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 海難審判庁裁決録 >  2002年度(平成14年) > 乗揚事件一覧 >  事件





平成14年神審第26号
件名

交通船ポフェイドン乗揚事件(簡易)

事件区分
乗揚事件
言渡年月日
平成14年7月30日

審判庁区分
神戸地方海難審判庁(大本直宏)

理事官
小寺俊秋

受審人
A 職名:ポフェイドン船長 海技免状:一級小型船舶操縦士

損害
左舷船首部船底に亀裂を伴う凹損

原因
船位確認不十分

裁決主文

 本件乗揚は、船位の確認が十分でなかったことによって発生したものである。
 受審人Aを戒告する。

適条

 海難審判法第4条第2項、同法第5条第1項第3号

裁決理由の要旨

(事実)
1 事件発生の年月日時刻及び場所
 平成13年11月15日19時40分
 徳島県今切川河口

2 船舶の要目
船種船名 交通船ポフェイドン
総トン数 7.9トン
全長 15.55メートル
機関の種類 ディーゼル機関
出力 501キロワット

3 事実の経過
 ポフェイドンは、FRP製の交通船で、A受審人が1人で乗り組み、徳島空港拡張工事の関係者6人を乗せ、船首0.3メートル船尾1.5メートルの喫水をもって、平成13年11月15日19時30分、今切港長原導流堤灯台(以下「導流堤灯台」という。)の北西方約1海里の、今切川左岸の地点を発し、同灯台の北方約2海里の工事現場に向かった。
 A受審人は、今切川沿いに15.0ノットの対地速力で南下中、19時39分導流堤灯台から272度(真方位、以下同じ。)520メートルの地点に達し、わずかな左回頭惰力のある状況下、ほぼ115度に向首し、同灯台の灯光を左舷船首約20度に見る態勢となったとき、同灯光の南側至近に白、白2灯を視認した。
 19時39分わずか過ぎ、A受審人は、白、白2灯が一旦北上して長原導流堤に隠れた後、再び導流堤灯台の南側に現れたのを認めたが、同2灯の動静に気を取られ、直ちに機関を停止して同2灯の動静を確かめると同時に、船位の確認を十分に行うことなく、同時39分少し過ぎ同灯台から265度400メートルの地点で、左回頭惰力を抑え針路を103度に定めて進行した。
 こうして、ポフェイドンは、A受審人が左回頭開始時機を失し、小松防砂堤に向首していることに気付かずに続航中、原針路原速力のまま、19時40分導流堤灯台から212度130メートルの地点において、同防砂堤北側の消波ブロックに乗り揚げた。
 当時、天候は晴で風力2の北西風が吹き、潮候は下げ潮の中央期であった。
 乗揚の結果、左舷船首部船底に亀裂を伴う凹傷及び推進器に曲損をそれぞれ生じたが、のち修理された。

(原因)
 本件乗揚は、夜間、徳島県今切川を南下中、河口付近の左回頭開始地点に差し掛かった際、船位の確認が不十分で、同川右岸の小松防砂堤に向首進行したことによって発生したものである。

(受審人の所為)
 A受審人は、夜間、徳島県今切川を南下中、わずかに左回頭惰力のある状況下、河口付近の左回頭開始地点に差し掛かった際、導流堤灯台の南側至近に白、白2灯を視認し、同2灯が一旦北上して長原導流堤に隠れた後、再び導流堤灯台の南側に現れたのを認めた場合、直ちに機関を停止して同2灯の動静を確かめると同時に、船位の確認を十分に行うべき注意義務があった。しかるに、同人は、同2灯の動静に気を取られ、船位の確認を十分に行わなかった職務上の過失により、左回頭開始時機を失し、小松防砂堤に向首していることに気付かずに進行して小松防砂堤北側の消波ブロックへの乗揚を招き、左舷船首部船底に亀裂を伴う凹傷及び推進器に曲損をそれぞれ生じさせるに至った。





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