日本財団 図書館


助成事業完了報告書
宛先:日本財団
会長:曽野 綾子様
 
報告日付:2002年9月12日
事業名:海のウルトラ生物―イカのびっくり博覧会―
団体名:(学)東海大学海洋科学博物館
代表者名:久保田 正
TEL:0543−34−2385
FAX:0543−35−7095
住所:〒424−0901 静岡県清水市三保2389
事業完了日:2002年9月1日
 
事業総額:7,032,953
助成金額:5,300,000
 
事業目標の達成状況
 日本人にとって重要な食糧資源となっている頭足類は、古くから多様な方法で利用されてきたが、その科学的認識は極めて低いのが現状である。本事業では頭足類のイカをテーマとし、一般市民はもちろん青少年にも興味を持ってもらい解りやすい展示手法で知識の普及をはかった。その結果、助成金を受けたことによって来館者に展示内容をより理解してもらうための手法である「ハンズ・オン」の手法を6項目の展示で取り上げることができ、来館者は興味を持ち積極的に参加して好評を得た。写真や解説パネルだけとは違い、来館者が直接展示に関わることでイカの体についての理解度は大きかったと思う。また、ハンズ・オン等で使用した各装置の耐久性、見栄えともに満足行く仕上がりにすることができ、テレビ・ラジオが19回、新聞が6回、雑誌に2回取り上げられるなど、多くのマスメディアによる情報発信が出来たと共に広報効果も満足いくものであった。その結果、目標とした来館者数7万人は達成できなかったが、全国的に博物館の見学者数が減少する中で昨年度よりも4千人以上も多い5万4千人の来館者数を得られたことは、この特別展が成功裏に終了したものと受け取ってよいと思われる。
 
事業成果物
1. 実施報告書(本紙)
2. チラシ(貴財団へ郵送済み)
3. 展示用VTR(但し、借用映像は提出できません)
 
事業内容
I. 展示内容
1. これは何でしょう・イントロダクション映像
 イカの体の一部を展示して「これは何でしょう」と問いかける展示をした。展示物はクジャクイカの口器・ダイオウイカの吸盤リング、コブシメの甲の3点。
2. 日本産イカ類
 日本沿岸で見られるイカ類全103種の写真パネル。
3. 世界一大きいイカと小さいイカ
 全長約15mのダイオウイカの模型と触腕、顎の液侵標本展示し、隣接した所に魚型の帽子を設置して「ダイオウイカに食べられちゃうぞ」記念写真を来館者が撮れるようにした。さらに比較物として最小のヒメイカを生態展示した。
4. イカの体について
 イカの甲についてイラストパネルとトラフコウイカ、コウイカ、アオリイカの甲の実物を展示した。
 イカの心臓、触腕、口器、体色変化についてはテクナメーションや参加型模型装置といったハンズ・オン手法により展示物を来館者が操作しながらイカの体について理解してもらう展示とした。さらに補食や体色変化の映像を放映した。
5. イカ墨版画
 スルメイカ類のイカ墨を使って、ポストカードに版画をする。5種類の版画板を製作して使用した。
6. イカの繁殖
 イラストパネルを使ってイカの繁殖期の解説をしてクイズ形式の参加型装置を使ったハンズ・オン手法により繁殖場について理解してもらう展示とした。さらにイカの交接、産卵映像を放映。
7. イカの卵と子ども
 カミナリイカ、コウイカ、シリヤケイカ、ミミイカ、ヤリイカの卵の液侵標本とケンサキイカの卵の写真1点を展示し、顕微鏡を使ってヤリイカの標本展示した。さらにイカの孵化と子どもの映像を放映し、アオリイカとコウイカの子ども生態とアオリイカ、ケンサキイカ、コブシメ、ヤリイカの子どもの写真を展示した。
8. ホタルイカ
 ホタルイカ漁と産卵の映像を放映して、液侵標本の展示、発光の仕組みをイラストパネルで解説、参加型模型装置による発光器配列のハンズ・オン展示。
9. 珍しいイカ
 深海性イカ類の映像とカギイカ、クジャクイカ、クラゲイカ、ゴマフイカ、タコイカ、ツクシユウレイイカ、ドスイカ、ホウズキイカ計8種の液侵標本を展示。
10. その他にも、ダイオウイカの写真パネル、イカ製品(イカジョッキ、イカ徳利、イカ座布団、イカチョコレート、イカグミ、イカクッキー、スルメイカの干物、イカ飯)を展示した。
 
 以上の展示を行うに当たって稲村 修(魚津水族館)、海の中道海洋生態科学館、遠洋水産研究所、海洋科学技術センター、鴨川シーワールド、窪寺恒己(国立科学博物館)、桜井泰憲(北海道大学)、林 清志(富山県水産試験場)、南知多ビーチランドなどの協力を頂いた。
 
II. 講演会
1. 8月17日に国立科学博物館窪寺恒己氏「巨大イカ・ダイオウイカの話」講演
参加人数:103名
2. 8月18日に水中写真家小林安雅氏「イカの面白写真館」講演
参加人数:75名
 
収支決算書(2002年3月23日〜同年9月1日まで)
収入の部
(単位:円)
科目 予算額 決算額 受入額 未調達額 備考
日本財団助成金収入 5,300,000 5,300,000 5,300,000 0  
自己負担 1,400,000 1,732,953 0 0  
収入合計 6,700,000 7,032,953 0 0  
 
支出の部
科目 予算額 決算額 支出済額 未払額 備考
会場設営費 1,200,000 1,210,000 0 1,210,000 会場設営費
参加型模型製作費 1,150,000 1,195,500 0 1,195,500 触腕の参加型模型製作費他
模型製作費 900,000 995,000 0 995,000 実物大ダイオウイカ模型
水槽製作費 300,000 394,495 394,495 0 アクリル水槽費
生物採集旅費 200,000 191,700 182,000 9,700 採集他旅費
生物購入費 200,000 154,773 105,713 49,060 アオリイカ、ヒメイカ他
生物維持費 500,000 439,839 362,888 76,951 活餌(イサザアミ)水槽用クーラー他
VTR・写真借用費 500,000 525,000 0 525,000 VTR・写真借用費
映像製作費 500,000 431,631 11,631 420,000 イカの補食映像他
展示用AVシステム費 200,000 243,600 243,600 0 モニター
講演依頼費 200,000 200,000 200,000 0 講演会2回
消耗品 300,000 385,035 348,810 36,225 装飾用海藻他
アルバイト人件費 250,000 372,380 230,080 142,300 アルバイト代
広報費 300,000 294,000 294,000 0 ポスター
支出合計 6,700,000 7,032,953 2,373,217 4,659,736  







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