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はじめに
 
 わが国では、トラック運送事業が貨物輸送を支える基幹産業として、経済発展や国民生活の向上に大きな役割を果たしておりますが、一方、地球温暖化や大気汚染の問題が依然深刻な状態が続いており、事業者自らの環境保全への積極的な取組みが期待されております。
 こうした状況の中、(社)全日本トラック協会では、「環境基本行動計画」を策定し、総合的な環境保全への取組みを積極的に推進しております。環境保全活動を進めるための手法として、ISO14001(環境マネジメントシステムに関する国際規格)がありますが、中小規模の事業者が大半を占めるトラック運送業界においては、経済的・人的負担が大きいISO14001の認証取得は容易ではありません。
 そこで、平成12、13年度の2年間に渡り、交通エコロジー・モビリティ財団では日本財団からの助成金を受けて、国土交通省、(社)全日本トラック協会および各都道府県トラック協会の協力を得ながら、トラック運送事業者の自主的な環境保全への取組みを支援・推進するための「トラック運送事業におけるグリーン経営(環境負荷の少ない事業運営)推進マニュァル」を作成しました。このマニュアルはISO14031(環境パフォーマンス評価に関する画際現格)の考え方に基づき、取り組むべき環境保全項目の各々について、その具体的取組み内容を明らかにするとともに、目標の設定と評価が容易にでき、これを通じて経営のグリーン化が進められるようになっております。
 本事業は、このマニュアルに基づく環境保全活動を更に推進するため、平成15年度での導入を目指しグリーン経営認証制度を検討したものであります。この制度は、マニュアルに基づいて一定のレベル以上の取組みを行っている事業者に対して、審査の上認証・登録を行うものであり、事業者の環境改善の努力を客観的に証明することにより、事業者の取組み意欲の向上につなげるとともに、トラック業界の環境問題への熱心な取組みを周知するツールとしても使用していきます。
 検討にあたっては、学識経験者、関係団体、産業界、関係行政機関の方々からなる「グリーン経営認証制度検討委員会」を設け、指導・助言を得ながら推進しました。
 石谷委員長はじめ委員の方々、ならびにご協力をいただいた多くの皆様方に深く感謝を申し上げる次第であります。
 
平成15年3月
 
交通エコロジー・モビリティ財団
会長 大庭 浩







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