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3.6.2 結線要領
(1)一般的な注意事項
 結線は電気艤装工事の最終仕上げであり、電気装置の動作を左右するものであるので正確に接続するよう注意する。
 結線する場合は、結線図などで端子符号と心線符号(色または番号)を照合しながら作業を行う。図面と現品が一致しない場合は一人合点で処理せず、設計担当者などに照合の上接続することが望ましい。
(a)使用する端子
 使用する端子は、小型端子及び圧着端子を使用する。圧着端子は、絶縁被覆付のものを使用すれば、作業性がよく合理的である。
 
 
(b)電路の接続
 電路の接続は接続箱、分岐箱または端子箱を使用する。
(c)端子の締付け
(イ)船用端子の締め付けは、「表3.3.3端子用小ねじとねじ回しの適合」に示すよう締め付けに適合した寸法の工具を使用し、締付けが不十分で接触不良を生じたり、又は過度に締付けて、ねじ頭の溝を欠くようなことがないよう注意する。
 
表3.3.3 端子用小ねじとねじ回しの適合
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(ロ)圧着端子は、圧着不良を起こさないよう圧力規制付の専用工具でしっかり圧着する。また、端子の抜け防止のため、電線のサイズと圧着端子のサイズは適合したものを使用すること。
(ハ)端子の締付けトルク
 トルクレンチを使用する場合の端子の締付けトルクは表3.3.4の範囲内とすることが望ましい。
 
表3.3.4 端子の締付けトルク
単位 Kgf・cm(N・m)
ねじの呼び径 締付けトルク
標準 範囲
M3 5.1(0.5) 4.5〜5.6(0.45〜0.55)
M4 12.2(1.2) 11.0〜13.5(1.1〜1.2)
M5 20.4(2.0) 18.4〜22.4(1.8〜2.2)
M6 25.5(2.5) 23.0〜28.1(2.3〜2.8)
M8 61.2(6.0) 55.1〜67.3(5.4〜6.6)
M10 102.0(10.0) 91.8〜112.2(9.0〜11.0)
JIS C 2811:95「工業用端子台」を参照
 
(ニ)M8以上の場合は、ねじを使用せずボルトを使用することが望ましい。
(ドライバーでの締付け可能最大トルクは、個人差はあるが、30kgf・cm程度である。よって、M8以上でねじを使用するとトルク不足となる。)
(ホ)特に注意を要する大電流通電部(約10A以上)については、規定トルクで締付け後、目だつ色の油性ペン又はペンキなどで、マーキングチェックをすることが望ましい。
(d)座金及びナット
 端子の弛み止めとして使用しているばね座金、平座金、ナイロンナット、ダブルナットなどは、その性質を損なわないよう正しく使用する。
(a)電路の接続
 35V以下の電路の接続は、接続箱、分岐箱または端子箱の他に下記の端子を使用すると合理的な場合がある。なお防水性を必要とする場所で使用する場合は、防水スリーブ又は防水カプラーを使用すること。
(イ)ギボシ端子(JIS D 5403:89)
 
*しっかりかん合させること
 
(ロ)カプラー
 
*ロック付きのものを使用すること。
 
(b)端子の締付け
 圧着不良を起こさないよう圧力規制付の工具でしっかり圧着する。また端子の抜け防止のため、電線のサイズと圧着端子のサイズは適合したものを使用すること。
 
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図3.3.46 発電機端子箱内の結線
 
 
図3.3.47 電動機端子箱内の結線グランド導入の場合
 
 
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図3.3.48 防水形接続箱内の結線
 
図3.3.49 非防水形接続箱内の結線







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