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通信使の謎を解きあかそう
 1995年、朝鮮通信使ゆかりの町が、長崎県対馬の厳原(いずはら)町の呼びかけで同町に集まり、第1回の全国大会が開かれました。「朝鮮通信使縁地連絡協議会」という組織で、福山市も入っています。こうした全国的な組織ができたことなどで朝鮮通信使の研究が進み、広く知られるようになりました。
 しかしまだまだ謎もたくさんあります。通信使は壱岐の次に福岡県の藍島(相島)に宿泊していますが、1995年にその宿舎跡が新宮町の発掘調査によって見つかりました。これは全国でも初めてのことです。宿舎跡は石敷きが重なり合い、通信使がやってくるたびに建てかえられたという記録とも一致しました。この藍島は博多から12km離れた小島です。何百人という大使節団を、なぜ近くの便利な博多で受け入れなかったのかも謎のひとつです。
 また、通信使に関する資料は全国で数多く見つかっていますが、まだまだ他にもたくさんの資料が眠っていると思われます。そうした資料の発見によって、謎は少しずつ解き明かされていくことでしょう。
 
 
槎路勝区図画集(韓国国立中央博物館蔵)の模写(牛窓町教育委員会蔵) 「藍島」
 
 
 
出土品 磁器〔写真パネル展示〕
(新宮町教育委員会蔵)
相島からはいろいろな焼物が出土しました。これらは通信使をもてなした食器類と思われます。
 
 
相島の波止場(はとば)
通信使を迎えた波止場が、今も残っています。
 
 
 
相島朝鮮通信使客館跡発掘調査の状況
石敷建物跡(写真提供・新宮町教育委員会)







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