日本財団 図書館


(拡大画面:146KB)
 
例言
1. この展示解説書は、小樽市市制施行80周年記念事業小樽市博物館第53回特別展「豊饒の島の物語―ニュージーランド南島の自然と文化―」の展示解説書である。
2. この特別展は平成14年7月31日より同年9月23日まで、オタゴ博物館の多大なご協力を得て、小樽市博物館第一展示室で開催された。
3. この解説書の英文原稿はニュージーランド・オタゴ博物館(Otago Museum)のスタッフにより作成された。邦文は和平伴子氏が翻訳をした原稿をもとに、小樽市博物館主任学芸員 石川直章、学芸員 山本亜生が同松尾友美の協力を得て作成した。
4. この解説書に掲載された図版はすべてオタゴ博物館の好意により使用を許諾されたものである。英文の記載記事と図版の転載は同館の承諾が必要である。
5. 解説書の邦文作成および特別展の構成について、国立民族学博物館教授 印東道子氏に御助言・御指導をいただいた。記して謝意を表します。
6. 特別展開催にあたり、財団法人日本海事広報協会、社団法人北海道海事広報協会、ニュージーランド大使館、ニュージーランド航空、小樽ニュージーランド協会、小樽商工会議所、小樽市博物館友の会の後援、協力をえた。
 
開催にあたり
 ニュージーランド南島のダニーデン市を含めた地域は「オタゴ」と呼ばれます。ニュージーランドで早くから開けた地域でもあり、ダニーデン市はその中心都市として発展してきました。オタゴ博物館は同市内に1868年、明治維新の年に開館したニュージーランドで最も古い歴史をもつ博物館です。
 小樽市は1980年7月にダニーデン市と姉妹都市提携を結び、今日まで様々な分野での交流を重ねてまいりました。文化的交流の一端として、ニュージーランドに残る日本関係資料調査の協力支援、あるいは学芸員の長期派遣研修など博物館に関る活動も行われましたが、とりわけ、オタゴ入植150周年を記念した小樽展では、当博物館のコレクションが初めて南半球に渡り、大きな話題となりました。
 今回、小樽市制施行80周年記念事業として開催されるこの特別展は、オタゴ博物館のご支援を得て、同館が所蔵する貴重なコレクションで構成されております。内容もニュージーランド南島の自然、歴史、文化と多岐に亘り、見学者に南半球の遠くて近い隣人の豊かな世界に、大きな魅力と興奮を与えるでありましょう。この機会にニュージーランドが歩んできた歴史と豊かな自然に触れていただき、ダニーデン市との交流機会が一層広まることを期待してやみません。
 最後になりますが、今回の展示会開催にあたり、オタゴ博物館はもとより、ニュージーランド大使館、ニュージーランド航空、日本海事広報協会など多くの関係機関、および関係者に多大なご協力を賜りましたことを心よりお礼申しあげます。
平成14年7月31日
小樽市博物館
館長 土屋 周三
 
ごあいさつ
 ニュージーランドの南、オタゴのすばらしい景色と自然の恵みをケースに入れた、このすばらしい特別展を開催できることは、私たちにとって大きな喜びとするところです。この特別展では環太平洋火山帯に位置する、小樽とオタゴの自然史の共通点と文化の相違点を見ることができます。私は小樽市民の方々が、ニュージーランドの独特の動物たちの物語に、美しさと厳しさを持ち合わせる大地を誉め称え(ほめたたえ)、そして開拓していった人々の気概に興味を惹かれることを願っています。
 
 私はこの特別展は、両市の姉妹都市交流の目に見える現われだと感じています。ダニーデンと小樽両市の市民にとってこの姉妹都市のつながりは重要なものです。ダニーデンの市民は1998年に開催されたオタゴ博物館特別展「小樽―12000年の物語」を通じて小樽の歩んできた歴史に触れる機会に恵まれました。特別展「豊饒(ほうじょう)の島の物語―Southern Land, Southern People」は、小樽にオタゴヘの窓を開ける役割を担っています。私たちはこの特別展を通じ南半球の姉妹都市について、より深く理解していただけるように願っています。
 この特別展を通じ私たちは小樽市民に心からの親愛の御挨拶を送ります。
 
オタゴ博物館
館長 シムラス・ポール
 
We are delighted to send to the people of Otaru this fascinating exhibition showcasing the landscape and natural resources of Southern New Zealand. The exhibition shows both the contrast in cultures between Otago and Otaru, and the similarities in our natural histories, sharing as we do positions on the edge of the Pacific 'rim of fire'. I hope that the people of Otaru will find much to enjoy in the stories of New Zealand's unique fauna, and in the enterprising spirit of those who admired and then conquered the beautiful but often inhospitable landscape.
 
I see this exhibition as a tangible expression of our sister city relationship. Ties between Dunedin and Otaru are important to the citizens of both cities. The people of the Dunedin were enchanted with the opportunity to delve into Otaru's past when the exhibition 'Otaru Past and Present' visited us in 1998. Southern Land, Southern People' now gives a window on Otago to Otaru. We hope that through this exhibition you will come to a better understanding of your sister city in the South. Through this exhibition we send our warm greetings to the people of Otaru.
 
Shimrath Paul
Director Otago Museum







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION