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◆スタッフに訊く・・・1
中原 秀明さん
●66歳 男性 正規スタッフ 勤続年数10ヶ月
●施設と関わるようになった理由
 社長と出会い、その話を聞いて感銘を受けました。66歳という年齢であり、最後の仕事として少しでも社会の役に立てればと思い、ここで働き始めました。
 
●施設について
 いろいろな施設がある中で、自然の恵みの中にあるものとしては最高の場所であり、人間(ひきこもりの子も)が自然の中で心を呼び戻す場所です。自然と共生できる場所です。
●在籍生の変化に気づくとき
 健常者と違って心の移り変わりが頻繁にあります。よく見ていないと見逃してしまいます。
●在籍生との関わりで注意している点
 本人を把握することです。散歩に誘って「いいですよ」と言っても、頭が痛くなったり、お腹が痛くなったり、気持ちの移り変わりが激しく、嘘をつくのが日常的なんです。それを「なんで〜」と聞いてしまうと関係が崩れてしまうんです。今、やりたくないことはやらなくてよいし、時期を待っていれば必ずやりたいことがでてくるからと呼びかけるようにしています。
●ここで働いて喜びを感じるとき
 寮生が元気になってくれるのが楽しみです。月に1日親が来て、その変化に気づいてくれるのが嬉しいです。
●辛いと感じるとき
 こちらの気持ちが通じないときや一方通行であるときが辛いですね。ただ、そのような状態は長くは続きません。入寮したときは、なかなか心を開いてくれませんが、そこは辛抱するしかありません。
●施設での自分のポジション(役割)
 慣れてくると、あれがしたい、これがしたいと甘えてくるので、人によっては父親的存在であり、そう思った人は「中原さん」と呼んできます。そうでない人は「先生」と呼んで来ます。それと、怒らなくてはならない状況でしっかり怒ることも自分の仕事だと思っています。
●施設の今後について
 寮費の心配をしなくても入寮できるように、福祉の社会制度をしっかりしていくことを呼びかけていきたい。ひきこもりの予備軍は多くいます。しかも、どんどん年齢を重ねてしまうんです。
●代表・その他のスタッフについて
 うまくいっています。代表と自分は目的が同じですから。
●その他
 もっとひきこもりの親御さんたちが、世間のしがらみにとらわれずに相談をしてきてほしいです。入寮しなくても相談はできます。相談20件のうち、入寮するのは1件ぐらいです。
 
◆スタッフに訊く・・・2
●48歳 女性 臨床心癒士 勤続年数5ヶ月
 
●施設と関わるようになった理由
 7月から8月にかけ臨床心癒士の受講を受け、1泊2日の実習にも参加しました。自分の子供3人のうち1人が不登校になり、親の苦しみも本人の苦しみも体験して、関心を持つようになりました。
●施設について
 食事以外は自由です。以前は寮生が8名いましたが、今は2名なのでもう少し増えるといいと思います。
●在籍生の変化に気づくとき
 顔の表情が変わってくるときです。
●在籍生との関わりで注意している点
 一週間に一度ほどの訪問で、長い付き合いはしていませんが、時間を共に過ごしているときは、健康面や本人の日常的な環境に注意を払っています。また、好きなことを探せるように気を使っています。寮生には、私が出入りすることで違った人間との関わりに関心を持ってほしいと思います。
●ここで働いて喜びを感じるとき
 いろいろな人を知る機会になると思います。ケースバイケースでいろいろな人を知ることができることです。
●辛いと感じるとき
 親や環境の犠牲になった子もいると思います。子供の苦しみや親の苦しみを自分のこととして受け止め、引き受けてしまうときに辛くなります。
●施設での自分のポジション(役割)
 一週間に一度の訪問をする心癒士です。
●施設の今後について
 本当はこういう所に入らないで元気でいてくれるほうがいいのですが、現状はそうではありません。ですから、入寮してきた寮生を手助けできる施設になればいいと思います。
●代表・その他のスタッフについて
 今度も連携をとって、もっと研修をしたり勉強をさせていただきたいです。
 
★在籍生に訊く・・・1
●24歳 女性 在籍年数10日
 
●入寮する以前の状態と入寮のきっかけ
 短大に行ったのですが、その後何もすることがなくて、家にいました。何もしていないのも結構良かったです。親に勧められて来ました。
●入寮当時の施設の印象
 生活が大変で、建物が古いなぁと思いました。まだ入寮10日なので慣れていません。
●現在施設で行っていること(作業・通学・勉強など)
 まだ何もしていません。
●施設で辛いこと
 特にはありません。
●入寮後自分の中で変化したこと
 今までは誰とも関わっていなかったけれども、もう一人寮生がいるので、その人がいることが多少の変化をもたらしているかもしれません。
●今の目標
 ここを出て仕事を探すことです。
●将来について
 普通の生活ができればいいです。仕事をしながら一生自分らしくやっていけることです。
●現在の施設の印象
 個人のお風呂がほしいなとは思います。
●他の在籍生との関係
 あまり喋らない人です。私もあまり喋りませんが、寮の仲間であると思っています。
●親との関係
 悪くはないです。
●代表・スタッフの方との関係
 いい関係です。
 
▼団体詳細
団体名称●有限会社 徳弘会(ユウゲンガイシャトクヒロカイ)
代表者名●松岡 秀暢(マツオカ ヒデノブ)
所在地●〒889−3204 宮崎県南那珂郡南郷町中村乙7051−160(ミナミナカグンナンゴウチョウナカムラオツ)
電話番号●0987−21−9835 FAX●0987−21−9836
URL●無し E−MAIL●無し
設立年度●1990年 在籍生平均在籍年数●3〜4ケ月
入寮生数●男・・・6人 女・・・1人(平均年齢・・・28歳) 入寮定員●男女合わせて8〜10人
通所生数●男・・・―人 女・・・―人(平均年齢・・・―歳) 通所定員●男・・・―人 女・・・―人
年齢制限●無し 性別制限●無し 相談業務●有り 家庭訪問●有り(実費のみ) 親の会●無し
会報発行●無し
特記事項●入寮生定員は男女合わせて8〜10名。/KHJ親の会に属し、多くの相談がある。/徳弘寮は徳弘会の事業活動の一環として、若者を支援するために設立された。徳弘会の本部は福岡県にある。(本部:福岡県太宰府市五条四丁目7−7 TEL092−923−7996)。当会独自で新たに訪問サポート専門の部として、臨床心癒士協会を平成14.7.28に設立しました。
スタッフ状況●日中・・・必ず誰が常駐している。夜間・・・スタッフ1名と食事のまかないさんが常駐する。
スタッフ●正規・・・男4人・女3人/ボランティア・・・男1人・女1人/その他・・・男―人・女―人
 
▼通所費・入寮費
通所生●―
入寮生●月額負担金・・・160,000円(内訳・・・食費60,000円、乗物料・施設使用料20,000円、光熱費20,000円、人件費40,000円、教育費20,000円)※要相談/その他の負担金・・・通信学費、合宿費、旅行費は別途。
※公的支援を視野に入れている。
 
▼生活
日課スケジュール●[午前]朝の散歩/8:00・・・朝食。本人の意向に沿ってハートフルセンター(カルチャーセンター)の利用・サイクリング・新しい寮生が入ったときは観光へ行く(コミュニケーションをとる機会を与える)[午後]12:00・・・昼食。午前のプログラムと同様。/夕方の散歩。/6:00・・・夕食。ハートフルセンターの利用。
週末・休日●自由行動。
食事●食事作り専門のまかないさんがいる。衛生面の管理上、調理室に寮生は入れていない。朝昼夜、三食全員で食べる。
清掃●食堂と玄関はスタッフが清掃し、廊下、トイレ、洗面所、風呂は寮生が清掃する。現在は寮生が少ないのでスタッフも手伝っている。
年間スケジュール●3月・・・花見・田植えの体験学習/4月・・・ハイキング/7月・・・稲刈り/8月・・・海水浴/9月・・・海水浴/10月・・・ハイキング/11月・・・みかん狩り・金柑狩り/12月・・・クリスマス会。
※春からはテニスを行う予定がある。他にも男女全員が参加できる行事を創作したり、音楽を始めようと考えている。







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