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<トピックス>
タイの「第2バンコク国際空港建設事業(V)」(円借款)について
 我が国政府は、タイ王国政府に対し、同国の経済社会開発努力を支援するため第27次円借款「バンコク230kV地中送電線建設事業」及び「第2バンコク国際空港建設事業(V)」について、総額451億7,000万円までの円借款を供与することとし、このための書簡の交換が9月20日(金)に行われた。
 「バンコク230kV地中送電線建設事業」として、バンコク中心部の地中送電線建設に必要な土木工事、資機材調達、コンサルティングサービスのための資金を、また、「第2バンコク国際空港建設事業(V)」として、滑走路舗装工事、旅客ターミナル建設、コンサルティングサービス等のための資金を供与するものである。
 なお、今般の円借款の供与対象案件のうち運輸関連案件の概要は次のとおりである。
 
「第2バンコク国際空港建設事業(V)」 (供与限度額:347億8,400万円)
 
事業の背景と必要性
 タイの経済発展を反映して、バンコクの航空需要が大幅に増大している。また、地理的にもバンコクはインドシナ半島の中心に位置するため、アジアのハブ空港としての重要性が一層高まっている(年間旅客数1992年1,633万人、1999年2,685万人(共に実績値)、2007年4,300万人)。一方で、既存のドンムアン国際空港では(年間対応旅客数3,000万人程度)、立地条件上拡張工事にも限界があるところ、新たな空港を建設してこれに対応することが必要となっている。
 
事業の目的と概要
 本事業は、バンコクから東方約30kmに位置するサムットプラカン県ノングーハオに、年間取扱能力が旅客数3,000万人、貨物量146万トンのターミナル並びに東西2本の滑走路を主要施設とする国際空港を建設することにより、増大しつつある航空需要への対応を図り、以ってタイの経済インフラの整備を支援することを目的とする。
 全体事業概要は以下のとおりである。
・新空港用地面積:3,200ha
・滑走路:3,700m×2本
・旅客ターミナル施設:年間3,000万人対応
・貨物ターミナル施設:年間146万トン対応
 なお、1996年度から2000年度にかけて4期に渡り円借款を供与しており、今次円借款契約は第5期分である。
 
 円借款の供与条件は次のとおりである。
 
(1) 金 利 年2.2%(コンサルタント部分については年0.75%
(2) 償還期間 25年(7年の据置期間を含む)(コンサルタント部分については40年(10年の据置期間を含む))
(3) 調達条件 一般アンタイド
 
 今回の書簡の交換により、1967年度以降タイに供与された円借款の総額は、1兆9,644億4,800万円(交換公文ベース)となる。







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