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更生保護施設に役に立つSSTの本
 
 SST普及協会のホームページをごらんになるとSSTの文献のリストがのっています。詳細はそちらでご覧頂くとして、ここでは更生保護施設のSSTに役に立つと思われる数冊の本を簡単にご紹介しましょう。
 
1)「SSTの進歩」SST普及協会編集、創造出版、1998
 
 基本的な理論と技法の解説、練習課題を導き出す工夫、デイケア、入院病棟、職業リハビリテーションを始めとする多様な現場での応用、評価方法などに、実践のための手がかりが示されています。SSTの導入にあたって、周りのスタッフにどのように理解を得て行ったかなど、体験をふまえたノウハウが具体的に紹介されています。精神科の患者さんを対象にしたSSTですが。
 
2)「地域生活支援のSST」八木原律子ら、医学書院、1997
 
 精神障害者小規模作業所で先駆的な取り組みをしてきたことで有名なJHC板橋のSST実践をまとめたものです。更生保護施設にとっても参考になるものがあります。SSTの基礎知識の解説のほか、「生活スキル」「職業的スキル」「社会生活向上のためのスキル」に分けて、それぞれに具体的な練習課題とシナリオ入りの事例が紹介されています。資料の「職業生活準備チックリスト」など、就労に関する自己評価表は職員の参考になるでしょう。
 
3)「わかりやすいSSTステップガイド上巻、下巻」ベラック他、(熊谷・天笠監訳 星和書店、2000
 
 上巻はSSTの基礎的な理論、SSTグループの始め方、行動評価の方法、基本的技法、個人の課題や目標の設定方法、カリキュラムによる学習の進め方、トラブルの対策、リーダーのコツなど、ノウハウが学べます。下巻は4の技能領域にわたって、それぞれの技能の段階が示され、ロールプレイ場面の例、指導の留意点があげられており、SSTの進め方が具体的に理解されるようになるでしょう。
 
4)「SSTウオーミングアップ活動集−精神障害者のリハビリテーションのために」前田ケイ、金剛出版、1999
 
 SSTの練習がスムーズに展開できるように、セッションのはじめに準備活動として行われるウオーミングアップ活動が60種類、あげられています。SSTばかりでなく、更生保護施設のいろいろな集いにも応用できるので、手元においておくと便利な本です。







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