日本財団 図書館


九州地方整備局 港湾空港部 海と空のコーナー
“くまもと”の海と空を拓き、そして支える
国土交通省 九州地方整備局 熊本港湾空港工事事務所
 
 地域社会における経済・産業活動に活力を与え、人々のくらしを支える物流・人流の拠点となる社会資本の更なる充実が求められる一方、自然環境に対する意識の高まりに伴い、環境への配慮は地域づくりにおける大きな課題となっています。
 九州地方整備局熊本港湾空港工事事務所は、熊本県下の海と空の玄関口にあたる熊本港・八代港・熊本空港及び開発保全航路の指定を受けた本渡瀬戸航路の整備、並びに日本有数の豊かな生態環境を誇る有明・八代海の海洋環境整備に関する業務を実施しています。
 
◆熊本都市圏を支える「夢咲島」〜熊本港〜
 熊本港は、九州有数の人口規模を有する熊本都市圏の流通拠点港湾として、陸域から約900mの沖合に建設された人工島形式の港です。港の周辺には極めて軟弱な地盤層が厚く堆積するとともに広大な干潟が存在し、4.5mの大潮位差が生じるなど、明治初期に我が国の依頼を受けて来日したオランダ人技師でさえも、ここでの港湾建設は断念したほどの過酷な自然条件を有していますが、近年、わが国の港湾技術の発達により、様々な先進技術を導入して港の建設を行うことになりました。
 
熊本港
 
 平成4年4月の熊本港大橋と係留施設の完成に伴い、平成5年に島原とを結ぶフェリーが就航して以来、国際定期コンテナ航路の開設、関税法上の開港指定を受けるなど物流・人流を担う港としての役割を発揮してきたところですが、今後さらに港湾機能の充実が求められています。
 
〜先進技術で環境との共生を目指す〜
 
[軟着堤の構造]
(拡大画面:65KB)
 
(拡大画面:89KB)
軟着堤イメージ
 
 厳しい自然条件に対応するとともに自然環境への負荷を極力抑えるために、熊本港の建設においては様々な新技術が導入されています。そのひとつが「軟弱地盤着底式防波堤」(略称:軟着堤)です。日本で初めて導入されたこの技術は、堤体の重量を軽くし、底版の幅を広くすることで軟弱な地盤にかかる荷重を小さくしたもので、地盤改良を必要とせず工期や建設コストの大幅な低減を実現しました。また、堤体に通水孔を設けることにより、港内外の海水交換を行う機能も備えています。
 熊本港は、こうした工夫を随所に盛り込むことにより、海域への影響を最小限にとどめ、“環境と共生する港づくり”を大きなテーマとして取り組んでいます。
 
◆県内最大の流通拠点〜八代港〜
 八代港は、八代海に面する球磨川の河口に位置し、古くから豊富な農林水産資源の集散の場として栄え、熊本県の政治経済、文化の発展に大きな役割を果たしてきました。
 
八代港
 
 近代的な港湾として誕生したのは明治年間で、明治29年の鹿児島本線開通等を契機に大工場が続々と背後地へと進出し、工業港として飛躍的な発展を遂げました。その後、昭和34年には重要港湾、昭和41年には貿易港の指定、さらに、平成6年には外国産食料輸入港の指定を受けるなど、その港勢は着実に進展しており、南九州屈指の大型外国貿易拠点港として更なる発展が期待されています。
 
〜大型船に対応する外貿埠頭−外港地区−〜
 大型の貨物船が接岸可能な岸壁(−12m)の背後には、飼料関連を中心に多くの企業が進出しており、これに伴い穀物などバルク貨物の取り扱い量も益々増加しています。現在、国直轄事業においては、航路(−12m)及び航路泊地(−12m)の拡幅を行っており、岸壁(−12m)のより一層の利用効率向上を目指し整備を進めています。
 また、平成11年に韓国との定期コンテナ航路が開設されたことに伴い、岸壁(−10m)におけるコンテナ取り扱い量も順調に推移しており、岸壁(−12m)とともに外貿の拠点としてその機能を発揮しています。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION