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[3]長崎県の観光について
(1)長崎県の地域特性と観光
 長崎県は、2つの国立公園と2つの国定公園を有し、数多くの島々と複雑な海岸線が織りなす海岸美や四季折々に変化する山野の風景などの自然景観と、各地の温泉や豊かでおいしい山海の幸に恵まれている。
 また、我が国で最も古くから海外との交流が開花した地域であり、国際交流の最前線に位置してきた。このような歴史は、いまなお県民の生活の中に息づき、他の地域にはない独特の地域文化を形成し、本県の重要な観光資源のひとつとなっている。
 本県のこのような地域特性は、観光にとって創意工夫次第では、非常に優れた観光資源となり得る可能性を秘めている。
 
(2)観光の現況
 本県の平成13年の観光客数は、温泉施設の新規開業やイベントの開催等、各地域での観光振興への取り組みが活発化したことにより、日帰り観光客数が増加した結果、3163万人と、平成12年を0.4%上回り過去最高を記録した。
 
年次別観光客数の推移
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 しかしながら、宿泊客数が0.9%減少し、観光消費額が1.6%減少しているなど、「安・近・短」傾向が裏付けられる結果となった。
 交通機関の利用実績から、県内への入り込みの動向をみると、鉄道・国内航空路線(一部を除く)が減少し、高速バス・有料道路利用者の増加が見られた。
 一方、外国人宿泊客は、国別にみると台湾、韓国、香港、米国、中国の順に多く、全体では41万人と前年を6.5%下回った。東アジアの中では訪日団体観光旅行が解禁された中国からの観光客が14.9%増加している。
 
(3)今後の取り組み
 観光産業は本県の基幹産業であり、また、他の産業への波及効果が高いため、観光の振興により、効果的に地域の活性化を図ることが出来る。このため、観光の振興を県政の重点施策と位置付け、部局横断的に総合行政として観光振興を図ることとし、平成11年4月に知事を本部長とする「長崎県観光活性化推進本部」を設置し、同年8月に本県観光の基本施策として「長崎県観光活性化行動計画」を策定した。
 この計画では、西暦2000年を「観光立県元年」と位置付け、本県の誇るべき地域特性である「歴史、文化、風土、自然」などの観光資源を、最大限に活用した魅力ある長崎県の旅の創造を目指している。そのため、観光の個性化、ユニバーサルデザインヘの取り組み、戦略的情報発信など、国内外からの多様な観光需要に応えうる魅力ある観光地づくりを進め「観光立県長崎」の実現に向け、県下をあげて観光振興に取り組んでいる。
 主な事業としては、まず魅力ある観光地であるためには、そこに住む人々が活き活きと暮らし、訪れた人々もそこに住みたくなるような「まちづくり」が重要であり、「観光振興はまちづくり」との観点から、地域が主体的に取り組む観光振興施策を一層推進するため、「長崎県21世紀まちづくり推進総合補助金(観光交流まちづくり推進事業)」により支援を行っている。
 
佐世保・九十九島
 
 また、地域の観光振興の基盤としての人材育成を図るため、「長崎観光大学」を開講し、観光学研修講座、観光ボランティア創設講座、外国人観光客受入対策講座など多彩な講座を設け、地域の観光振興の核となる人材の育成や観光客に対する「もてなしの心」の醸成を推進している。
 次に、観光情報の提供の取り組みとしては、現在の情報化に対応して、長崎県の観光情報を何時でも、何処でも、的確に提供するため、「長崎県観光情報システム(ナイス・ネット http://nais.e-nagasaki.com)」を開設し、日本語・英語・中国語・韓国語による観光情報を提供している。
 また、主要都市での観光宣伝やマスメディアを活用したPRを実施し、戦略的な観光客の誘致を図るほか、コンベンション(学会・大会)の誘致を促進するための開催費の一部助成や、平成14年1月に設立した「ながさき観光地映像化支援センター」による映画やテレビをはじめとする映像制作や雑誌の取材等に関し各種支援を行っている。
 さらに、平成12年9月から団体観光旅行ビザが一部解禁となった中国をはじめ、韓国・香港などの東アジアに焦点を絞り、国際観光展への出展や報道機関・旅行代理店の誘致活動などを展開し、海外観光客の誘致を行っている。
 加えて、社団法人長崎県観光連盟を観光客誘致事業の実践組織と位置付け、市町村や民間の方々と協力して職員を大幅に増員するなど、組織体制を強化し、新しい時代に向けた事業展開を図っている。
 平成14年度は新たに「新世紀ながさき観光交流事業」として、魅力ある旅行商品の開発やセールス強化を図るため「ながさき新商品造成事業」(創る)、観光映像ライブラリーの提供や宿泊案内等の充実を図るため「ながさき新観光情報提供事業」(売る)、もう一度来たい観光地づくりを目指し観光地点検事業を核とする「もてなしの心推進事業」(受け入れる)など、提案型のセールス、観光商品を伴った誘致活動を展開することとしている。
 最後に、長崎県は古くからの観光地であるが、将来にわたっても魅力ある観光地として多くの方々に訪れていただけるよう、関係者の方々との対話を基本にしながら、地域を見つめ、大きなアンテナを張り、新しい施策を積極的に展開してまいりたい。
 
平成新山
 
佐世保へお出でください
 
Kujyukushima in Summer
 
Kujyukushima in Autumn
 
●西海国立公園 九十九島
 佐世保港から北へ25km、平戸瀬戸まで連なる大小208の島々を九十九島といい、島の密度は日本一といわれています。平戸諸島、五島列島などの外洋性多島海群とともに、日本本土最西端の海の国立公園「西海国立公園」に指定されています。
 佐世保近海の島々は南九十九島と呼ばれ、一つ一つの島が独特の表情を持ち、とりわけ美しい海域です。
 是非ご覧下さい。
 
●2002年4月〜2003年3月
 市制100周年記念事業が行われています。
 
●2002年11月17日(日)
 第22回全国豊な海づくり大会が開催されます。
 
佐世保観光情報センター
(JR佐世保駅舎内)







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