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 海難審判庁裁決録 >  2002年度(平成14年) > 乗揚事件一覧 >  事件





平成13年那審第49号
件名

遊漁船友遊丸乗揚事件(簡易)

事件区分
乗揚事件
言渡年月日
平成14年4月18日

審判庁区分
門司地方海難審判庁那覇支部(金城隆支)

理事官
平良玄栄

受審人
A 職名:友遊丸船長 海技免状:一級小型船舶操縦士

損害
舵、推進器翼及び同軸を曲損

原因
水路調査不十分

裁決主文

 本件乗揚は、水路調査が十分でなかったことによって発生したものである。
 受審人Aを戒告する。

適条

 海難審判法第4条第2項、同法第5条第1項第3号

裁決理由の要旨

(事実)
1 事件発生の年月日時刻及び場所
 平成13年7月21日10時00分
 沖縄県那覇港西方沖

2 船舶の要目
船種船名 遊漁船友遊丸
総トン数 6.2トン
登録長 12.25メートル
機関の種類 ディーゼル機関
出力 334キロワット

3 事実の経過
 友遊丸は、FRP製遊漁船で、A受審人ほか1人が乗り組み、客10人を乗せ、客にダイビングを行わせる目的で、船首0.70メートル船尾1.46メートルの喫水をもって、平成13年7月21日09時15分沖縄県浜川漁港を発し、慶良間列島前島西方のダイビングポイントに向かった。
 09時20A受審人は、神山島灯台から066度(真方位、以下同じ。)7.7海里の地点で、針路を261度に定め、機関を全速力前進より少し遅い回転数毎分1,500に掛けて15.0ノットの対地速力で、手動操舵によって進行した。
 ところで、A受審人は、平成10年11月に友遊丸を購入し、以来船長として乗船し、那覇港西方沖のナガンヌ島北方を何度も航行した経験があり、さんご礁帯の存在は知っていたものの、さんご礁帯はナガンヌ島から遠くまで拡延していないと思い、備え付けの海図第222A号に当たって、さんご礁帯の拡延状況などの水路調査を十分に行ったことがなかった。
 09時54分A受審人は、神山島灯台から323度2.2海里の地点に達したとき、左舷船首方に北上するヨットを認め、同船を避けるため左舵をとって針路を230度に転じたところ、ナガンヌ島北方に拡延するさんご礁帯に向くこととなったが、このことに気付かないまま進行した。
 友遊丸は、同じ針路、速力で続航中、10時00分神山島灯台から288度2.6海里の地点において、さんご礁に乗り揚げた。
 当時、天候は晴で風力3の西南西風が吹き、潮候は下げ潮の中央期であった。
 乗揚の結果、客は僚船に移乗し、船体は同日夕刻僚船の来援を受けて離礁し、舵、推進器翼及び同軸に曲損をそれぞれ生じたが、のち修理された。

(原因)
 本件乗揚は、那覇港西方沖において、浜川漁港から慶良間列島前島西方のダイビングポイントに向かう際、水路調査が不十分で、さんご礁帯に向け進行したことによって発生したものである。

(受審人の所為)
 A受審人は、那覇港西方沖において、浜川漁港から慶良間列島前島西方のダイビングポイントに向かう場合、備え付けの海図第222A号に当たって、ナガンヌ島北方のさんご礁帯の拡延状況などの水路調査を十分に行うべき注意義務があった。しかるに、同人は、さんご礁帯はナガンヌ島から遠くまで拡延していないと思い、水路調査を十分に行わなかった職務上の過失により、さんご礁帯の拡延状況を知らないままさんご礁に向け進行して乗揚を招き、舵、推進器翼及び同軸に曲損をそれぞれ生じさせるに至った。





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