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献体登録をするには
献体登録の希望者には、以下のことを説明してあげてください
(1)どこに申し込むのか
 献体篤志家団体または医科・歯科の大学へ申し込んでください。申し込み先は大学病院ではありません。
 近くの医科大学(大学医学部)か、歯科大学(大学歯学部)(49ぺージ参照)または、このパンフレットの裏表紙に記入されている「お問い合わせ先」にご連絡下さい。団体や大学によって多少手続きに違いがあります。
 
(2)献体登録の申込書
 裏表紙の「お問い合わせ先」に請求すれば、申込書など関係書類を送ってもらえます。電話で請求されても結構です。
 申込書に必要なことを記入し、捺印したうえ、団体あるいは大学へ直接持参するか、または郵送して下さい。肉親者の同意の印をもらうことが大変な手間となることもありましょうが、次の(3)にあるように重要なことなので、是非とも同意を得ておいて下さい。
 
(3)肉親の同意
献体登録には肉親者の同意が必要です!
 生前、献体登録をしておられても、死後、実際にその遺志を実行できるのは、遺族(肉親者たち)であって、申込み者本入ではありません。したがって、ご遺族の中に一人でも反対がありますと献体は実行されず、その遺志が生かされないことにもなりかねません。そのため、献体登録をする時にあらかじめ肉親のかたがたの同意を得ておくことが大切です。また、登録後も、できるだけ多く身近な人達に理解しておいてもらうよう、その旨を伝えておくことが必要です。
 
(4)肉親の範囲
 献体登録にあたって、同意を得ておいてもらう肉親は、配偶者および親、子、兄弟姉妹など同居別居を問わず血のつながりのある人たちを指します。ことに親族中で発言力の強い方(伯父・伯母など)の同意を得ておくことは特に必要です。
 身寄りのない方の場合も含めて、くわしいことは裏表紙の「お問い合わせ先」にご相談下さい。
 
(5)病気があっても献体はできるか
 できます。解剖学実習は、大学で教授または助教授の指導のもとに行われます。生前の病気や手術のあとなどは、「正常」なものと比較することによって、かえって、良い学習ができることにもなります。この点について、なおご心配な方は、具体的に団体または大学とご相談なさるようおすすめします。
 
(6)献体登録証(会員証)
 献体登録申込書(入会申込書)を提出しますと、献体登録証(会員証)がもらえます。その登録証には、献体先大学名と死亡時の連絡方法などが書かれていますので、大切に保管しておき、ご家族や身近な方々にもよく知らせておくことが必要です。
 
(7)献体の実行
 献体登録者(会員)が死亡された時、ご遺族あるいは身近な方は、登録証に書かれた連絡先(献体登録大学)へ休日や時間外にかかわらず、まず電話でご連絡ください。その際、告別式の日取り、その他の遺族側の予定、希望なども含めて、ご遺体の引取りの日時や手順を大学側と相談して下さい。
 
(8)通夜・告別式を済ませてからでよいか
 通夜・告別式など、通常の葬儀を行うことは、献体する上で、少しも障害となりません。通常葬儀のあと、ご遺体は出棺して火葬場に向かうことになりますが、献体される場合は、火葬場ではなく、大学に運ばれる点が違うだけです。また、献体の場合は、次項に述べられているような理由で、ご遺骨が戻るまでに時間がかかりますので、それまでの間、遺髪や遺爪をお祀りになりたいご希望がありましたら、大学へお申し出ください。また、通常の葬儀を行わないで献体していただくのもさしつかえありません。(16ぺージ参照)
 ご遺体の移送費と火葬費は大学で負担いたします。
 
(9)ご遺骨返還の時期と方法
献体されたのち、ご遺骨がご親族に返還されるまでの期間は、大学によって多少差がありますが、1〜2年、長い場合は3年以上かかることもあります。これは、次のような理由によるものです。
 
(1) 防腐処理などの解剖準備期間として3〜6か月ぐらい必要です。
(2) 実際の解剖学実習期間として通常3〜7か月ぐらいを必要とします。
(3) 実習は大学ごとに決められた時間によって必要な数のご遺体を用いて行われるために、次年以後の実習に繰りこして解剖されることがあります。
 
 解剖学実習終了後、ご遺体は一体ごとに大学で丁重に火葬し、ご遺骨をご遺族にお返し致します。
 なお、いずれの大学でも、献体された方々のために、大学の公式の行事として毎年慰霊式が行われています。







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