日本財団 図書館


◆スタッフに訊く・・・2
藤沢 恵美子さん
●25歳 女性 正規スタッフ 勤続年数半年
●施設と関わるようになった理由
 ここに来る前は一般企業で働いていましたが以前から子供と関わる仕事がしたいと思っていました。たまたまここの職員とひょんな所で出会い、スタッフ募集の話を聞いてすぐに応募しました。
●施設について
 自由学園は子供のための施設ですが、自分自身も癒されていると思います。子供のために何かをしようと考えると何も出来ない自分が苦しくなってしまいます。自分が楽しくやっていると子供も楽しくなっているようです。今では自然体でいることが、子供の心を開き、子供と良い関係を築くことにつながると感じています。
●在籍生の変化に気づくとき
 子供の変化に気づくのは、その子が日常の小さなことをそっと教えてくれたときです。言い換えれば、以前は言葉にできなかったことを言葉にできるようになったときです。今年の子供は例年よりおとなしいそうですが、その子たちが何かを言葉で言えるようになったとき、「自分の居場所」を見つけたなと思います。
●在籍生との関わりで注意している点
 まずは自分が自然体でいることです。
●ここで働いて喜びを感じるとき
 子供といるだけでとても幸せです。その子が何かを教えてくれたときが一番嬉しいです。
●辛いと感じるとき
 子供が自分の思いをなかなか伝えてくれなくて、こちらも感じられないときは辛いですね。それから子供がいない休み中も辛いです。宿直のときは24時間子供の目があるので気が張って疲れたりしますが、基本的に楽しいことばかりです。
●施設での自分のポジション(役割)
 子供との関わり一切合切というところでしょうか。行事や活動は全員で決めていますが、その中の一人という程度です。
●施設の今後について
 この施設が今後もずっと続いて欲しいです。修学生からは電話もありますし、子供たちは修学後もまた学園に遊びに来ます。その時にこの学園が存在していることが大事だと思います。遊びに来たときにここにいる後輩に昔のことなんかを話してくれたらいいなと思います。
●代表・その他のスタッフについて
 ここに来て、自分が何もできないことを知りました。学園長が子供にかける一言一言は重みがあります。先輩スタッフも同じで、私にとっては大きな存在です。地域の人たちもここで元気な子供の声が響くのを期待しています。ここが地域の人々に支えられていることを忘れないでやりたいと思います。
 
★在籍生に訊く・・・1
長澤 章祐さん
●14歳 男性 在籍年数4ヶ月
●入寮する以前の状態と入寮のきっかけ
 ここへ来る前は学校へはほとんど行っていませんでした。家でのんびり音楽を聴いたり、外でぶらぶらしたりしていました。友達からやすづか自由学園のことを聞いて、ネットで調べ、山の中で泊り込みという環境と知って友達ができそうだと思いました。体も動かせるし、「いいなあ」と思いました。一週間の体験入学をして気に入って入寮しました。
●入寮当時の施設の印象
 ここは涼しくて気持ちが良かった。スタッフも生徒も面白い人が多いなと思いました。
●現在施設で行っていること(作業・通学・勉強など)
 初体験のことがたくさんある。例えば冬の雪が多い。スノーフェスティバルが面白い。雪で壁を作ってそこに穴を空けてろうそくを点けて歩く。それから、畑を耕したり羊の世話をしたり。掃除も洗濯も自分でやる。たまに面倒臭いけど(笑)。
●施設で楽しいこと
 自分の部屋を好みに合わせて飾ることができる。ここに来るとみんな明るくなる。今はバンドを組んで、みんなで演奏するのが楽しい。俺はベースをやってます。スタッフの人とサイクリングに行ったり、普通の日でも学園の外へ出ていろいろな自然体験ができます。
●施設で辛いこと
 自分の部屋の片付けが大変(笑)。毎週金曜日に掃除をしなければいけません。でも掃除もちゃんとやってみると意外に面白かったりもします。
●入寮後自分の中で変化したこと
 昔はモヤモヤしていた。家の中にいるといらいらしたり、家の中にいるのが嫌だった。それがここではなくなりました。それから人に接しやすくなった。多分、近所の方と普通に話をしたり、男子生徒といつも一緒にいるからだと思います。
●今の目標
 バンドでライブコンサートをやりたい。もうそのことはスタッフに話してあります。
●将来について
 日本で音楽デビューして稼げるようになりたいです。音楽専門学校のようなところに行きたいです。
●現在の施設の印象
 とても充実しています。広い体育館、校庭、防音設備のある音楽室なんか。暖かい日はベランダで昼寝ができます。
●他の在籍生との関係
 いい友達ができました。
●親との関係
 寮が閉鎖(休み)の時は家へ帰りますが、今では親と明るく接することができるようになりました。
●代表・スタッフの方との関係
 スタッフの人は面白い。いろいろな話をしてくれる。たまに麻雀もします。
 
▼団体詳細
団体名称●社会福祉法人 安塚町社会福祉協議会 やすづか自由学園(ヤスヅカジユウガクエン)
代表者名●竹内 實(タケウチ ミノル)
所在地●〒942−0539 新潟県東頚城郡安塚町円平坊94−1
(ヒガシクビキグンヤスヅカマチエンタイラボウ)
電話番号●02559−3−2004 FAX番号●02559−3−2004
E−MAIL●jiyuu@yukidaruma.or.jp
設立年度●1996年 在籍生平均在籍年数●1年
入寮生数●男・・・10人 女・・・2人(平均年齢・・・13歳) 入寮定員●男・・・10人 女・・・12人
通所生数●男・・・1人 女・・・―人(平均年齢・・・14歳) 通所定員●男・・・―人 女・・・―人
年齢制限●有り(9歳〜14歳) 性別制限●無し 相談業務●有り 家庭訪問●無し 親の会●無し 会報発行●有り(年3回)
特記事項●1996(平成8)年に私塾として始まり、1999(平成11)年4月に社会福祉法人・安塚町社会福祉協議会の公益事業として引き継がれた。
スタッフ状況●日中・・・スタッフ全員。ボランティアは必要に応じて来る。夜間・・・スタッフ1名が宿直
スタッフ●常勤・・・男3人・女3人/非常勤カウンセラー・・・男1人・女1人/JYVAフルタイムボランティア・・・女1人/給食係・・・女2人/ボランティア講師・・・多数
 
▼通所費・入寮費
通所生●―
入寮生●[小学生]入会費・・・150,000円、入寮費・・・100,000円、月額負担金・・・40,000円、寮費・・・15,000円、食費・・・35,000円。[中学生]入会費・・・200,000円、入寮費・・・100,000円、月額負担金・・・45,000円、寮費・・・15、000円、食費・・・40,000円。
※体験入学費/1日6,000円。
 
▼生活
日課スケジュール●[午前]7:00・・・起床、洗面、着替え/8:00・・・登校、朝食、学習準備/9:00・・・朝会/9:15・・・教科学習(国、社、数、理、英)[午後]12:00・・・昼食/1:00・・・活動(体験学習、労作、音楽、創作)/3:00・・・喫茶、休憩/3:30・・・学園清掃、寮清掃/5:20・・・夕食、休憩/6:00・・・帰寮、入浴、洗濯、談話/11:00・・・消灯。
週末・休日●自由行動。
食事●自分たちの作ったお米と野菜が食卓に上る。地域の方々からは収穫の時期にお米や野菜などをたくさんいただいている。それらの食材を使って食品の加工や貯蔵用のむろ作りなどもやっている。
清掃●共同場所は全員で手分けして行い、寮の個人部屋は個人の責任できれいにする。
年間スケジュール●1月・・・新春お楽しみ会/2月・・・節分豆まき・安塚町スノーフェスティバル/3月・・・修学式(卒業式)・春休み/4月・・・お花見会・山菜採り/5月・・・田植え・羊毛狩り・春のハイキング/6月・・・菱ヶ岳山開き・日帰り旅行/7月・・・七夕祭り・野焼き作品作り・キャンプ(海水浴)/8月・・・夏休み/9月・・・稲刈り・秋のハイキング/10月・・・カヌー川下り・野焼き/11月・・・菱里地域ふれあい祭り・収穫感謝祭/12月・・・クリスマスパーティー・冬休み
※基本的に公立中学校の年間授業日数に準じた動きになっている。春、夏、冬の休みになると寮生は自宅に戻る。







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