アフリカ地域　2001年のアフリカの国際観光客到着数は4.6％増であった。南アフリカは到着者数が1.5％減少したが、従来通りアフリカ最大の目的地である。アフリカで昨年最も成長が著しかったのは、ナミビア、タンザニアおよびナイジェリアだったが、これはベースとなる国際観光客到着数がこの3ヵ国で少なかったことが主な要因である。

　

　

米州地域　中央アメリカを除く南・北アメリカでの、2001年の国際観光客到着数は減少した。カリブ海諸国も2000年の好調ぶりを継続することはできなかった。2001年は米州、特にアメリカ合衆国（10.7％減）にとって最悪の年であったが、その中ではコロンビアが最も好調であった。地域全体としては、平均で6.0％減だった。

　

　

東アジア・太平洋地域　米州とは対照的に、東アジア・太平洋地域は、2001年も引き続き平均5.5％の伸び率を維持した。香港とマカオを含めた中国は、アジア観光の揺るぎないリーダーとなりつつある。それに続くのが、マレーシア、タイ等である。一方、オーストラリアはオリンピック大会を主催した2000年に比べ2.6％減となった。

　

　

ヨーロッパ地域　ヨーロッパはキリスト生誕2000年に記録した実績を再現することはできなかったが、減少率が0.7％にとどまったのはさほど悪くない。しかし、北ヨーロッパ、特にイギリスは平均5.9％減となったが、周辺地域はもう少し良い状況であった。南ヨーロッパと東ヨーロッパは堅実に伸びており、ユーゴスラビア、クロアチア、スロバキアおよびスロベニアに市場需要が戻ってきている。2001年はブルガリアが好調であったが、ポーランドは13.8％減となった。最も減少が著しかったのはイスラエルで、50.5％減である。これはパレスチナ紛争の再燃に起因する。

　

　

中東地域　平均として、国際観光客到着数は前年より2.5％減となった。最も好調だったのは（基準値が非常に低いが）レバノン、ヨルダン、イラクであった。一方、エジプトは14.8％減となった。ただし、この地域においてはまだデータが未報告の国もある。

　

　

南アジア地域　南アジアにはインドとパキスタンの緊張悪化とアフガニスタン紛争の影響が見られた。到着数は4.5％減で、とりわけネパール、パキスタンおよびスリランカが最も減少した。インドの減少率は平均以下に踏みとどまった。一方、イランは4.5％増と堅調であった。