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 海難審判庁裁決録 >  2002年度(平成14年) > 乗揚事件一覧 >  事件





平成13年那審第45号
件名

プレジャーボートブルー.ツー乗揚事件

事件区分
乗揚事件
言渡年月日
平成14年6月20日

審判庁区分
門司地方海難審判庁那覇支部(金城隆支、坂爪 靖、平井 透)

理事官
中谷啓二

受審人
A 職名:ブルー.ツー船長 海技免状:四級小型船舶操縦士

損害
船体に亀裂、アウトドライブ推進装置に損傷

原因
水路調査不十分

主文

 本件乗揚は、水路調査が十分でなかったことによって発生したものである。
 受審人Aを戒告する。

理由

(事実)
1 事件発生の年月日時刻及び場所
 平成13年6月30日18時15分
 沖縄県嘉手納漁港南方

2 船舶の要目
船種船名 プレジャーボートブルー.ツー
登録長 7.70メートル
機関の種類 電気点火機関
出力 220キロワット

3 事実の経過
 ブルー.ツーは、FRP製プレジャーボートで、A受審人が1人で乗り組み、妻を同乗させ、船首0.65メートル船尾0.85メートルの喫水をもって、平成13年6月30日12時00分沖縄県宜野湾港を発し、同港10海里西方のナガンヌ島北側海域に至ってスキンダイビングを行い、17時00分帰途に就いた。
 17時30分ごろA受審人は、宜野湾港港外に至って、同港北方海域への巡航を思い立ったが、初めて同海域を航行するにあたり、測深機を監視し、水色の変化を目視しながら、陸岸から適当な距離を保って航行すれば大丈夫と思い、沖縄県中頭郡嘉手納町兼久地先の沖縄島西岸に浅礁が拡延していることが記載されている、備付けのヨット・モーターボート用参考図H203に詳しく当たるなどの水路調査を行わなかった。
 A受審人は、沖縄島西岸沖を都屋漁港沖合まで北上して引き返し、嘉手納漁港内を遊覧した後、18時12分嘉手納港第2号立標を左舷側に120メートル離して航過したとき、機関を回転数毎分2,000に掛け、15.0ノットの対地速力で南下を開始し、ときどき測深機を見て水深を確かめながら、嘉手納町兼久地先の護岸沿いを手動操舵により進行した。
 18時14分A受審人は、嘉手納港第2号立標から165度(真方位、以下同じ。)800メートルの地点に達したとき、針路を157度に定めたところ、浅礁に向首することとなったが、このことに気付かなかった。
 ブルー.ツーは、同じ針路、速力で進行中、18時15分嘉手納港第2号立標から162度1,270メートルの地点において、浅礁に乗り揚げた。
 A受審人は、直ちに機関を停止してその場に停留し、潜水して損傷状態などを確認しているうち、波によって浅礁の奥に打ち寄せられた。
 当時、天候は晴で風力2の南風が吹き、潮候は下げ潮の中央期であった。
 乗揚の結果、船体に亀裂を、アウトドライブ推進装置に損傷を生じ、僚船により引き下ろされ、のち修理された。

(原因)
 本件乗揚は、宜野湾港北方海域を初めて航行するにあたり、水路調査が不十分で、嘉手納町兼久地先の浅礁に向け進行したことによって発生したものである。

(受審人の所為)
 A受審人は、宜野湾港北方海域を初めて航行する場合、備付けのヨット・モーターボート用参考図H203に詳しく当たるなどの水路調査を十分に行うべき注意義務があった。しかるに、同受審人は、測深機を監視し、水色の変化を目視しながら、陸岸から適当な距離を保って航行すれば大丈夫と思い、水路調査を十分に行わなかった職務上の過失により、嘉手納町兼久地先の浅礁に気付かず、同浅礁に向け進行して乗揚を招き、船体に亀裂を、アウトドライブ推進装置に損傷を生じさせるに至った。
 以上のA受審人の所為に対しては、海難審判法第4条第2項の規定により、同法第5条第1項第3号を適用して同人を戒告する。

 よって主文のとおり裁決する。 





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