日本財団 図書館


XIV 九州運輸・山口の海運・流通
1. 内航海運の概要
 我が国の内航海運は、貨物重量と輸送距離の積である輸送トンキロベースで国内輸送料の42%を占めており、国内物流の大動脈として重要な役割を果たしている。
 なかでも九州は、昔から内航海運業の発展が顕著であり、現在も特に近畿・中国・四国方面等、西日本地区の物流を担っている。
 管内の内航海運事業者は、個人事業者を含めた資本金1千万円未満の事業者が内航運送業で29%、内航船舶貸渡業で62%にも達し、また、支配船腹量別でみても、2,000トン未満の事業者が71%を占めており、全国に比して零細事業者の割合が多くなっている。
 なお、管内の許可事業者数の推移をみると、内航運送業者及び内航船舶貸渡業者は減少傾向を示している。
 また、内航海運業界においては、内需低迷による荷動きの減少に加え、大手荷主企業の合併や業務提携により貨物の輸送量が減少している。
 こうした中、平成10年5月に導入された内航海運暫定措置事業は、一定の納付金を支払えば船舶を自由に建造することが可能となった。
 さらに解徹交付金を交付することにより、船舶の解徹が進み過剰船腹の解消に効果があらわれており、貨物船は概ね均衡状態にあり、油槽船についても過剰量は若干減少してきている。
 近年、トラック輸送による道路混雑、環境問題等が深刻化する中で、幹線貨物輸送の分野でトラックから効率的な大量輸送機関である船舶や鉄道へ転換する「モーダルシフト」の社会的要請が高まっており、内航海運の重要性があらためて認識されている。
 管内の内航船に対する輸送需要は、平成3年度に1億9,800万トンを記録したが、その後の景気後退で減少している。
 九州を発・着地とする内航海煙の平成13年度の輸送量は、1億8,087万トン(発量1億1,427万トン・着量6,660万トン)となっている。
 これらの貨物の品目別内訳は、九州の産業構造の特色から、石灰石・セメント・鉄鋼等の素材生産部門の貨物が主となっている。
 平成13年度の輸送量を前年と比較してみると、全体的に減少している。
 
(平成14年3月末現在)
区分 内航運送業
(許可)
内航船舶貸渡業
(許可)
九州 157 659 816
全国 721 3,231 3,952
対全国比(%) 21.8 20.4 20.6
 
(1)内航海運組合の組織、構成員数
(拡大画面:63KB)
 
(2)内航事業者数(局別)
(拡大画面:30KB)
(注)
業種欄の運送業は、それぞれ次の事業をいう。
 
1号・・・
平成8年6月17日の法改正により、旧1号〜旧3号が一つになり、総トン数100トン以上の鋼船を使用して営む事業となった。
旧1号 総トン数500トン以上の鋼船を使用して営む事業であった。
旧2号 総トン数300トン以上500トン未満の鋼船を使用して営む事業であった。
旧3号 総トン数300トン未満の鋼船を使用して営む事業であった。
 
2号・・・
平水区域を航行区域とする船舶、木船、はしけのみを使用して営む事業。
旧4号(内容は同じ)が新2号となった。
 
(3)内航事業者数の推移(県別・業種別)
(拡大画面:93KB)
(注)山口県は、九州運輸局管内分を計上。
 
(4)内航事業者数の推移(業種別・資本金階層別)
(拡大画面:71KB)
(注)
事業者数は、兼業者を含めて計上している。
貸渡業の資本金5億円以上の事業者については「1〜5億円未満」に含めて集計。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION