した場合に備え、金武湾におけるカジマのレグ降下状態での停泊場所について、同湾を管轄する中城(なかぐすく)海上保安署に確認していた。
 (6)サ号船長C
 C船長は、フィリピンの商船大学を卒業後、航海士としてサルベージ船専門に乗船するようになり、35歳の時に船長としての海技免状を取得して以来、22年間にわたりサルベージ船の船長を務め、サ号には、平成12年5月に乗船した。
 C船長は、サ号の曳航に当たり、用船者のFサルベージ社員であるA指定海難関係人がトーイングマスターとして乗船するとの連絡を受け、曳航ルートの設定はA指定海難関係人が行うことに何ら異議を持たなかったが、同人は指示命令するわけではなく、助言のみであり、全て自らの責任と判断で行わなければならないことを理解していた。しかしながら、C船長は、A指定海難関係人が実質的な曳航責任者であるとの認識を持っており、同人に対し、若干の遠慮があった。
 また、C船長は、曳航するカジマがレグを4隅に備え、これを海底に貫入して船体を上げると相当な風波にも耐えることができることを知っていた。
 (7)本件発生に至る経緯
 サ号は、A指定海難関係人、C船長ほか16人が乗り組み、船首尾とも4.01メートルの喫水でB指定海難関係人ほか12人が乗り組んだ非自航のカジマを船尾に引き(以下「サ号引船列」という。)、船首6.00メートル船尾7.00メートルの喫水をもって、平成13年10月2日08時10分江田島を発し、蘇襖港に向かった。
 ところで、今回の曳航作業に関しては、Fサルベージにより前示のような詳細な曳航計画書が作成され、計算上はかなりの強風に対しても十分に耐えることができることになっていたが、過去には十分な曳航力を有するはずの曳航索が荒天により切断したり、引船の機関出力が予定通り出ず、被曳航物件が遭難した例は少なくなく、曳航中に荒天に遭遇した場合には、曳航索を十分に延ばし、曳航索に無理がかからない程度に速力を落としたり、ヒーブツーによるなどの対策が求められていた。しかし、カジマのような高さ80メートルのレグを装備した台船を曳航する際には、荒天中の船体動揺でレグを損傷するおそれがあることから、減速やヒーブツーによる対策には限度があり、荒天に遭遇しないルートの選定、もしくは、レグ降下状態での停泊が可能な場所へ避難する時期の判断が最も重要な課題となっていた。
 C船長は、A指定海難関係人が曳航計画書に基づいて海図に記入したコースラインに沿って平均4ノットの速力(対地速力、以下同じ。)で瀬戸内海を抜け、豊後水道を南下したが、同月4日朝都井岬沖合を通過したころ、B指定海難関係人から、マリアナ諸島東方海上で発生した熱帯低気圧が北西進し、九州近海では波浪が高まるとの情報があるため鹿児島湾に避難したいとの要望がA指定海難関係人を通して寄せられ、急遽(きゅうきょ)鹿児島湾に向けることとなり、翌5日から同湾内を低速力で周回しながら待機し、同月8日午後同湾を発って再び航行を開始し、曳航索の長さを750メートルとして沖縄島の東方を通る当初の曳航ルートで南下した。
 同月10日夕方奄美諸島の東方を南下中、C船長は、B指定海難関係人から、フィリピン東方海上にいずれ熱帯低気圧に発達することが予想される低気圧が発生しており、このまま南下すると先島諸島付近で北東の風浪が強くなり、レグや機械類の損傷を避けるため横波を避けたい旨の要望がA指定海難関係人を通して寄せられたため、同人と相談の上、沖縄島の西方を南下して名護湾で周回しながら低気圧の様子を見ることとし、同月11日06時30分沖永良部(おきのえらぶ)島の南東方で針路を西方に変更して名護湾に向かった。
 同日20時40分C船長は、名護湾に到着し、曳航索を370メートルに短縮して2.5ノットの速力とし、水納(みんな)島灯台から213度(真方位、以下同じ。)2.2海里及び129度7.1海里の両地点を往復しながらの周回を開始した。
 同月12日08時過ぎA指定海難関係人は、B指定海難関係人から前示低気圧が熱帯低気圧になって発達しながら西方にゆっくり進んでいること、今後の気象海象状況とともに、熱帯低気圧が台風になれば金武湾に回航してレグを降ろすことを検討中である旨の連絡を受けた。
 一方、C船長は、低気圧が熱帯低気圧になって名護湾でも徐々に風が強くなってきたことから、A指定海難関係人に対し、カジマをレグ降下状態として熱帯低気圧の接近に備えることを提案したが、現時点でカジマ側からの要望もなく、名護湾ではレグを打つ場所もないとの回答であったことから、そのまま周回を続けることとした。
 しかしながら、沖縄島南端付近の波浪について、同日09時の気象庁発行の沿岸波浪図では、東北東のうねりで周期6秒高さ1.7メートルと、同月13日09時の同図では、東のうねりで周期7秒高さ2.6メートルとそれぞれ解析され、金武湾へ回航するのであれば同日のうちに実施しないと避難の時期を失する状況となっていた。
 同13日朝、B指定海難関係人は、気象予報士より、フィリピン東方海上の熱帯低気圧が台風21号となったことを聞き、台風がこれ以上接近すると沖縄島東方の海域も波が高まり、金武湾への回航ができずに避難の時期を失することになり、台風の進路によっては名護湾内が相当な風浪となることが予測できたが、台風まではまだ距離もあり、明確な動きがなかったことと、カジマでの関係者間のミーティングの際、サ号による曳航でも十分台風に耐えられるとの考えを示されたこととから、直ちに金武湾に避難し、レグ降下状態として台風の接近に備えることに思い及ばず、念のため、名護湾内のレグを打つことのできる地点を検討しただけで、A指定海難関係人にこのまま周回を続けたい旨を連絡した。
 また、A指定海難関係人は、熱帯低気圧が台風21号に変わったことを聞いた際、台風がこれ以上接近すると沖縄島東側の海域も波が高まり、金武湾への回航ができずに避難の時期を失することになり、台風の進路によっては名護湾内は相当な風浪となることが予測できたが、台風まではまだ距離もあり、明確な動きもなかったことと、サ号による曳航でも何とか台風に耐えられると考えていたこととから、直ちに金武湾に避難し、レグ降下状態として台風の接近に備えることに思い及ばず、また、B指定海難関係人からの金武湾へ避難の要望もなかったことから、現状のまま名護湾内に留まることとし、C船長に金武湾への回航を助言しなかった。
 そのころC船長は、熱帯低気圧が台風21号に変わったことで不安を抱くようになり、台風の進路によっては名護湾内は相当な風浪となることが予測できたが、台風に変わってからでもA、B両指定海難関係人から特に避難の要望がなかったこともあって、台風の風浪に対する配慮が不十分となり、カジマをレグ降下状態にするという自らの考えを再度申し出て実行に移すこともなく、このまま周回を続けることとした。
 同月14日C船長は、名護湾内の波が若干高くなったものの、台風の進路は依然台湾の西方に向いていたことから、とりたてて台風からの避難対策を講じることもなく周回を続け、A指定海難関係人からも特別な助言を聞かなかったが、沖縄島東側のうねりの高さは3メートルを超え、すでに金武湾への回航は不可能な状況となっていた。
 同月15日朝のミーティングでB指定海難関係人は、気象予報士から、台風が沖縄島西方から九州南方に回るとの予測もあり、その場合、名護湾では有義波高2.8メートル風速毎秒25メートルに達するとの報告を受けたが、その後のミーティングで、過去のカジマ曳航時の経験から同船を波に立てていれば問題ないということで意見が一致したことから、その旨、A指定海難関係人に連絡し、さらに、15時過ぎ、気象予報士から台風が石垣島を通過後北東に進路を変えるという報告を受けたが、A指定海難関係人に対し、特に予定の変更等の申し入れは行わなかった。
 A指定海難関係人は、台風の進路が北東に変わるという気象情報を得たとき、すでに沖縄島東側は波が高まり、金武湾へ避難する時期を失していたことから、名護湾で周回しながら台風の風浪を凌ぐしか方法がないものと判断し、C船長に対して特に助言しなかった。
 同月16日08時昇橋したC船長は、それまで東寄りであった風向きが南東寄りに変わって風速毎秒22ないし25メートルと強まり、波高も2.0ないし2.5メートルに高まっていたことから、11時ごろそれまで1基であった機関を2基駆動した。同船長は、風波が更に強まれば、名護湾口まで進出して曳航索を500メートルまで延ばし、それでも曳航索を破断するおそれのあるときは湾外に進出して同索を700メートルまで延出することにしていたが、これについてA指定海難関係人に判断を求めることはなく、夜になると南東風が更に強まったことを認めたため、曳航索への負担軽減のため曳航速力を1.5ノットに減じ、名護湾の南部にあたる水納島灯台の南南東6海里付近に移動することとした。
 翌17日05時10分C船長は、船体が大きくピッチングを繰り返す状況下、名護湾口の水納島灯台から168度5.8海里ばかりの地点において、曳航索を500メートルまで延ばし、その後機関を全速力前進にかけ、船首を風に立てて153度を向首して曳航中、同時30分サ号引船列が強い風浪により水納島側に圧流されていることを認めたことから、乗組員を総員配置に付けた。
 05時前から昇橋していたA指定海難関係人は、サ号の機関が全速力前進にかけられるとともに、プロペラピッチが最大となっていることに気付いていたが、C船長と同じころサ号引船列が風下に圧流されていることを認めた。
 06時15分A指定海難関係人は、水納島灯台から169度5.1海里の地点で船位を確認し、次いで07時00分の位置を計測したとき、同灯台から171度4.4海里の地点となり、水納島に向かう340度の方向に約2ノットの速力で圧流されていることを知った。
 C船長は、機関操作盤の前に立って自らその操作を担当し、操舵手を手動操舵に就け、一等航海士に曳航索のモニターを監視させて波に立てるよう懸命に操船を続けたが、圧流速力は徐々に増速していった。
 07時20分C船長は、カジマから浅瀬が間近に接近しているとの連絡をA指定海難関係人を通して受けたものの、どうすることもできず、同時45分水納島灯台から200度2.0海里の地点に達したとき、強い衝撃を感じてモニターを確認したところ、曳航索が船尾から20メートルのところで切断したことを知った。
 C船長は、直ちに曳航索を取り直そうとしたが、激しい風浪のため妨げられ、二重遭難の危険もあったため同索の取り直しを断念したが、その後、カジマは強い風浪により水納島に向かって4.2ノットの速力で圧流され、08時05分水納島灯台から189度800メートルの水納島南端の浅瀬に281度を向首して乗り揚げた。
 当時、天候は雨で風力9の南南西風が吹き、波高は約4メートルで、潮候は下げ潮の初期であった。
 乗揚の結果、サ号は、損傷がなかったが、カジマは、船体中央から折れ、廃船とされた。
 カジマの全乗組員は、16時20分来援した海上保安庁の救難艇に救助された。

(原因)
 本件乗揚は、沖縄島名護湾において、大型の作業台船カジマを曳航するサ号が熱帯低気圧を避けて周回中、同低気圧が台風となった際、台風の風浪に対する配慮が不十分で、早期にカジマのレグ降下状態での停泊が可能な金武湾へ避難せず、名護湾で周回しながら台風の通過を待つうち避難の時機を失し、台風の接近に伴う強い風浪により曳航索が切断し、カジマが浅瀬に向け圧流されたことによって発生したものである。
 サ号引船列の運航が適切でなかったのは、サ号船長が、熱帯低気圧が台風となった際、早期にカジマのレグ降下状態での停泊が可能な金武湾に避難せず、名護湾での台風避難を選択したことと、トーイングマスター及びカジマ作業長のいずれもが、サ号船長に対し、早期に名護湾から金武湾に回航し、カジマをレグ降下状態として台風から避難する旨の助言を行わなかったこととによるものである。

(指定海難関係人の所為)
 A指定海難関係人が、大型の作業台船カジマを曳航するサ号にトーイングマスターとして乗り、沖縄島名護湾において、熱帯低気圧を避けて周回中、同低気圧が台風となった際、同台風が沖縄島に接近する可能性もあったから、直ちにカジマをレグ降下状態として停泊が可能な金武湾へ避難するよう、サ号船長に助言しなかったことは本件発生の原因となる。
 A指定海難関係人に対しては勧告しない。
 B指定海難関係人が、サ号に曳航される大型の作業台船カジマに作業長として乗り、沖縄島名護湾において、熱帯低気圧を避けて周回中、同低気圧が台風となった際、同台風が沖縄島に接近する可能性もあったから、直ちにカジマをレグ降下状態として停泊が可能な金武湾へ避難するよう、A指定海難関係人に申し入れを行わなかったことは本件発生の原因となる。
 B指定海難関係人に対しては勧告しない。

 よって主文のとおり裁決する。





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