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2003/03/20 朝日新聞夕刊
米英、イラク攻撃 バグダッドの拠点爆撃 米大統領が開戦宣言
【ワシントン=石合力】ブッシュ米大統領は19日午後10時15分(日本時間20日午後0時15分)、ホワイトハウスからテレビ演説し、「イラクを武装解除し、国民を解放する」と述べ、米英軍主導でイラク攻撃を開始したと宣言した。周辺各国に展開する米軍のF117ステルス戦闘機や巡航ミサイルなどでイラク指導部の拠点を限定的に攻撃した模様だ。91年の湾岸戦争時と異なり、米英両政府は今回はフセイン政権の打倒を明確に掲げている。
ロイター通信によると、バグダッドではイラク現地時間20日午前5時33分(日本時間午前11時33分)ごろ、最初の爆発音が響いた。市内に空襲警報が鳴り響き、夜明け前の薄明かりを帯びた空に次々と対空砲火が上がった。
米国内の報道によると、米英軍は同日、イラク国内の2カ所を攻撃している。CNNテレビは、米国防総省当局者の話として、40発の巡航ミサイルが紅海とペルシャ湾の艦船から発射され、F117ステルス戦闘機が精密誘導爆弾や特殊貫通爆弾バンカーバスターを投下したと伝えた。
同当局者は「この攻撃は、イラク指導部に打撃を与えて敵の能力をそぐためのもの」と述べ、フセイン政権中枢を標的にした限定的な攻撃だと説明した。攻撃は断続的に行われ、AFP通信は、バグダッドで現地時間20日午前6時半ごろ、第3波の空爆があったと伝えた。
ブッシュ大統領は19日朝と午後、2度にわたる国家安全保障会議(NSC)でイラクへの武力行使について協議。さらに午後3時40分から7時20分にかけて緊急のNSCを開いた。CNNテレビによると、大統領が攻撃を命令したのは午後6時半(日本時間20日午前8時半)。CIAなどが、フセイン大統領は依然、バグダッドにいることを伝えたため、という。
今回の攻撃は、大量破壊兵器を持つとみる敵に対し、自衛を理由に先制攻撃を正当化する昨年9月の「国家安全保障戦略」(ブッシュ・ドクトリン)に基づく初の攻撃となる。国連安保理を軸に多国間で紛争の解決を目指す第2次大戦後の国際規範を書き換えようとする動きで、安保理の支持を得ない武力行使には国際法上、正当性に疑念が指摘されている。
クウェートに待機していた米地上軍は、戦車やヘリコプターで南部の都市バスラなどの拠点を確保しながら北上、首都バグダッドの陥落を目指す。
油田の自爆的な破壊や生物・化学兵器の使用を防ぐため、米特殊部隊は事前にイラク北部のクルド自治区などに展開しており、関連施設の制圧や反体制派の組織化を進めているとみられる。
○米大統領 「長期化覚悟を」
【ワシントン=三浦俊章】ブッシュ米大統領が19日夜にホワイトハウスから行った開戦演説は、イラク問題をめぐって分裂する国際世論の中で、あえて武力行使に踏み切った理由を米国民と国際社会に訴える狙いがあった。大統領は「米国民とその同盟国は、大量破壊兵器で世界の平和を脅かす無法者の体制のなすがままにはならない」と述べ、フセイン政権打倒を戦争目的にうたった。
大統領は「わが国はしぶしぶこの戦いに入るのだ」とも語った。これは、戦争に反対する国際社会からの批判に対して、やむをえず武力行使に追い込まれたのだと反論するものだ。
また、米国民に対しては、「カリフォルニア州ほどの大きさの厳しい国土での戦闘は、一部の人が予想するより長引くかもしれない。イラクに統一・安定した自由な国をつくるには、米国の持続した関与が必要だ」と述べ、戦争と戦後復興についての息の長い覚悟を呼びかけた。
◆米大統領演説骨子
| 一、 |
米国と同盟軍はイラクを武装解除し、国民を解放し、世界を危険から守るための軍事作戦の初期の段階に入った |
| 一、 |
限定的な目標の攻撃を始めた |
| 一、 |
35カ国以上が支援し、情報や補給面で協力してくれている |
| 一、 |
フセインは罪のない国民を盾にしており救わなければならない |
| 一、 |
作戦は予想よりも長期化し困難になるかもしれない |
| 一、 |
イラクの国民、文明、宗教を尊重する。野心はない |
| 一、 |
長期化を食い止めるには、決定的な武力行使が唯一の方法だ |
【写真説明】
20日早朝、イラク戦争が始まり米軍の攻撃によるとみられる爆発の炎がバグダッド市内から見えた=AFP時事
イラク攻撃開始について演説するブッシュ米大統領=CNN・サン
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