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MSC67/22/Add.1 ANNEX17
付録 1
ANNEX 1 to APPENDIX 1“Auto Tracking”
DEFINITIONS OF TERMS TO BE USED IN CONNECTION WITH
“AUTO TRACKING”AND RADAR PERFORMANCE STANDARDS
自動追尾装置とレーダー装置の動作基準に関して用いられる用語の定義
 
Target:物標
 その位置と運動が、レーダーでの距離と方位の測定によって決定される、固定又は移動の対象物。
Relative Course:相対針路
 自船に対する物標の運動の方向で、北を基準とした角度で表される。これは自船のレーダーで物標の距離と方位を、多数回測定することによって得られる。
Relative Speed:相対速力
 自船に対する物標の速力。これは自船のレーダーで物標の距離と方位を、多数回測定することによって得られる。
Relative Motion:相対運動
 相対針路と相対速力の合成値。
True Course:真針路
 自船に対する物標の運動の真方向で、北を基準とした角度で表される。これは物標の相対運動と自船の真運動*のベクトル合成によって得られる。
True Speed:真速力
 物標の相対運動と自船の真運動*のベクトル合成によって得られる物標の速力。
True Motion:真運動
 真針路と真速力の合成値。
True Bearing:真方位
 北を基準とした角度で表された、自船又は物標からの他の物標の方位。
Relative Bearing:相対方位
 自船の船首方向を基準とした角度で表された、自船からの物標の方位。
True Motion Display:真運動表示
 自船と各物標がその真運動に従って移動する表示。
Relative Motion Display:相対運動表示
 自船の位置は移動しないで固定し、他のすべての物標は自船に対し相対的に移動する表示。
Azimuth Stabilized Display:方位安定表示
 指定した真方位を固定し、これを基準とする表示
North−up Display:ノースアップ表示
 画面の中心から真上を結ぶ線が真北方向である方位安定表示。
Course−up Display:コースアップ表示
 画面の中心から真上を結ぶ線が意図した自船針路である方位安定表示。
Heading:船首方位
 船の船首が指している方向で、北からの角度で表す。
Target's Predicted Motion:物標の予測運動
 レーダー上での距離と方位の過去の測定から定められるような、現在の運動から直線的外挿法によって得られる将来の物標の運動の予測。
Relative Vector:相対ベクトル
 自船に対する物標の予測される移動。
True Vector:真ベクトル
 自船の移動方向と速力を入力した結果予測される物標の真運動。真ベクトルは、対水又は対地のいずれかで表示される。
Acquisition:捕捉
 物標の追尾を開始するために、その物標を選択する過程。
Tracking:追尾
 その運動を確定するために物標の位置の引き続いた変化を測定する計算機過程。
Target Swap:物標乗移り
 追尾中の物標に対するレーダー・データが、他の追尾中の物標又はレーダー映像と誤って結合する状態。
Echo Reference:映像基準
 対地安定の基準に用いられる特別の固定航海目標であることを表示する機能。
CPA/TCPA:最接近点及び最接近時間
 Closest Point of Approach並びに、追跡中の物標が自船からある距離以内に近づくような場合、警告を与えるために観測者によって定められるその距離範囲まで最接近点に近づくまでの時間。
Bad Echo:不良反射映像
 追跡中の物標でときどき見失うような、又はレーダーに対するアスペクトが悪くて追跡能力がないような映像につけられる名称。
Lost Target:喪失物標
 見失ったか又は不明りょうとなって最早追跡されない物標につけられる名称。
Sea Stabilization:対水安定
 ジャイロと一軸対水ログからの入力を用いて、自船と他のすべての物標が海面を基準として表示される表示モード。この表示は、衝突防止と航海目的に対して理想的なモードである。
Ground Stabilization:対地安定
 対地航跡あるいはセット・アンド・ドリフトの入力を用いて、自船と他のすべての物標が地面を基準として表示される表示モード。この表示は、航海目的に対して理想的なモードである。しかしながら、他の物標と危険な関係にあると認められる場合は注意深く用いられなければならない。
注:
物標の距離、方位、相対針路、相対速力、CPA、TCPAなどについて言及する場合は、これらの測定はレーダー・アンテナに対してなされている。
 
付録 2
ANNEX 2 to APPENDIX 1“Auto Tracking”
動作シナリオ
 次のシナリオのそれぞれは、前もって適宜 1分又は 3分の追尾後、定められた物標位置で予測が行われるものとする。
 
シナリオ1 自船の針路 000度
  自船の速力 10kt
  物標の距離 8浬
  物標の方位 000度
  物標の相対針路 180度
  物標の相対速力 20kt
シナリオ2 自船の針路 000度
  自船の速力 10kt
  物標の距離 1浬
  物標の方位 000度
  物標の相対針路 090度
  物標の相対速力 10kt
シナリオ3 自船の針路 000度
  自船の速力 5kt
  物標の距離 8浬
  物標の方位 045度
  物標の相対針路 225度
  物標の相対速力 20kt
シナリオ4 自船の針路 000度
  自船の速力 25kt
  物標の距離 8浬
  物標の方位 045度
  物標の相対針路 225度
物標の相対速力 20kt
 
付録 3
ANNEX 3 to APPENDIX 1“Auto Tracking”
センサ誤差
 
 APPENDIX 1の3.7項に引用した精度(確度値)は、下記のセンサ誤差に基づいている。また船舶搭載用航法装置に対する作動基準に従った装置に適合している。
注:σは標準偏差を意味する。
レーダー
ターゲットのグリント(シンチレーション)( 200mの長さの物標に対して)
 物標の長さにそって、σ=30m(正規分布)
 物標の横方向にσ= 1m(正規分布)
ローリングとピッチングの方向
 方位誤差は自船の周囲の4つの象限のそれぞれにおいて、相対方位045度、135度、225度、及び315度の物標に対してピーク値があり、相対方位0度、90度、180度及び270度において零となる
 この誤差は、ローリングの周波数の 2倍の周期で正弦波状の変化をし、10度のローリングに対する平均誤差は、0.22度に尖頭値0.22度の正弦波を重畳した値
ビームの形
σ=0.05度の方位誤差を生じる正規分布形と推定
パルスの形
σ=20mの距離誤差を生じる正規分布形と推定
アンテナのバックラッシュ
±0.05度の最大誤差を生じる矩形分布形と推定
量子化
方位 ±0.1 度の最大誤差を生じる矩形分布形
距離 ±0.01浬の最大誤差を生じる矩形分布形
方位エンコーダは、σ=0.03度の正規分布形の方位誤差を生じる遠隔シンクロで動作するものと推定
ジャイロ・コンパス
キャリブレーション誤差0.5度、この値の周りにσ=0.12度の正規分布
ログ
キャリブレーション誤差0.5kt、この値の周りに3σ=0.2ktの正規分布
 

*:この定義のためには、対水安定か対地安定かを区別する必要はない。







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