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佐賀県
 
(1)岩本 末俊
●造船はできない。
年齢:昭和9年生まれ
経歴: 昭和26年18歳頃、父親とともに他所の造船場で修業した。見習い期間は5年。昭和55年頃まで木造船を造っていた。30隻くらい造船。あとFRPを多く造った。
船種: 漁船 一本釣り 長13.5m、幅2.8m
和船(伝馬)長6m未満、幅2.1m
船材: スギ・唐津の沖本建材。伊万里の波多津の浦田造船から。
釘・広島の木江町
調査者:安冨 俊雄
 
(2)田中 芳隆
●造船はできない。
年齢:昭和24年生まれ
経歴: 昭和43年18歳頃、高校の造船科に入った。船大工としては5代目になる。自分一人で木造船を造ったことはない。先代は年間5〜6隻(5t未満)造っていた。
調査者:安冨 俊雄
 
(3)山下 清次
●造船はできない。
年齢:昭和5年生まれ
経歴: 昭和18年頃15歳で呼子の船大工・野添ヒサキチに弟子入りし5年勤めて1年お礼奉公した。見習いの時、伝馬船を3隻造り、そのお祝いに100〜200円もらい、それが小遣いになった。5年目に棟梁から船大工道具をもらったが、給金はたばこ銭くらいだった。その後、福岡造船で70歳まで働いた。経験は55年。木造船は昭和40年代後半まで。
船種: 漁船(3〜5t)イカ取り 長8m(小さいもの)5t未満
イワシ取り 15t(小川島)
船材: スギ・宮崎(ベンコウスギ)
釘・唐津から(専門の鍛冶屋があった)広島から。
調査者:安冨 俊雄
 
(4)向 軍治
●造船はできない。
年齢:昭和12年生まれ
経歴: 昭和30年頃18歳で小川島の船大工・前川チヨキチに弟子入りし2年習った。以降、経験は47年、木造船は50隻ほど造った。
船種:漁船 イカ釣、タイ釣 長10m、幅2.5m
船材:スギ・宮崎ベンコウ 釘・広島
調査者:安冨 俊雄
 
(5)松永 勝人
●造船できる。
年齢:大正12年生まれ
経歴: 昭和22年、24歳で父親に習った。経験は50年、大小200隻くらい造った。最後の造船は昭和45、6年頃まで。
船種:漁船(19tまで)近海 網船、一本つり、のべ縄船 客船(40t)
船材: スギ・宮崎(オビスギ)、唐津の製材所。
マツ・地元(骨組み)
釘・広島木江町
調査者:安冨 俊雄
 
(6)山口 善司
●造船はできない。
年齢:大正12年生まれ
経歴:昭和14年頃16歳で父親に習った。20歳まで修業した。
船種: 漁船 一本釣り 長15m、幅3m、動力
伝馬 長7m、幅7尺(2.2m) 櫓と帆
船材: スギ、マツ、ヒノキ、梶まわりと水押しがケヤキ地元材。(厳木町、中浦、前原など)
釘・広島の木江町。唐津でも。
調査者:安冨 俊雄
 
(7)山口 成司
●造船はできない。
年齢:昭和25年生まれ
経歴: 昭和43年18歳で父親に習った。(6代目)。昭和40年代の後半まで、数隻造ったのみ。
船材: スギ、マツ・地元
釘・唐津や広島
調査者:安冨 俊雄
 
長崎県
 
(1)鍵本 昇
●条件付で造船できる。
年齢:大正12年生まれ
経歴: 12、3歳から見習っていたが、昭和12年頃15歳で父親から“たたかれながら”習った。経験は65年。500隻は造ったか。;
船種: 漁船 まき網の運搬船(15t)
テント船 えびす祭りの競漕用4丁。
船材: スギ・地元および日向材。
釘・木江(森田工業所)、佐世保でT字釘(トウリクギ)
直近造船: 平成14年10月に造船。えびす祭りの競漕用船。今回は釘捜しで苦労した。櫓の入手でも苦労した。熊本県松島で作った。船具屋(タチバナ・本渡)を通して。
調査者:安冨 俊雄
 
(2)鍵本 茂
●造船できる。
年齢:昭和10年生まれ
経歴:上(1)の昇の弟。昭和28年頃18歳で父親に習った。
船種: 漁船 テント船 長8m、幅1.9m
貸物船(15t)
客船
船材:スギ・地元 釘・だいたい広島から。近年はなし。
直近造船:平成14年10月。えびす祭りの船を兄と兄の息子と。
調査者:安冨 俊雄
 
(3)鍵本 勇
●造船できる。
年齢:昭和24年生まれ
経歴:昭和44年19歳で木江の造船高校で。木造船は10隻くらい造った。経験は30年。
船種: 漁船
テント船 競漕用 長8m、幅1.9m 櫓
船材: スギ・地元
釘・釘がなくて困った。
直近造船: 平成14年10月。松浦市のえびす祭りの競漕用船を父親と叔父と3人で、父親(昇)の指導を受けながら造った。
調査者:安冨 俊雄
 
(4)浦添 藤男
●造船できない。
年齢:昭和3年生まれ
経歴: 昭和20年頃17歳で里造船所の里留一に弟子入りし3年修業した。“弟子あがり”のあと道具は自分で用意した。経験は50年余。年に大小5〜6隻造り、これまで130隻ほど造った。木造船の造船は昭和50年位まで。
船種: 漁船 一本釣り 長15m、幅4m
さし網 長5m、幅1.5m
船材: スギ、ヒノキ・熊本や大分から。
釘・長崎市の元船町から入手。
調査者:安冨 俊雄
 
(5)片山 庄蔵
●造船はできない。
年齢:昭和5年生まれ
経歴:昭和22年頃17歳で津吉のハタノ船大工に弟子入りし5年習った。
船種: テント船
漁船 イカ釣、イワシ、サバ
長20〜30尺、幅5〜8尺
船材:スギ・川棚や佐世保 釘・平戸市の東船具店。元は広島
直近造船:4年前。生月島のテント船を(?)
調査者:安冨 俊雄
 
(6)柏木 朝禮
●造船できる。
年齢:昭和15年生まれ
経歴: 昭和31年16歳頃父親に3年ほど習った。年に5〜6隻造り、これまで100隻位造った。経験は46年、木造船は昭和43年頃まで。
船種:漁船 リュウ船型 一本釣り、はえ網 長15m、幅3m
船材:スギ・佐世保の業者が宮崎や熊本から。 釘・尾道
調査者:安冨 俊雄
 
(7)山本 知行
●造船できる。
年齢:昭和25年生まれ
経歴: 昭和40年15歳で父親から8年余。山本造船所は同じ長崎市牧島の塚原造船所とともに長崎ぺーロンの船をほとんど建造している。
船種: 漁船(10t余) 一本釣り、底びき、積船(漁) 長46尺、幅9尺
競漕船 ぺーロン
船材: スギ・熊本の人吉。大分
釘・佐世保。三和町の鍛冶屋
直近造船:平成14年にも造船した。毎年数隻建造。
調査者:安冨 俊雄
 
(8)塚原 祥禎
●造船できる。
年齢:昭和15年生まれ
経歴:昭和30年15歳のときから父親について修業した。
船種: ペーロン船 競漕船 長13m 櫂
☆長崎におけるぺーロン船をもっとも多く建造している。塚原造船では親子3代が造船にかかわっている。
船材:スギ・熊本市。昔は長崎市の業者。釘・
直近造船:現在も建造中。年間、多い年で10隻、ふつう5〜6隻。
 
調査者:安冨 俊雄
 
(9)塚原 師範
●造船できる。
年齢:昭和23年生まれ
経歴: 昭和43年20歳で父親に習った。経験は35年。ペーロンは数百隻は手掛けた。(造船所として)
船種:漁船 底びき、運搬、はえ縄(茂木の船)長15m、幅3m
船材:(塚原造船所)
直近造船:現在も造船中。
調査者:安冨 俊雄
 
(10)塚原 誠吾
●条件付で造船できる。自分一人ではまだ難しい。
年齢:昭和42年生まれ
経歴:平成4年25歳から父親に習ってはじめ、現在10年。ぺーロンを造っている。
直近造船:現在も造船中。
備考:塚原祥禎の息子。
調査者:安冨 俊雄







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