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私はこう考える【イラク戦争について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2002/10/11 朝日新聞朝刊
懸念を拭いたいなら ブッシュ演説(社説)
 
 ブッシュ米大統領の頭には武力攻撃しかないのではないか。
 そんな懸念を拭(ぬぐ)い去りたい気持ちが7日のイラク演説にはにじんでいた。
 大統領は、生物・化学兵器などの大量破壊兵器を保有し続けているとみられるイラクの脅威を説明した。そのうえで、フセイン・イラク大統領が国連の査察を受け入れて、これらの兵器を廃棄することが「戦争を避ける機会」と述べた。
 そのためには、強い態度で無条件かつ無制限の査察実施を迫ることが必要だとし、新たな国連安保理決議を促した。
 また、米議会に求めている戦争権限を大統領に与える決議についても、「武力行使が切迫し、避けられないことを意味するものではない」として、上下両院の広範な支持を呼びかけた。
 その一方で、イラクが大量破壊兵器を廃棄する可能性について、「少なくとも今のところ、ほとんど期待できない」と述べ、戦争回避が狭き門だとの見方を示した。
 フセイン政権の過去の行状を見れば懐疑的になるのは当然だ。しかし、ブッシュ大統領が平和的解決に悲観的な姿勢では、査察によって、問題を解決しようとする多くの国々の熱意が弱まりかねない。
 ギャラップ社の最新の米国世論調査によると、「米国はイラクに対して外交的な努力を尽くしたか」という質問に対して、イエスが46%、ノーが49%で、まだ外交の余地が残るという意見が多かった。
 91年の湾岸戦争が始まる直前に同じ質問をした時の答えは、イエスが60%、ノーが33%だった。こうした数字で見る限り、米国の世論は湾岸戦争の直前ほど、武力行使への切迫感を持ってはいない。
 米国だけでなく世界各地で、イラク攻撃に反対するデモが始まっている。世界の株式市場はイラク戦争によるインフレや不況を恐れて、株価を下げている。
 ブッシュ大統領はこうした動きを踏まえて、「戦争を避ける機会」をさぐる外交努力を最大限に尽くす決意をもっと明確に表明すべきである。
 イラクの大量破壊兵器をめぐる今回の緊張は、もとをたどれば安保理決議に反して大量破壊兵器を隠し続けたフセイン政権に非のあることは言うまでもない。イラクが進んで完全廃棄に応じないなら、安保理主導で廃棄させていくしかあるまい。
 そのためには、イラクが大量破壊兵器を隠している疑いのある広大な大統領関連施設の敷地への立ち入りを含む、無制限の査察を実現する必要がある。
 ブッシュ大統領は演説で「国連が平和の維持を助ける有効な機関であることを、米国は望んでいる」とも述べた。
 そうであるなら、大統領は単独主義を慎み、もっと国連に協力すべきだ。武力一辺倒ではないかとの懸念を拭うには、それが一番よい方法である。
 
 
 
 
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