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参考資料
森林の公益的役割を都市住民に理解してもらう方策について(公益的役割の金額換算に関連して)
 
1 2つの視点
(1)金額表示は具体的説明のように見えるが本質的には抽象的→物理的指標で示す
(2)都市住民の身近な問題に引きつけて公益的役割の理解を得るには「流域」を捉えて公益的役割の具体的説明をするのが効果的
 
2 物理的指標での公益的役割(機能)の説明
(1)水源かん養機能を例にとると・・・
(2)機能のメカニズムは、孔隙の多い森林土壌に根源がある
(3)雨水は土壌孔隙の「滲透能」によって、土壌中に一時貯溜される
(4)土壌孔隙に一時貯溜された雨水は、重力の作用で地中に移動していき、地中水又は地下水となって徐々に河川に流出→時間の経過に伴って貯溜余力は増大
(5)土壌の孔隙量の程度が、水源かん養機能を規定する
(6)孔隙量を日本の森林全体について試算すると444億m3(深さ1mまでの土壌)
(7)日本の降雨パターン(複雑)を規定し、森林地帯の降水量4,100億m3(国土全体の降水量×森林率)のうち2,900億m3は森林土壌中に一時貯溜される
(8)2,900億トンのうち600億トンが森林の林木の蒸散によって消失
(9)一時貯溜量(2,900億トン)から森林の蒸散量(600億トン)を差し引いた2,300億トンが、森林による河川流量の調節効果
(10)つまり日本の森林は、有効貯水量1億m3のダム444個分の役割を果たしている
3 「流域」の森林の公益的役割
(1)都市住民が生活している環境に引きつけて、流域の森林が環境をいかに保全しているかについて理解を得る方策が必要
(2)山地地形の国土
(3)都市は概して下流平坦部に形成されている
(4)都市がいかに不安定な自然地理的環境の下に発達しているか
・国土地理院:国土数値情報(50mメッシュ、250mメッシュなど)
数値地図の一例
・地理情報システム(GIS)の利用
(5)山地からの土砂流出を防止する森林の役割(機能)としてのメカニズムの基礎は、水源かん養機能と同様に森林に特有に発達する孔隙に富む森林土壌にある
(6)「流域」について森林が国土保全に果たしている役割を視覚によって説明する
 
 
コンピューターグラフィックスによる桜島立体図
(南西方向からの俯角30度で望む)
(拡大画像:60KB)







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