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IV バス事業の現況
 「乗合バス事業」は、自家用自動車の普及とともに昭和44年度(1,207,337千人)をピークに輸送人員が減少に転じ、その後も走行環境の悪化による定時制の喪失や過疎化の進行等、構造的な要因から長期低落傾向に歯止めがかからず、平成13年度には、ピーク時の45.5%(549,957千人)まで落ち込む大変厳しい状況が続いています。
 こうした状況の中、平成14年2月1日から需給調整規制の撤廃(参入及び退出の自由)を柱とした改正道路運送法が施行され、乗合バス事業においても自由競争社会を迎えることとなり活性化が期待されている一方で、不採算路線からの撤退が心配されています。
 このため、各県に設置された地域協議会の場において、国と地方公共団体がそれぞれの役割分担のもと、不採算路線の維持方策や撤退後の生活交通のあり方等について協議・検討を行うとともに、国としてもこの協議結果を踏まえ必要な支援を行っています。
 また、近年では、環境にやさしい低公害車の普及促進、高齢化社会の到来に向けた交通バリアーフリーの推進、地域交通の円滑化対策等、これら社会の要請に応える施策の推進や電子情報システムを活用した利用者サービスの向上を図る取り組みに対しても必要な支援を行うこととしています。
 一方、乗合バス事業者も厳しい経営環境の中、IT技術を活用した共通乗車システムの導入や都市新バスシステム(バスロケーションシステム)の充実又100円バスや高齢者割引をはじめとした運賃の弾力的な運用など利用者サービスの向上に向けた創意工夫を行い、バス利用の促進・活性化に努めています。また、地方公共団体においてもコミュニティバスの導入やオムニバスタウン整備総合対策事業の活用による生活交通の確保等について、「町づくり」の観点から進められています。
 「高速バス」は、高速道路網の整備に伴う路線の拡充が進められ、昭和55年度の輸送人員(3,923千人)が平成4年度には13,058千人まで大きく躍進しています。その後、平成10年度にかけて11,199千人まで減少していたものの利用者ニーズを的確にとらまえた運行系統の再編成や割引運賃の導入などの企業努力により、平成13年度は、対前年比7.9%増の13,611干人まで回復するとともに営業収入も全体の18.2%を占める重要な部門になっています。今後も高速バスロケーションシステムの導入等による運行管理の充実及び利用者利便の向上を図り、より一層の利用促進に努める必要があります。
 「貸切バス事業」は、平成12年2月1日に施行された道路運送法の一部改正(規制緩和)以降、72事業者(262両)が新規参入し、平成13年度末現在で285事業者(車両数3,870両)の許可事業者が稼働しています。この内、約90%は、保有車両30両以下の小規模事業者で占められている状況です。
 一方、最近の稼働状況は、国内旅行者数の減少やレジャー思考の変化に伴う団体旅行の減少等を要因とする需要の低迷に加え近年の消費動向が影響し、厳しい状況が続いています。
 
1. 事業者の概況
(1)経営形態別事業者数
(1)乗合バス
(拡大画面:32KB)
 
(2)貸切バス
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2. 輸送の概況
(1)県別輸送人員の推移
(1)乗合バス
(拡大画面:86KB)
 
(2)貸切バス
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輸送人員の推移
乗合
(拡大画面:23KB)
 
 
貸切
(拡大画面:30KB)







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