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職場訪問
対馬の魅力
株式会社 UFJ総合研究所
国土・地域政策部 関 恵子
 
■はじめに
 (財)九州運輸振興センターでは、平成十四年度から十五年度にかけて、『対馬における国際旅客航路を活用した国際交流の促進に関する調査』を実施している。弊社((株)UFJ総合研究所)は、本調査業務を受託させて頂いており、私は調査メンバーの一員として、対馬に何度も足を運び、町役場や観光、交通分野など様々な職場で活躍する方々を訪れる機会に恵まれた。
 本日は、調査を通じて見た対馬の魅力をご紹介させていただきたい。
 
対馬の位置(対馬観光物産協会)
 
■眼下に広がる浅茅湾!(あそうわん)
 対馬には、空からも海からもアクセスすることができる。博多港からはジェットフォイルで一時間四〇分、また、福岡〜対馬間の空路を使うと、約三〇分で対馬に到着する。
 私は、空路を利用することが多いが、対馬空港着陸直前に、眼下に広がる浅茅湾の景色は圧巻である。湾はリアス式海岸特有の湾曲に飛んだ入江と大小無数の小島からなり、標高二〇〇〜三〇〇メートルの小さな山々が海岸に迫っている。ぜひ、窓際のシートを予約していただきたい。
■万関橋(まんぜきばし)へ
 対馬は、佐渡・奄美に続く大きさを誇り、南北に細長い形をしている。島内の移動は、レンタカーがおすすめだ。空港から、国道三八二号線を北に走ると、浅茅湾に架かる万関橋が見えてくる。この美しいアーチ型の赤鉄橋は、明治三十三年に旧海軍により運河が造られた時にできたもので、浅茅湾の上空三六メートルに架けられている。海から橋へと吹きつける強風の中で、立っているのもやっとだが、ここでは多くの観光客が足を止め、湾に見入っている。まずは一枚、対馬の記念撮影をどうぞ。
■厳原(いづはら)から豆殿崎(つつざき)へ
 島の南に位置する厳原町は、対馬で最も人口の多い町である。藩政時代から対馬の政治、経済、歴史の中核として栄えたこの町は、長崎、博多、そして釜山とを結ぶ航路を持つ。また、冬場には、町の丘の上にある漁火(いさりび)公園から、いか漁船の漁り火が見られる美しい町である。
 厳原の市街地からさらに車で一時間ほど南下すると、浅茅湾とはうってかわった荒々しい景色を見ることができる。西南端、豆殿崎である。断崖岸壁に立つ白い展望台、荒海に点々と続く岩礁と小島・・・対馬に行く度に何度でも足を運びたいスポットだ。
 
浅茅湾(美津島町町勢要覧)
 
厳原港(観光ガイドブック「対馬」(写真仁井孝雄氏))
 
■韓国までわずか五〇キロ、「国境の島」
 島の北端にある韓国展望所や異国の見える丘展望台からは、釜山市を眺めることができる。実は対馬は、釜山までわずか五〇キロと福岡(一五〇キロ)よりも韓国に近いのである。また、韓国人の旅行客も、“異国から韓国を見ることができる!”と、喜んで訪れるそうだ。しかし、残念なことに、よほど晴れた日にしか見られないらしい。島に住む人でもチャンスは年に数回だそうだ。次こそ、見てみたいものである。
 
豆殿崎からみた東シナ海(長崎県対馬支庁「つしま百科」)
 
 対馬の北の玄関口・比田勝港(ひたかつこう)も、釜山や博多と結ばれている。港からシーフラワー号(大亜高速海運)に乗船すると、わずか一時間三〇分で釜山に到着してしまう。
 島には、韓国とのかかわりの深い文化財やお祭りも多く、例えば、毎年八月に開催される「対馬ちんぐ音楽祭」などは日韓のアーティストが集まる盛大な音楽祭である。また、体力に自信のある人は、「国境マラソンIN対馬」の参加をおすすめしたい。
 
■磯釣りのメッカ・対馬
 対馬は知る人ぞ知る磯釣りのメッカである。対馬の海は、強い海流と荒波の影響から、九州本土などとくらべて大きく強い魚が育ち、季節を問わずたくさんの魚種が集まるという。冬場には、対馬でもっとも美味しいとされる「クロ(メジナ。対馬ではグレともよばれる)」を釣ろうと釣り人が毎日海に繰り出している。また、対馬の自然は、韓国人をも魅了しており、四季を通じて多くの釣り人が訪れているそうだ。
■対馬の「食場(しょくば)」訪問
 さて、最後に対馬の「食場」を紹介しよう。厳原町の港近くのある居酒屋ののれんをくぐると、数々の「クロ」の魚拓が眼に飛び込んでくる。全長四〇センチを軽く超える見事な魚拓は、店のマスターを中心とする釣りの達人、「かずやクラブ」の戦利品(?)である。
 
韓国展望台(長崎県対馬支庁「つしま百科」)
 
対馬アリラン祭朝鮮通信使行列(対馬観光協会物産協会)
 
 この店では、当日釣ったばかりの魚を厨房で料理してくれる。私も、数時間前に釣れたばかりの「クロ」をごちそうになった。マスターの見事な包丁さばきで、刺身、唐揚げ、鍋・・・と姿を変えるクロに舌鼓を打つうちに、気づけばすっかり対馬のファンになってしまった。お店の名前は「げんちゃん」。これからのシーズンはアラカブの唐揚げがおすすめである。
■おわりに
 今回、駆け足で紹介させていただいたとおり、対馬は、山と海に囲まれた豊かな自然の中で、韓国との交流を深めてきた、静かで美しい島である。
 
 今年のゴールデンウィークには、対馬に遊びに行ってみませんか。美味しい魚や本土では見ることの出来ない大自然が迎えてくれます。また、対馬から韓国まで少し足を伸ばし、釜山の市内観光はいかがですか?
 
【対馬情報】
・人口・・・四万一二三〇人(平成十二年)
・島数・・・本島一、小島一〇七
・地勢・・・南北八二キロ、東西一八キロ
・自治体・・・六町(厳原町、美津島町、峰町、豊玉町、上県町、上対馬町)
※平成十六年三月に六町合併予定(対馬市)
 
げんちゃんにて(クロの唐揚げと鍋料理)







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