福岡犯罪被害者支援センター
ニューズレター
2002年8月発行 第4号
NPO法人「福岡犯罪被害者支援センター」設立総会開く
2000年4月、法人格を持たない任意団体として発足した福岡犯罪被害者支援センターは7月16日、特定非営利活動(NPO)法人に衣替えするため、福岡市で設立総会を開き、満場一致でNPO法人化を決議。翌々日の18日、福岡県知事に対し設立認証申請書を提出しました。今後、審査(4ヵ月以内)と公告・縦覧(2カ月間)を経て設立の認証を受け、遅くとも11月下旬には設立登記して正式にNPO法人としての活動を開始する予定です。
NPO法人設立総会は午後6時半から福岡市中央区天神のアクロス福岡会議室で開かれました。正会員のうち本人出席13人、委任状出席11人で、総会の成立要件を満たしていることが報告された後、設立発起人を代表して内川昭司会長が「今年5月の第3回年次総会でNPO法人化の準備を進めることへの承認をいただき、準備委員5人で準備委員会を設置、今日まで議論を重ねてきました。県にも何度か出向き、その準備が整い、本日、総会の開催に至りました。定款や事業計画、役員選任などについてご審議をお願いしたい」とあいさつ。審議に移りました。
定款案、設立趣意書案について、芦塚増美準備委員が概要を説明。審議の結果、一部に修正を加えて承認し、理事に内川会長、林幹男副会長、前田正治副会長芦塚準備委員の4人、監事に村上優運営委員を選出。さらに内川理事を理事長に選出して総会を終了しました。
(総会で挨拶する内川理事長)
◆◆◆法律まめ知識◆◆◆
【特定非営利活動促進法(NPO法)PART2】
Q・まだNPO法人として認証されていないのに、なぜ設立総会を開くの?
A・NPO法人として認証されるには、申請書を県に提出して、審査のほか、公告(県広報への登載)・縦覧(2カ月間の一般公開)を経て県民に「こういう活動をやる団体です」って周知徹底を図らなければならないから、申請前に設立する必要があるんだよ。
Q・申請書が受け付けられれば、確実に認証されるの?
A・審査の結果、不認証という決定も当然あるよ。だけど、これまでの例からすると、不認証になるような団体は申請の段階でチェックされるから、まず認証されるだろうね。
Q・ところで、今のセンターはどういう性格の団体になるの。任意団体は解散したし・・・
A・そうね、まあNPO法人設立準備中団体ってとこかな。
■活動報告【1】 5月25日、第3回年次総会を開催
5月25日、福岡市中央区城内の福岡県弁護士会館ホールで平成14年度(第3回)の年次通常総会を開催しました。
2年前の設立総会、昨年度の第2回総会と、2年続けて総会に続き記念シンポジウムを開催してきましたが、今年度は初めての総会単独開催となりました。このため、正会員総数52人のうち本人出席は16人(委任状出席16人)とややさびしい状況でしたが、2年に1度の役員改選期にも当たり、活発な議論が交わされました。
まず役員改選では、内川昭司会長、林幹男、前田正治両副会長の再選を承認。平成13年度事業報告、収支決算の承認に続き、平成14年度事業計画案と収支予算案(支出計約571万円)について審議しました。承認された事業計画は次の通りです。
1 平成14年7月をめどにNPO法人設立認証申請を行い12月中の設立を目指す
2 NPO法人化に並行して、専門委員による個人面接相談を目指す
3 電話相談員の研修活動、全国研修会などへの参加を進める
4 法廷エスコートサービスなどに従事するボランティアの養成教育を検討する
5 会員、賛助会員へのニューズレターの発行、その他の広報活動を充実させる
最後に前田副会長が「今年度で財団法人・犯罪被害救援基金からの補助金が終了するため、センターを維持するためにも賛助会員を増やすことに力を入れたい。法人の賛助会員が少ないことがネックになっている。民間企業の寄付をいかに募るかが課題であり、企業への声掛けをお願いしたい」とあいさつ、総会を終了しました。
また、総会後、萬年浩雄運営委員が8月30日(金)午後1時から、福岡市立中央市民センター(福岡市中央赤坂2−5−8)で開催される市民シンポジウム「弁護士会・警察・民間ボランティアの役割分担とその連携」(日本弁護士連合会、福岡犯罪被害者支援センターなど主催、入場無料)についてPR。「被害者支援都民センターの大久保恵美子事務局長が基調講演し、パネル討論には俳優で刑務所慰問を続けている杉良太郎さんも参加します」と多くの方の出席を呼びかけました。
(質疑応答では運営委員や相談員から活発な意見、提言が出された年次総会)
■活動報告【2】 7月11日、「小さな家」事務局長と意見交換
福岡県や福岡県警、福岡県弁護士会、福岡犯罪被害者支援センターなどで組織する「福岡県犯罪被害者支援協議会」の年次総会が7月11日、福岡市博多区吉塚本町の博多サンヒルズホテルであり、福岡犯罪被害者支援センターからも内川昭司会長をはじめ、運営委員、相談員ら計6人が参加。講演された富山市の犯罪被害者自助グループ「小さな家」の事務局長、大久保純也さん(60)と講演後には意見交換し、活発な意見交換を行いました。
大久保さんは1990年10月、飲酒ひき逃げ事件で長男を亡くし、妻の恵美子さん(被害者支援都民センター事務局長)と富山市にマンションを借りて「小さな家」を開設。中学教諭だったため、表立った活動が制限されていましたが、今春中学校長を最後に定年退職されたため、ようやく自由に被害者支援のための活動ができるようになり、今回が初めての本格的な講演だったそうです。
大久保さんは「被害者支援に求められるもの」とした講演で、ビデオ放映やスフイドを交えながら被害者の一人として被害者支援活動に取り組み始めた経緯を報告。近年、犯罪被害者保護法の施行や刑法の危険運転致死傷罪の新設など、被害者に光を当てた法整備が進んだ点を評価する一方で、「現在も理解のない捜査、報道関係者の心ない態度、無神経な近所のうわさなどに被害者は苦しめられている」と説明。被害者が自分の力で生きられるよう、自助グループの普及、精神科医、臨床心理士、法曹関係者らによる支援体制の充実、職場の理解などの必要性を訴えられました。
また、意見交換会では、当センターの相談員が「週2回の電話相談を行っているが面接相談にまで活動を広げていくためには何が必要か」「相談を受けた後、気持ちが落ちこむが、小さな家ではどうか」などと、率直な思いを投げかけました。大久保さんはその一つひとつに丁寧に答えられ、最後に「ボフンティアは人のためにやるだけでなく、自分を高めるためにやるものです」と話され、ボランティアによる一層の活動の充実を切望されました。
(講演する大久保純也さん)
平成14年4月〜6月の電話相談受付状況
月 |
総受理件数 |
性別 |
相談内容 |
男性 |
女性 |
性暴力 |
暴力行為 |
交通事故 |
その他 |
4月 |
10 |
5 |
5 |
1 |
1 |
1 |
7 |
5月 |
7 |
2 |
5 |
2 |
0 |
0 |
5 |
6月 |
11 |
3 |
8 |
1 |
0 |
0 |
10 |
計 |
28 |
10 |
18 |
4 |
1 |
1 |
22 |
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■平成14年4月〜6月、事務局活動報告
4月18日 |
第1回運営委員会(9人出席) |
4月20日 |
第1回相談員研修会(福岡県弁護士会館ホール、17人出席) |
4月 |
ニューズレター第3号発行 |
5月16日 |
第2回運営委員会(8人出席) |
5月28日 |
福岡市女性協会から「女性への暴力相談フリーダイヤル福岡」実施に際し相談員派遣要請があり、運営委員3人、相談員3人の派遣決定 |
6月12日 |
第2回相談員研修・裁判傍聴(福岡地裁、8人出席) |
6月18日 |
第3回運営委員会(9人出席) |
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NPO法人化準備委員会設置 |
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福岡犯罪被害者支援センター相談電話
【092−738−1550】
毎週月曜日 19時―21時 毎週士曜日 13時―16時
(相談は無料です。相談内容の秘密は厳守します)
<賛助会員募集>
福岡犯罪被害者支援センターは現在、センターの活動に賛同する方による会費と寄付金、財団法人「犯罪被害救援基金」からの補助金などによって運営されています。ただ、犯罪被害救援基金の補助は今年度までで、来年からは会費と寄付金が主な収入源となります。現在の活動(週2回の電話相談窓口の開設)を維持し、さらに面接相談などへと活動内容を拡充するとともに、研修プログラムも充実させるため、センターを金銭面で支える賛助会員(法人、団体、個人)を募っています。ご協力をよろしくお願いします。
【年会費】 |
法人会員 1口 30,000円 |
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個人/団体会員 1口3,000円 |
〔郵便振替〕 |
口座番号 01780−4−93196 |
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口座名 福岡犯罪被害者支援センター |
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【編集後記】
今年度から年3回のニューズレター発行となったのに際し、今回から福岡県犯罪被害者支援協議会事務局(福岡県警察本部警察安全相談課内)の協力を経て、発行の運びとなりました。
力強い支援に感謝、感謝、感謝。(K)
発行 福岡犯罪被害者支援センター広報部
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