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私はこう考える【イラク戦争について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2003/06/04 朝日新聞朝刊
米、圧力高め中東和平仲介再開 ブッシュ大統領中東入り
 
 【シャルムエルシェイク(エジプト)=石合力】政権発足以来約2年半、ブッシュ米大統領は一度も足を踏み入れなかった中東に入り、3日からパレスチナ和平という難題の仲介に乗り出した。フセイン・イラク政権を打倒して中東の戦略状況を塗り替え、パレスチナの顔だったアラファト自治政府議長を交渉から外すという「二つの外科手術」を経た上での、仲介外交の仕切り直しだ。特に、アラブ諸国から過激派の支援停止につながる「テロ拒絶」を引き出したことは和平進展に向けた成果といえる。(3面参照)
●反テロ、各国へ警鐘 フセイン政権打倒、アラファト氏排除
 昨年4月、パレスチナ自治区ラマラを訪問したパウエル米国務長官は、アラファト議長にこう言った。「行動を改めなければ、あなたとはもう協力できない」
 00年秋に始まった第2次インティファーダが民衆蜂起から武装闘争へと変質するなか、「テロ」を止めようとしていないとみる議長への最後通告だった。だが、「議長の対応は変わらなかった」(パウエル氏)。2カ月後、ブッシュ大統領は「2国家共存構想」を発表、アラファト議長の排除を打ち出した。自治政府の変革と、議長に代わる「新指導部」の選出を求め、一切の仲介を棚上げした。ブッシュ政権が仲介外交を再開したのは、自治政府が首相職を新設し、アッバス氏を選出した今年4月末からだ。
 「あなたは責任を負っている。協力したい」
 アッバス氏にとって事実上の「外交デビュー」となる今回の会談の冒頭、ブッシュ大統領は同氏を強く支持した。
 ブッシュ政権がこの時期に仲介を本格化させたもう一つの要素が、イラク戦争後の「戦略状況の変化」(パウエル氏)だ。イスラエルにとって最大の軍事的脅威であり、地域全体の不安定要因だったフセイン政権が消滅したことで、アラブ全体とイスラエルとの関係正常化の可能性が出てきたことを意味する。
 仲介外交再開に当たりパウエル氏が5月初め、まず訪問したのはシリアだった。レバノンのシーア派武装組織ヒズボラやイスラム過激派ハマスを支援してきたシリアは今回、ハマスなどの事務所閉鎖に初めて応じた。
 「テロ支援」を理由にフセイン政権を打倒した米国の「圧力」を感じての措置だったことは間違いない。米国は、ヒズボラを支援するイランにも外交圧力を高めている。
 米政府は、サウジアラビアなどに対し、陰で過激派への支援などを続けているのではないかとの疑念を抱いている。今回、米国がアラブ諸国に「いかなる理由も問わないテロの拒絶」(ブッシュ大統領)を約束させたのは、「面従腹背」は許さないという警告の裏返しでもある。今回の会談は、昨年3月のアラブ首脳会議で採択された「占領地の全面返還と引き換えにイスラエルとの関係正常化(国交樹立)に応じる」というアラブ側の和平構想「ベイルート宣言」を行程表に反映させる意味もあった。
●イスラエル、米の配慮を注視
 【アカバ(ヨルダン南部)=堀内隆】パレスチナ自治政府のアラファト議長を拒否し、アッバス氏をパートナーとして扱ってきたイスラエルは、シャルムエルシェイクの会談でのアラブ諸国によるアッバス氏への支援表明を大きな成果と受け止めている。ただ、それ以上にイスラエルが注視しているのは、ブッシュ大統領がロードマップ(行程表)の実行をめぐりイスラエルの立場にどう配慮を見せるかという点だった。
 1日付のイスラエル紙マーリブによると、イスラエルはブッシュ大統領がシャルムエルシェイクと4日のヨルダン・アカバで発表する予定の声明で「ユダヤ人のふるさととしてのイスラエル」の生存権に触れることを求め、5月末に中東入りしたバーンズ米国務次官補らにシャローム外相がこの要望を伝えたという。しかし、ブッシュ大統領は、3日の声明ではこの点に触れなかった。
 イスラエルはパレスチナ難民の帰還を認めることに一貫して反対しており、ブッシュ大統領が声明で「ユダヤ国家」としてのイスラエルの性格を強調すれば、イスラエル国内にパレスチナ難民が帰ってくることに歯止めをかけられる、との読みがあった。
 米政府はすでに、行程表の実行をめぐりイスラエルの懸念に配慮を示すと言明しており、ブッシュ声明で具体化されることをイスラエルは期待していた。
 
 【写真説明】
 3日、エジプトのシャルムエルシェイクで、アラブ首脳らを写真撮影のために壇上へと招くブッシュ大統領(中央)=AP
 
 
 
 
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