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岡山県
 
(1)竹内 繁
●造船できる。
年齢:大正2年生まれ
経歴: 昭和4年頃16歳で竹内源太郎から21歳まで5〜6年間教わった。
戦時中、牛窓造船所で上陸用船艇を建造した。
船種: タコツリブネ タコ釣 長4尋半、肩5尺8寸5分
ディーゼル10馬力 釣りのときは櫓
カキデンマ カキ養殖 日生町頭島 長8尋(弁甲いっぱいの船)
ツリブネ 牛窓 一本釣り、定置網兼用 長5尋(弁甲いっぱいの船)
ツボアミデンマ 一本釣り、定置網兼用 肩6尺
船材: スギ・高祖材木店が九州で仕入れる。
クギ・叔母が鍛冶屋(木村)だった。廃業してからは木江町明石の奥本(現在はない)のマキハダ船から。
直近造船: 現在、注文ではないがツリブネを造船中。
4年前、日生の船、備前市保なみのタコツリブネを造った。
 
調査者:織野 英史
 
(2)草井 格
●条件付で造船できる。(人手と材があれば)
年齢:大正14年生まれ
経歴: 昭和21年頃21歳で草井安兵衛(父親)に習ったが、間もなく父親が死んだので即棟梁になった。経験は56年
船種: 瀬居島船 タイ延縄船 長5尋、肩6尺5寸
ディーゼル10〜15馬力、最初は電気着火5馬力
ツリフネ 女木など 一本釣り 長4尋半、肩5尺 櫓(昭和30)
コギ(底曳) 底曳網 長6尋半〜5尋 肩7尺 ディーゼル15馬力
トーカイセン 瀬居、牛窓 長7尋半、肩8尺 ディーゼル30〜50馬力
ツボアミデンマ 定置縄 長4〜5尋、肩5尺5寸
ディーゼル10〜15馬力
船材:岡村。過去は牛窓造船材木部 釘・赤松、三谷、木下(過去)
直近造船: 平成13年にオシブネを受注したが、体調を崩したので黒田庄一(黒田造船)に引き継いだ。
備考: 平成元年6月、大阪市から釜山市へ航海した『古代船「なみはや」』の建造計画に協力し、感謝状を受けている。
 
調査者:織野 英史
 
(3)矢吹 章
年齢:大正15年生まれ
経歴: 昭和16年頃15歳で父の妹婿・竹内純一に弟子入りした。父親・矢吹昇は戦時中、牛窓造船(企業合同)で仕事をしていた。昭和38年、父のもとへ帰り造船をした。経験は62年。木造船のセジマブネの造船は昭和45年が最後だった。
船種: セジマブネ(瀬居島船)タイ延縄漁、底曳も 全長12m、肩幅7尺5寸〜8尺 ディーゼル10馬力
ツリフネ 玉野市宇野 一本釣り 長4尋半、幅5尺 5馬力
ハシケ 港湾艀 150〜200t
機帆船 紙船飛航丸(昭和30年・川之江)150t 80〜150t
牛船(丸亀) 20m弱
船材: スギ・弁甲。高祖材木店(矢吹家の本家から嫁にいっている)
釘・地元の赤松、木下、木村(今はすべて途絶している。)
直近造船:『古代船「なみはや」』の建造にかかわる。
 
調査者:織野 英史
 
(4)井脇 隆敏
●造船できる
年齢:昭和8年生まれ
経歴: 昭和20年頃14歳で父親・井脇 喬について習った。昭和39年から黒田造船所(棟梁・黒田庄一)に勤務。経験は58年。
船種: コギ 底曳網漁 長15〜16m、幅3.5m以上 ディーゼル15馬力
生船(運搬船)鮮魚運搬 長20m、幅4m 650〜700馬力
機帆船 〜350t、150馬力
ツリブネ 一本釣り漁 長〜5尋、肩幅5尺ちょっと 10〜12馬力
ツボアミデンマ 定置網漁 長〜5尋、肩幅6尺 櫓
船材: 高祖材木店(牛窓)
釘・地元の赤松(過去)
クギサシ・地元の真砂(過去)
直近造船:牛窓町のオシブネ3隻を黒田造船が受注したので、浜棟梁として造船した。
調査者:織野 英史
 
(5)山元 高一
●未調査(造船可能?)
年齢:明治45年生まれ
経歴: 13歳で地元の船大工の造船場で見よう見真似で覚えた。弟子入りしたことはない。最初の船が売れたので、旭川、吉井川、高梁川の川筋で定住することなく船を造ってきた。
船種:川船 高瀬船
備考: 「FRONT」2002年5月号で紹介。
建部町の無形文化財に指定されている。
高瀬船が建部町文化センターに展示されている。
調査者:石原 義剛







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