日本財団 図書館


3・4 力率改善用コンデンサ容量と設置
 コンデンサの容量が決定すれば、負荷に対して総容量を一括にまとめて設置するか、分割して設置するかは、負荷の性質及び使用上の要求から定められるものである。
 一括して設置する場合には、NK規則にもあるが、必要に応じて過電圧保護装置を設けなければならない。
(1)単相式の場合のコンデンサ静電容量の計算
ただし
Q1:〔kVA〕
C:静電容量〔μF〕
V:端子電圧〔V〕
f:周波数〔Hz〕
その他は下記による。
(2)三相式の場合のコンデンサ静電容量の計算
 
(拡大画面:12KB)
 
E:1個のコンデンサの定格電圧〔V〕
C:1個のコンデンサの静電容量〔μF〕
f:周波数〔Hz〕
IC:線電流〔A〕
V:線間電圧〔V〕
IC:1個のコンデンサに流れる充電電流=2πfCE×10-6〔A〕
Q1:単相式の場合の容量〔kVA〕
Q3:三相式の場合の総容量〔kVA〕
注:Cd=Cs/3であるから△結線が経済的といえる。
 
3・5 配電回路における短絡電流計算
3・5・1 最大推定短絡電流の目安
(1)直流回路
短絡電流 Is=10×(IG1+IG2+・・・+IGn)+6×(Im1+Im2+・・・+Imn)〔A〕
(2)交流回路
短絡電流 Is=10×(IG1+IG2+・・・+IGn)+3×(Im1+Im2+・・・+Imn)〔A〕
IG1・・・IGn:接続される発電機(予備機を含む)の定格電流〔A〕
Im1・・・Imn:発電機から給電をうけている運転中の各電動機の定格電流〔A〕
 ただし、発電機には制動巻線を有するものとする。(現在船舶用としては制動巻線のないものはほとんど使用されていない)
〔例題〕750〔kVA〕三相交流発電機(450〔V〕、60〔Hz〕、力率80〔%〕)2台が運転中、次の三相誘導電動機(440〔V〕、60〔Hz〕)に給電している間、主配電盤付近の回路に短絡が起きたときその推定短絡電流を求めよ。ただし三相誘導電動機には22〔kW〕(定格電流40〔A〕)9台、30〔kW〕(定格電流50〔A〕)4台、37〔kW〕(定格電流60〔A〕)2台及び45〔kW〕(定格電流80〔A〕)1台とする。
〔解〕
短絡電流Is=10×(963+963)+3(360+200+120+80)
=19,200+2,280=21,480〔A〕







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION