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平成14年度
アンケート結果の分析のまとめ
モデル実証団(名古屋団)
 平成14年度モデル事業の実証団として、いくつかの事業について、一般参加者を積極的に募集しての事業を展開しました。一般参加者には、新聞での募集やチラシ等を利用しました。参加した多くの子どもや親の意見をアンケートを通して、あるいは実際に口頭で聞いた結果分かったことは、まず海洋少年団の名称、活動内容、募集等について多くの親御さんは知らなかったことです。たまに新聞やパンフレット、テレビ等で映し出されるのを見て、海での活動をしている青少年の団体であると少し分かっていたが、自分たちには縁遠いと思いこんでいた人が多かったようです。
 アンケートの結果を見てみると、海洋少年団の活動は楽しそうで自由な雰囲気と答えてくれた親と子どもは40%もありました。この気持ちを大切にした活動が必要と思います。
 実証団として、具体的に本格的に取り組んだ事業が夏のキャンプでした。この夏のキャンプは、少し子どもたちに冒険をさせてあげたいと、日頃体験できないことを沢山取り入れたものでした。
 具体的には長良川でのラフティングやカヌー、水遊びやキャンプファイヤー、自分たちで食事を作り、きもだめしも行いました。実際に体験した子どもたちの感想は、最後に感想文を掲載しておきましたが、楽しかった又あったら参加したいという意見が圧倒的に多かった。それほど子どもたちは、家庭を離れて異年齢の子どもたちと一緒に生活をした経験が少ないことが分かりました。キャンプに参加した子どもたちを中心に夏休みが終わって、10月に野外活動センターでのディキャンプを呼びかけたところ、キャンプに参加した子どもたちの8割以上が参加してくれました。スタッフとして協力してくれた学生たちもびっくりするほどでした。
 親御さんも子どもからのキャンプでの出来事を聞き、メールで感謝の気持ちを送ってくれた人、手紙でお礼を伝えてくれた人、写真を送ってくれた人等たった4日間の未知の体験で得た、素晴らしい感動に子どもも親御さんも納得をしてくれたからだと思います。この経験を生かして、来年度も取り組んでみたい。
 一方、モデル事業として取り組んだものとして、夏休み前の5月から愛知県カヌー協会の指導員の協力を得て、一般の子どもたちにも募集してカヌー教室を実施しました。月2回第1日曜日と第3日曜日の午後から行いました。5月・6月・7月と続けて、8月にはカヌー協会主催のカヌー・フェスティバルで、練習成果をゲーム形式ではあったですが、参加させていただきました。これも練習に参加してきた子どもたちには大変楽しい行事として、当日は親御さんも参加して1日楽しみました。この事業でも始めて参加した子どもや親御さんからは、大変感謝していただきました。
 いくつかの事業においてアンケートを実施しましたが、アンケートの中では、海洋少年団について、知名度が低い結果が出ています。例えば、海洋少年団を知っていますかについて、子どもは26%、親御さんは28%、名前だけは知っているが子ども29%、親御さんは50%でした。しかし、きちんとしたパンフレット(活動内容や入団方法を掲載したもの―今年度は日本財団の助成で4000部発行―)や一般の子どもたちが参加できる事業を実施していけば、もっと参加してくれると確信を得ました。但し、活動内容が子どもたちや親御さんの要求にあっていないと参加が難しいことも分かりました。
 親御さんと子どもに対して、入団についてのアンケートをした結果では、親御さんは海洋少年団活動に参加する、しないは本人まかせが8割もありました。子どもからのアンケートでは、入団したいが24%、今後入団を考えるが28%という結果でした。これらの結果を考えると、入団をしたい気持ちを持っている子どもたちに、入団をしてもらうための活動をどのように今後考えていくかが問われていると思います。
 さらに、アンケートの質問で、子どもたちにグループ活動が好きですかでは、44%の人が好きと答えています。しかし、一方で16%の子どもは個人活動の方が好きと答えています。個人活動の多くは家庭内でのTVゲームやマンガ等で、自分一人の世界に閉じこもってしまうことが考えられ、まさに現代の子育てのあり方が反映された結果と思われます。
 親御さんへのアンケートで、海洋少年団に何を期待しますかを聞いたところ、野外活動や自然体験活動についてが36%あり、ついで、国際感覚豊かな人間教育を希望しているが15%ありました。やはり、家庭で体験しにくいことを期待していることがアンケートを通して分かりました。
 今年度に実証団を受けてみて、あらためて活動内容を振り返える機会になりました。一般の子どもや親御さんからの沢山のアンケートを通しての意見や、事業毎に感想をいただいたことを今後の活動に生かしていきたいと考えております。







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