日本財団 図書館


6. フィリピン(マニラ)
フィリピン運輸通信省
Mr. Reynaldo Tolentino Gatchalian
 
(拡大画面:96KB)
 
概要
 マニラ首都圏における公共交通産業の特徴は、民間セクターが中心となって多彩なサービスを提供しており、様々な種類の車両が使われていることである。マニラ首都圏では、通勤交通が活発で、戸別サービスといえるほど公共交通システムが発達している。しかし、このことが、一般乗客の安全性や環境悪化を犠牲にしてまでも、様々なレベルのサービスが維持される要因ともなっている。
 
 最新の調査によれば、マニラ首都圏における全交通需要の98%は公共道路交通により賄われており、その公共道路交通の78%は公的な交通機関によっている。その公共交通機関を1960年代より担ってきたのが、バス・ジープニー・三輪自動車・タクシーである。このうち、バスとジープニーが最もよく利用される交通手段であり、その割合はそれぞれ39%、15%となっている。表1−1は、1996年のマニラ首都圏総合交通改善計画調査(MMUTIS)による、公的および民間の道路交通機関別の交通需要割合を示したものである。ただし最近は、エドサ通り沿いのMRT3号線が開業するとともに、Tamaraw FXのメガタクシーが合法化されて、バス・ジープニー・タクシー以外にも交通手段が増えたため、将来の展望は変わってくると思われる。
 
供給面の特徴
 表1−2は、過去5年間におけるバス・実用車の公式登録台数を示したものである。ただし、この数字は、実際の台数を反映したものではない。マニラ首都圏では、登録期限が切れたバスやジープニーばかりか、それよりも遙かに多くの、いわゆる「コロルム」と呼ばれる無認可の車両が運行されているからである。
 
Table 1-1
Travel Demand by Mode of Transportation in Metro Manila, 1996
Mode   Person Trips Average
Occupancy
Vehicle Trips 
No.
(000)
% No.
(000)
%
Vehicle
%
PCU
Private   Motorcycle 125 .7 1.1 114 3.2 1.6
Car/Jeep+UV 3,289 18.5 2.5 1,316 37 37.2
Truck 422 2.4 2.1 201 5.7 11.4
Subtotal 3,836 21.6 - 1,630 45.8 50.2
Semi Public Taxi 862 4.9 2.2 392 11 11.1
HOV Taxi 226 1.3 4.7 48 1.4 1.4
Private Bus 440 2.5 22.3 20 0.6 1.2
Subtotal 1,528 8.6 - 460 12.9 13.6
Public     Tricycle 2,373 13.4 2.5 949 26.7 13.4
Jeepney 6,952 39.1 15.1 460 12.9 19.5
Bus 2,653 14. 46.5 57 1.6 3.2
LRT 409 2.3 - - - -
PNR 6 0.0 - - - -
Subtotal 12,394 69.8 - 1,466 41.2 36.2
TOTAL 17,758 100.0 - 3,556 100 100
Source: 1996 MMUTIS Person Trips Survey
 
Table 1-2
Number of Registered Buses and Jeepneys in Metro Manila
For Hire
Year 1996 1997 1998 1999 2000
Bus 7,867 9,368 9,154 10,794 11,287
UV/Jeepney 50,582 51,775 52,219 56,585 56,484
Source: Land Transportation Office (LTO)
 
 陸上交通許認可規制委員会(LTFRB)の公共交通機関に関するデータの依拠を運輸通信省(DOTC)のデータで確認を取ることにより、マニラ首都圏における公共交通供給の現状を浮き彫りにするような数字を出すことが可能になった。表1−3および表1−4は、そのような数字をMMUTISの1996年の数字と比較したものである。
 
Table 1-3
Supply Characteristics of Bus and Jeepney Transport in Metro Manila
Mode Item 1996 2000
Bus No. of Buses 89 45
No. of Operators 437 580
Estimated No. of Operating Units 9,600 14,000
Jeepney No. of Routes 399 400
No. of Operators - 40,541
Estimated No. of Operating Units 57,400 60,000
Source: 1999 MMUTIS Report, Study Team
 
Table 1-4
Number of Passenger and Average Occupancy of Bus and Jeepney Transport in Metro Manila
Mode Item 1996 2000
Bus Estimated No. of Passengers (000/day) 2,584 3,000
Average Occupancy (Pss./veh.) 50.0 55.0
Jeepney Estimated No. of Passengers (000/day) 12,078 13,000
Average Occupancy (Pass./veh.) 15.0 15.0
Source: 1999 MMUTIS Report, Study Team







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION