日本財団 図書館


(3)低公害車の開発・普及対策
 平成13年5月に設置された環境自動車開発・普及総合戦略会議における「低公害車の開発・普及に関する緊急提言」や国土交通省、経済産業省及び環境省で平成13年7月に策定した「低公害車開発普及アクションプラン」を踏まえ、平成14年度から、大型ディーゼル車に代替する次世代低公害車の早期実用化の促進や、三大都市圏のバス・トラックを対象にCNG自動車等の短期集中的な導入を実施することなどにより、低公害車の開発・普及の促進を図ることとしています。
 また、自動車の地球温暖化対策として、定燃費車の開発・普及に加え、低公害車の開発・普及促進対策として以下の取組が行われています。
○大型トラック等の代替に有望な液化天然ガス(LNG)自動車、ジメチルエーテル(DME)自動車、自動車メーカーが相次いで開発スケジュールを発表している燃料電池自動車等の現在開発中の自動車について、評価方法・技術指針等の検討を行い、技術開発の促進等を進める次世代低公害車技術評価事業
○ハイブリッド自動車、圧縮天然ガス(CNG)自動車、電気自動車等の実際の実用段階における使用状況や低公害性をモニタすることにより検査基準等の整備を図る先駆的低公害車実用評価事業
○従来の低公害車のみならずガソリン自動車・LPG自動車、ディーゼル自動車を含め、排出ガス性能基準により低公害性を適切に評価・公表する低排出ガス車の認定制度の創設(平成12年3月に低排出ガス車認定制度が創設され、同年4月から乗用車及び中・軽量貨物車について低排出ガス車の認定が行われ、重量車についても平成13年4月より認定の対象に追加されたことから、低公害車等に関する情報をとりまとめた「低公害車ガイドブック」等による広報を行っている。)
 
(4)自動車の燃料品質対策
 自動車燃料の品質は、自動車の安全確保、公害防止対策に大きな影響を及ぼします。旧運輸省では、平成8年3月、道路運送車両法に基づく道路運送車両の保安基準において、自動車の構造・装置の規制の前提となる自動車の燃料の品質規格について示し、その後、平成9年6月(軽油の硫黄の質量比0.2%以下から0.05%以下)及び平成11年9月(ガソリンのベンゼンの容量比5%以下から1%以下)に一部を改正し、現在、下表のように定められています。また、今後の対策を推進していくために、市場の自動車燃料の品質動向にいて引き続き監視するとともに、自動車燃料品質が自動車の装置及び排出ガス等に及ぼす影響について調査を進めることととしています。
 
【ガソリン及び軽油の企画】
(拡大画面:44KB)
 
(5)自動車の省エネルギー対策
 自動車の省エネルギー対策については、昭和54年から「エネルギーの使用の合理化に関する法律」、いわゆる省エネ法に基づいて、自動車の燃費(燃料1lで走行できる距離)の目標値を設定すること等により、より燃費の良い自動車の普及に取り組んできています。
 平成9年12月には、京都で開催された気候変動枠組条約第3回締結国会議においてCO2の削減等地球温暖化防止に関する京都議定書が採択されました。これを踏まえ、平成10年6月、自動車の燃費基準の策定方法の変更及び担保措置の強化等を内容とする省エネ法が改正されました。
 その後、10年7月に運輸大臣から運輸技術審議会に対し、「自動車燃費基準の強化について」が諮問され、同審議会自動車部会燃費基準小委員会において審議(通商産業省総合エネルギー調査会の省エネルギー基準部会自動車判断基準小委員会と合同審議)が行われ、12月「自動車の燃費基準の強化について」中間答申が行われました。
 本答申に沿い、平成11年3月下表に示すガソリン乗用自動車及びガソリン軽・中量貨物自動車(車両総重量2.5トン以下)について2010年度を、また、ディーゼル乗用自動車及びディーゼル軽1中量貨物自動車(車両総重量2.5トン以下)について2005年度を目標年度とする燃費目標基準値等の告示が行われました。
 また、車両総重量2.5トン超の重量車の燃費評価手法を策定するべく平成13年12月に「重量車燃費評価手法検討会」を設置した他、現在、低燃費かつ低排出ガス認定車等に対する税制優遇措置を行い自動車の燃費の一層の改善を促進しています。
 
1. ガソリン乗用車の2010年度における燃費目標基準値
区分 基準エネルギー
消費効率(km/l)
1. 車両重量が703kg未満のガソリン乗用自動車 21.2
2. 車両重量が703kg以上828kg未満のガソリン乗用自動車 18.8
3. 車両重量が828kg以上1,016kg未満のガソリン乗用自動車 17.9
4. 車両重量が1,016kg以上1,266kg未満のガソリン乗用自動車 16.0
5. 車両重量が1,266kg以上1,516kg未満のガソリン乗用自動車 13.0
6. 車両重量が1,516kg以上1,766kg未満のガソリン乗用自動車 10.5
7. 車両重量が1,766kg以上2,016kg未満のガソリン乗用自動車 8.9
8. 車両重量が2,016kg以上2,266kg未満のガソリン乗用自動車 7.8
9. 車両重量が2,266kg以上のガソリン乗用自動車 6.4
 
2. ディーゼル乗用車の2005年度における燃費目標基準値
区分 基準エネルギー
消費効率(km/l)
1. 車両重量が1,016kg未満のディーゼル乗用自動車 18.9
2. 車両重量が1,016kg以上1,266kg未満のディーゼル乗用自動車 16.2
3. 車両重量が1,266kg以上1,516kg未満のディーゼル乗用自動車 13.2
4. 車両重量が1,516kg以上1,766kg未満のディーゼル乗用自動車 11.9
5. 車両重量が1,766kg以上2,016kg未満のディーゼル乗用自動車 10.8
6. 車両重量が2,016kg以上2,266kg未満のディーゼル乗用自動車 9.8
7. 車両重量が2,266kg以上のディーゼル乗用自動車 8.7
 
(3)車両総重量2.5トン以下のガソリン貨物自動車の2010年度における燃料目標基準値
区分 基準エネルギー
消費効率(km/l)
自動車の種別 変速装置の方式 車両重量 自動車の構造
軽貨物自動車 手動式 703kg未満 構造A 20.2
構造B 17
703kg以上
828kg未満
構造A 18
構造B 16.7
828kg以上   15.5
手動式以外のもの 703kg未満 構造A 18.9
構造B 16.2
703kg以上
828kg未満
構造A 16.5
構造B 15.5
828kg以上   14.9
車両総重量1.7トン以下 手動式 1,016kg未満   17.8
1,016kg以上   15.7
手動式以外のもの 1,016kg未満   14.9
1,016kg以上    13.8
車両総重量1.7トン超2.5トン以下 手動式 1,266kg未満 構造A 14.5
構造B 12.3
1,266kg以上
1,516kg未満
  10.7
1,516kg以上   9.3
手動式以外のもの 1,266kg未満 構造A 12.5
構造B 11.2
1,266kg以上   10.3
備考 1. この表において「車両総重量」とは、道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)第1条第4号に規定する積車状態におけるガソリン貨物自動車の重量をいう。
  2. この表において「車両重量」とは、道路運送車両の保安基準第1条第3号に規定する空車状態におけるガソリン貨物自動車の重量をいう。
  3. この表において「構造A」とは、次に掲げる要件のいずれにも該当する構造をいう。
    (イ) 最大積載量を車両総重量で除した値が0.3以下となるものであること。
    (ロ) 乗車装置及び物品積載装置が同一の車室内に設けられており、かつ、当該車室と車体外とを固定された屋根、窓ガラス等の隔壁により仕切られるものであること。
    (ハ) 運転者室の前方に原動機を有し、かつ、前軸のみに動力を伝達できるもの又は前軸及び後軸のそれぞれ一軸以上に動力を伝達できるもの(後軸に動力を伝達する場合において前軸からトランスファ及びプロペラ・シャフトを用いて後軸に動力を伝達するものに限る。)であること。
  4. この表において、「構造B」とは、構造A以外の構造をいう。
 
(4)車両総重量2.5トン以下のディーゼル貨物自動車の2005年度における燃料目標基準値
区分 基準エネルギー
消費効率(km/l)
自動車の種別 変速装置の方式 車両重量 自動車の構造
車両総重量1.7トン以下 手動式     17.7
手動式以外のもの     15.1
車両総重量1.7トン超2.5トン以下 手動式 1,266kg未満 構造A 17.4
構造B 14.6
1,266kg以上
1,516kg未満
  14.1
1,516kg以上   12.5
手動式以外のもの 1,266kg未満 構造A 14.5
構造B 12.6
1,266kg以上
1516kg未満
  12.3
1,516kg以上
1,766kg未満
  110.8
1,766kg以上   9.9
備考(3)表の備考は、この表において準用する。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION