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●調査員のプロフィール
井村 良英(イムラ ヨシヒデ)27歳
職業(勤め先)●1999年5月より淡路プラッツ(大限府にある不登校・ひきこもりのためのフリースペース)スタッフ。2000年4月より2002年3月まで代表。
資格等●子ども虐待防止アドバイザー(大阪府)、中学校社会科教員資格。
 現在、ヨーロッパ、アジアを旅しながら、教育施設を見学中。成人教育(生涯教育開発職業支援教育施設を中心に、働いたり、学んだりしながら。
 2002年12月25日現在、訪れた国16ヵ国、訪れた施設、13カ所、出会った人600人以上。
リサーチスタッフを引き受けた理由●成人青年を支援する中で、彼らのキャラクターの違いを痛感。すべての人に通用する普遍的な支援方法はおそらくないであろうと思い至る。その問題の解決は、全国で、または、世界で、彼らを支援する、ぞれぞれキャラクターの違う団体が、お互いを知り合い、情報を交換する密度の高いネットワークができることにより、はかられるだろうと考えたため。情報は、それだけで支援する側、当人、家族、その周りにいる人々にとって、大きな支援である。
調査しての感想●時間の都合で、多くを回ることはできなかったが、プロジェクトに貢献できたことがうれしい。また、このプロジェクトの意義を多くの現場の方々が、必要と感じておられたのが印象的だった。ゆえに、泊りとなるリサーチに時間を割いてくださったのだと思う。このネットワークができることにより、誰かが本当の利益を受けるのかを、これからもプロジェクトを進める中で訴えていく必要があると思う。
(本書掲載の)調査した施設●2カ所
 ハーモニーカレッジ/生野学院
 
大嶺 繁徳(オオミネ シゲノリ)27歳
職業(勤め先)●鹿児島郡桜島町役場勤務。
資格等●HRリーダー2級、中学社会教員免許。
調査員を引き受けた理由●HRリーダー養成講座の研修で、実習に行った場所がそれぞれ特色を持っていて面白かったので、九州にはどんなところがあるか、まず自分が知りたいと思い、リサーチスタッフを引き受けました。
調査しての感想●他の地方と比べて、九州地区は閉鎖的な感じがしました。お互いの情報が全く交換されていなく、連携が取れていません。全体的に見て、肩肘はっている感じがしました。ただ、雰囲気はゆったりしているという感じは受けました。それぞれ、九州の土壌をそのまま映し出しているような気がします。このような施設と地域の関係性というものをつくづく感じました。
(本書掲載の)調査した施設●1カ所
 フリースクール玄海
 
小川 隆司(オガワ タカシ)37歳
職業(勤め先)●トトロ学園代表。有限会社小川商社代表取締役。
資格等●HRリーダー2級、2級建築士、その他多数
調査員を引き受けた理由●HRリーダー養成講座受講時に実施研修として先達の施設で体験したことが、大変実りあるものとなりましたので。今回、リサーチスタッフのお話を頂いたときに、「また勉強させて頂くよい機会だ」と思い、お受け致しました。
調査に関しての感想●リサーチスタッフという立場上、常に客観的に物事をとらえるように心がけました。やはり、お受けしたときに直感したとおり、大変勉強になりました。新しい交流のきっかけとなりうる機会に恵まれました。このプロジェクトが(青少年の)自立について悩んでいる方々のよい判断材料となれば幸いです。
(本書掲載の)調査した施設●3カ所
 ハート・テンプル/螢生学園/NOLA
 
小川 誠(おがわ まこと)49歳
職業(勤め先)●寄宿生活塾 五色塾代表。
リサーチスタッフを引き受けた理由●プラットフォーム事業提唱4団体の一つである「はじめ塾」の和田重宏先生から誘いを受け、大変面白そうだと思って、即座にお引き受けしました。
調査しての感想●私は12団体を訪問させてもらいましたが、それを通じて文章にしたら論文がかけるのではと思うくらい様々な事を学ばせてもらいました。その中で最も重要だと感じたことを3つだけ列記しておきます。
1. 宿泊型の不登校・ひきこもりのための教育施設は、世間一般からは学校や社会のレールから外れてしまった青少年の自立更正施設のように見られているかもしれません。
 確かにそのような側面もありますが、そこを突き抜けて、「21世紀の新しい人間教育施設」と呼ぶべき施設も幾つかあったことを指摘したいと思います。そのような施設の最大の特徴は寮生とスタッフや代表が「同じ釜の飯を食う」共同生活と人間同士の付き合いを通じて深い信頼関係を築き、その土俵の上で共に学びあい、全人格的に成長しあっていることです。
2. 戦後教育はつまるところ、個人の経済的安定と社会的成功を保証する「入れ物」に入ることを目標にしてきていて、精神的には社会的依存心を増幅させてきたのではないかと感じました。そこから抜け落ちたのが「自立」という言葉です。「自立」とは「己を知る」ことから始まり、様々な問題や悩みを抱えながらも「この己やよし」と自己を肯定して、「この己をどう社会で生かすか」、社会の中で試行錯誤できる力のことです。今回行った施設では中学生なら学校へ戻し、高校生なら進学か就職、大学生以上なら社会的自立を目指すところが多かったですが可能な限りどの段階においても精神的自立と社会的自立の両方を促進するプログラムを用意すべきではないかと思いました。いずれにせよ、今後は学校教育でもこの「自立」という視点を取り戻す必要性があると痛感しました。
3. 不登校やひきこもり現象は、幾つかの施設の代表が指摘していたように、親や現在の日本社会に対する青少年の側からの警告であり、大人社会への不信感の表明であるという側面があることをしばしば感じました。ですから、親や学校、あるいは社会は例えば、不登校という呼び方ではなく、やはり登校“拒否”と呼んで、彼らの声にならない主張にもっと耳を傾けるべきだ、大人は何が拒否されているのかもっと真剣に考えるべきだと思いました。彼らの多くは力がなくて“脱落”したのではなく、“進んで脱線”したように感じました。ただ、進んで社会に訴えるほどのエネルギーがないのはどういうことなのか、よく分かりませんでした。
(本書掲載の)調査した施設●9カ所
 くりこま高原自然学校/生活塾 自在館/和みの里 翼塾/明日飛子ども自立の里/青少年自立援助センター/コロンブスアカデミー/一期一会/新潟青少年自立援助センター/やすづか自由学園
 
工藤 啓(クドウ ケイ)25歳
職業(勤め先)●NPO法人青少年自立援助センター
調査員を引き受けた理由●今まで今回のような形で調査した支援団体施設の資料を見たことはなかったので、ひきこもり・不登校の支援施設の情報を必要としている方に、プラットフォームが調査しようと考えているものが提供できるのなら、とても意義があることだと思いましたので。また、新しいものを自分の手で作り上げることに興味を持ったということもあります。
調査しての感想●それぞれの施設が独自の哲学を持って運営されていることが分かりました。環境も活動内容も施設ごとに個性がありました。ミスマッチがなく施設と出会うことができた青少年は活き活きとしているようで、それぞれの感覚、適性とマッチする施設をいかに選択できるようにするのかが今後の課題だと思います。
(本書掲載の)調査した施設●5カ所
 北海道青少年自立援助センター/瀬棚フォルケホイスコーレ/蔵王いこいの里・・・P63/寄宿生活塾 はじめ塾/Peaceful House はぐれ雲
 
河野 久忠(コウノ ヒサタダ)32歳
職業(勤め先)●NPO法人青少年自立援助センター北斗寮センター長
リサーチスタッフを引き受けた理由●宿泊型の自立支援施設は全国に多々あるが、実際にどのような場であり、どのようなケアがなされているかを知る情報源は少ないのが現状です。そのような中で、子どもたちや親に対して正確な情報を伝えると共に、より幅広く子どもにあったスペースをミスマッチなく選択できるようになればと考え今回のリサーチスタッフを引き受けさせていただきました。
調査しての感想●実際に何ヶ所かのスペースをリサーチするなかで、やはりそれぞれに特色があり、子どもたちに対する取り組み方や考え方も代表者の思いが反映されていて感心させられるところが多々あった。また、すべての場が万能と言うわけではなく、かかわれる子どもたちの範囲も各々ちがい、今回のリサーチを通じてそのあたりの状況をフェアに伝えることで、多くの悩んでおられる子どもたちや親御さんの重要な情報となっていってもらえればと思います。(本書掲載の)調査した施設●3カ所
 蔵王いこいの里/寄宿生活塾 はじめ塾/Peaceful Houseはぐれ雲
 
星野 佳美(ホシノ ヨシミ)35歳
資格等●HRリーダー養成講座参加、社会福祉士、精神保健福祉士。
リサーチスタッフを引き受けた理由●十数年、精神疾患を患った人の社会支援施設で働いてきたが、ひきこもりという言葉が飛び交う中、ひきこもり状態とはどういうことをいうのか、またどんな支援がされているのか関心を持ち、YSCのHRリーダー養成講座に参加させてもらいました。そして、プラットフォーム事業のことを知り、参加させてもらいました。
調査しての感想●5カ所ほど調査に行かせてもらいましたが、グループホーム的なアットホームな所から大きな施設まで、歴史のある所から新しい施設まで、長年の経験を生かした支援や、地域の特性(農業や自然体験など)どこもそれぞれに面白い活動をされているなあと思いました。利用者がそれぞれ自分にあった場所を選んでいけたら良いと思いました。
(本書掲載の)調査した施設●3カ所
 寄宿生活塾 五色塾/美麻遊学塾/徳弘会
 
山田 三千代(ヤマダ ミチヨ)58歳
資格等●HRリーダー2級養成講座受講。現在、「奈良県登校拒否を克服する会」世話人をしています。
リサーチスタッフを引き受けた理由●中学校入学時から不登校ではないが、学校へ行き渋りがちだった娘(現在30才、1児の母親)を約10年間ほど横から見守っていたという経験があり、子ども達が家から離れ、夫婦二人だけになった時、我が家を不登校やひきこもりの青年達の居場所として使ってもらおうと勉強を始めた。
調査しての感想●まずおどろいたのは全国にこんなに多くの宿泊型施設があるということです。そこでは形にとらわれない様々な方法で「若者の心へのアプローチ」に心をくだいている多くの人々がいました。気長に探せば必ず「あなた」に合う場所が見つかる筈。それには実際に訪れて目でみて確かめる、塾長と話す・・・という作業は欠かせないと思います。
(本書掲載の)調査した施設●8カ所
 地球の子どもの家/どんぐり向方塾/浪合こころの塾/北斗寮/トトロ学園/高野山高等学校/愛育園/若竹学園
 
若月 正勝(ワカツキ マサカツ)52歳
職業(勤め先)●新潟青少年自立援助センター代表
リサーチスタッフを引き受けた理由●タメ塾から依頼され、自分も、他の施設を見る良い機会だと思い引き受けた。
調査しての感想●自分の所との違い等、参考になった事が多かった。
(本書掲載の)調査した施設●1カ所
 うつみね健康学園・・・P71
 
 
●座談会出席者のプロフィール
工藤定次(クドウ サダツグ)52歳
●NPO法人青少年自立援助センター理事
 1950年生まれ。早稲田大学文学部、和光大学人文学部にて心理学・社会学を学ぶ。1977年、経営していた学習塾にサリドマイド児を受け入れたことをきっかけに、さまざまな子どもを受け入れるようになり塾名を「タメ塾」と改名。78年、初めてひきこもりの子どもを受け入れて以後、ひきこもり問題に取り組んでいる。著書に『学習塾の可能性 福生・タメ塾の記録』(1982、ユック舎)、『おーい、ひきこもり そろそろ外へ出てみようぜ タメ塾の本』(1996、ポット出版)、『激論!ひきこもり』斉藤環との共著(2001年、ポット出版)。
 
和田重宏(ワダ シゲヒロ)57歳
●寄宿生活塾 はじめ塾代表
NPO法人こどもと生活文化協会会長
1945年生まれ。横浜国立大学教育学部卒。公立中学校勤務の後、1974年に寄宿生活塾・はじめ塾を継ぎ現在に至る。2000年よりNPO法人子どもと生活文化協会(CLCA)会長を兼務。子どもと生活文化協会の機関紙、月刊「あやもよう」主筆。著書に『「観」を育てる』
(1997、地湧社)。
 
小川 誠(オガワ マコト)49歳
(調査員プロフィールに掲載)
 
工藤 啓(クドウ ケイ)25歳
(調査員プロフィールに掲載)
 
山田 三千代(ヤマダ ミチヨ)58歳
(調査員プロフィールに掲載)
 
 
●プラットフォームプロジェクト団体連絡先
●NPO法人 青少年自立援助センター(YSC)
代表者名●工藤 定次
所在地●〒197−0012 東京都福生市加美平1−12−5
電話番号●042−553−2575
FAX番号●042−551−6759
E−mail●ysc@interlink.or.jp
※プラットフォーム事務局
 
●NPO法人子どもと生活文化協会(CLCA)
代表者名●和田 重宏
所在地●〒250−0045 小田原市城山1−6−32 Sビル2F
電話番号●0465−35−8420
FAX番号●0465−35−8421
E−mail●info@clca.co.jp
 
●蔵王いこいの里
代表者名●岩川 松鶴
所在地●〒999−3114 山形県上山市永野字蔵王山2561−1
電話番号●023−679−2214
FAX番号●023−673−2610
URL●無し
E−mail●無し
 
●NPO法人 北陸青少年自立援助センター Peaceful House はぐれ雲
代表者名●川又 直
所在地●〒939−2204 富山県上新川郡大沢野町万願寺144番地
電話番号●076−467−0969
FAX番号●076−467−3597
URL●無し
E−mail●farmfirm@tateyama.or.jp
 
書名―全国ひきこもり・不登校援助団体レポート [宿泊型施設編]
編者―プラットホームプロジェクト
デザイン―沢辺 均(kin@pot.co.jp)/山田信也(yama@pot.co.jp)
編集・構成―岡田圭介(ok@pot.co.jp)/永冨奈津恵/沢辺 均
発行―2003年2月21日(初版3000部)
定価―2200円+税
発行所―
ポット出版
150−0001東京都渋谷区神宮前2−33−18#303
電話 03−3478−1774 ファックス 03−3402−5558
ウェブサイト http://www.pot.co.jp/
電子メールアドレス books@pot.co.jp
郵便振替口座 00110−7−21168 ポット出版
印刷・製本―シナノ印刷
 
ISBN4−939015−47−5 C0037
 
 
The volume on stayed type institution
Hikikomori Futoukou Assistance organization reports in Japan
Edited by Platform project
 
Editor:
SAWABE, Kin(kin@pot.co.jp)
OKADA, Keisuke(ok@pot.co.jp)
NAGATOMI Natue
Designer:
SAWABE, Kin
YAMADA, Shinya(yama@pot.co.jp)
 
First published in
Tokyo Japan, Feb. 21, 2003
by Pot Pub. Co. Ltd
 
#303 2−33−18 Jingumae Shibuya−ku
Tokyo, 150−0001 JAPAN
E−Mail: books@pot.co.jp
Postal transfer: 00110−7−21168
ISBN4−939015−47−5 C2037
 
【書誌情報】
1 データ区分―1
2 ISDN―4−939015−47−5
3 分類コード―0037
4 書名―全国ひきこもり・不登校援助団体レポート[宿泊型施設編]
5 書名ヨミ―ゼンコクヒキコモリフトウコウエンジョダンタイレポート シュクハクシセツヘン
13 著書名1―プラットフォームプロジェクト
14 種類1―編
15 著者名1読み―プラットフォームプロジェクト
22 出版年月―200302
23 書店発売日―20030221
24 版型―A5判
25 ページ数―288
27 本体価格―2200
33 出版者―ポット出版
39 取引コード―3795
 
本文●プラトンバルキーA判・T・43.5kgs
DIC 中国の伝統色C−266(ツァン ラン藏藍)
見返し●モデラトーンGA ブルー・四六判・90kg
表紙●ケンラン みどり四六判・Y・225kg/DIC C−266
カバー●モデラトーンGA オレンジ・四六・90kg/オペーク・白+DIC C−266
帯●ニューエイジ・A・45.5kg/DIC中国の伝統色C−38(インシンハイタン)
使用書体●ヒラギノ明朝W3、游築五号仮名W3
ヒラギノ角ゴW3、W5、W7、/游築初号ゴチックかなW8
P Frutiger、P Garamond







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