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船舶職員法
 船舶職員法は、船舶職員として船舶に乗り組む者の資格を定め、その船舶の航行の安全を図ることを目的としているもので、海技従事者(船舶職員法第四条の規定による免許を受けた者)の免許や国家試験などについて規定しています。
 船舶職員になろうとする者は、海技従事者国家試験を受け、合格してから1年以内に申請して、免状の交付を受けなければなりません。
 
(1)船舶職員法の適用を受ける船舶
 この法律は次の船舶に適用されます。
ア. 日本船舶
イ. 日本船舶を所有することのできる者が借り入れた日本船舶以外の船舶
ウ. 日本の各港間、又は湖、川若しくは港のみを航行する日本船舶以外の船舶
 ただし、これらの船であっても、ろかいのみをもって運転する舟などには適用されません。
 
(2)海技従事者の免許
(1)免許を与えない場合
 次のいずれかに当てはまる者には免許を与えない。
1)年令により免許を与えない場合
ア. 四級及び五級小型船舶操縦士の資格の免許については16才未満の者
イ. その他の資格の免許については18才未満の者
2)海難審判法の裁決によって、海技従事者の免許を取り消された者
3)この法律の規定によって免許を取り消され、取消しの日から5年を経過していない者
4)この法律の規定又は海難審判法の裁決によって業務の停止処分を受け、その停止期間中の者
(2)免許の取消し等
1)運輸大臣は、海技従事者に次のことがあった場合には、その免許の取り消し、業務の停止(2年以内の期間で)又は戒告をすることができる。
ア. この法律又はこの法律による命令に違反したとき
イ. 船舶職員として職務遂行上に非行があったとき
2)運輸大臣は、海技従事者が心身の故障のため船舶職員に適さなくなったと認めるときは、その免許を取り消すことができる。
 
(3)海技免状
(1)海技免状の有効期間
 海技免状の有効期間は5年間で、満了の際に申請により更新することができます。この際、身体適性に関する基準に加え、次のいずれかを満たした者でなければなりません。
ア. 一定の乗船履歴を有する者(小型船舶操縦士の資格では、小型船の船長として1月以上)
イ. その他の業務に関する経験を考慮して、アの者と同等以上の知識及び経験を有すると認定された者
ウ. 指定の講習を終了した者
(2)海技免状の取扱い上の注意
ア. 海技従事者は船舶職員として船舶に乗り組む場合には、海技免状を船内に備えて置かなければならない。
イ. 海技従事者は、自分の海技免状を他人に貸したり、譲ったりしてはならない。
ウ. 海技従事者は、本籍の都道府県名や氏名に変更を生じたときは、できるだけ早く、登録事項訂正申請書に戸籍抄本若しくは戸籍記載事項証明書を添えて、運輸大臣に登録事項と海技免状の訂正を申請しなければならない。
 運輸大臣は申請を受けたときは、登録事項を訂正し、海技免状を書き換えてその者に再交付する。
エ. 海技従事者は、海技免状を滅失したときは、滅失したという証明書と再交付申請書を地方運輸局を通じて運輸大臣に提出して再交付を受けることができる。
(参考)
 五級小型船舶操縦士の免許で乗船できる船舶は総トン数5トン未満の海岸小型船であり、航行してもよい水域は沿海区域のうち海岸から1海里までと湖川です。
(参考)
 五級小型船舶操縦士の免許で乗船できる船舶は総トン数5トン未満の海岸小型船であり、航行してもよい水域は沿海区域のうち海岸から1海里までと湖川です。
 
小型船舶操縦士の資格体系
(拡大画面:41KB)
1. 港則法
第9条(けい留等の制限)
 雑種船及びいかだは、港内においては、みだりにこれをけい船浮標若しくは他の船舶にけい留し、又は他の船舶の交通の妨となる虞のある場所に停泊させ、若しくは停留させてはならない。
第11条(停泊の制限)
 港内における船舶の停泊及び停留を禁止する場所又は停泊の方法について必要な事項は、命令でこれを定める。
規則第6条(停泊の制限)
 船舶は、港内においては、左に掲げる場所にみだりにびょう泊又は停留してはならない。
1. ふとう、さん橋、岸壁、けい船浮標及びドックの附近
2. 河川、運河、その他狭い水路及び船だまりの入口附近
第24条第1項(水路の保全)
 何人も、港内又は港の境界外1万メートル以内の水面においては、みだりに、バラスト、廃油、石炭から、ごみその他これに類する廃物を捨ててはならない。
罰則(第41条第2号)
 3箇月以下の懲役又は3万円以下の罰金
第35条(漁ろうの制限)
 船舶交通の妨となる虞のある港内の場所においては、みだりに漁ろうをしてはならない。
罰則(第42条)
 1万円以下の罰金又は科料
第36条第1項(燈火の制限)
 何人も、港内又は港の境界附近における船舶交通の妨なる虞のある強力な燈火をみだりに使用してはならない。
第36条の2第1項(喫煙等の制限)
 何人も、港内においては、相当の注意をしないで、油送船の附近で喫煙し、又は火気を取り扱ってはならない。
2. 海上交通安全法
第10条(びょう泊の禁止)
 船舶は、航路においては、びょう泊(びょう泊をしている船舶にする係留を含む。以下同じ。)をしてはならない。ただし、海難を避けるためやむを得ない事由があるときは、この限りでない。
3. 航路標識法
第11条第2項(けい留の制限)
 船舶は、航路標識にけい留させてはならない。
罰則(第16条)
 1万円以下の罰金
4. 水路業務法
第24条(水路図誌及び航空図誌の保護)
 海上保安庁以外の者が、海上保安庁の刊行した水路図誌又は航空図誌を複製し、又はこれを使用して航海又は航空の用に供する刊行物を発行しようとするときは、海上保安庁長官の承認を受けなければならない。
罰則(第29条第3号)
 3万円以下の罰金
5. 水産資源保護法
第6条(漁法の制限)
 水産動植物をまひさせ、又は死なせる有毒物を使用して、水産動植物を採捕してはならない。
罰則(第36条)
 3年以下の懲役又は200万円以下の罰金
6. 漁業法
罰則(第143条)
 漁業権又は漁業協同組合員の漁業を営む権利を侵害した者は、20万円以下の罰金
7. 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の概要
 この法律は、船舶、海洋施設及び航空機から海洋に油、有害液体物質等及び廃棄物を排出すること並びに船舶及び海洋施設において、油、有害液体物質等及び廃棄物を焼却することを規制し、廃油の適正な処理を確保するとともに、排出された油、有害液体物質等、廃棄物その他の物の防除並びに海上火災の発生及び拡大の防止並びに海上火災等に伴う船舶交通の危険の防止のための措置を講ずることにより、海洋の汚染及び海上災害を防止し、あわせて海洋の汚染の防止に関する国際約束の的確な実施を確保し、もって海洋環境の保全並びに国民の生命、身体及び財産の保護に資することを目的とするものです。
 日常系廃棄物の排出規制が昭和63年12月31日以降、全ての船舶及び海洋施設からの日常生活に伴い生ずるごみ(廃プラスチック類、紙くず、金属くず等)の排出規制が大幅に強化され、別図のとおり船舶及び海洋施設からの廃棄物の排出規制が改められました。
 
 海洋への廃棄物の違法排出は、法により処罰されます。
 違法行為とその罰則の主なものは次のとおりです。
 
条項 規制内容 罰則
条項 罰金
10条1項 船舶からの廃棄物の排出禁止 55条1項 1千万円以下
同上過失 55条2項 500万円以下







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