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2・9 電磁結合
 図2・20のようにPとSとのコイルが、磁束を仲介として結合しているとき二つのコイルPとSは電磁結合しているという。今Pコイルの自己インダクタンスをL1、Sコイルの自己インダクタンスをL2、相互インダクタンスをMとしてこれらの関係をみよう。
 ここで(2・17)式と(2・22)式及びΦ1=Φ2から
 
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 このKを結合係数という。そしてKが1に近い値のとき、密結合、零に近い値のときを疎結合という。また、PとSコイルを直列に接続し、Pの磁束とSの磁束とが同じ向きに接続することを和動接続といい、Pの磁束とSの磁束とが反対向きに接続することを差動接続という。
 
2・10 磁気ひずみ現象
 強い磁石に磁化される金属、すなわち鉄、コバルト、ニッケルなどを強磁性体というが、これらを磁化すれば、機械的にひずみをうける。逆に機械的にひずみを加えると、磁化の程度が変わる。このような現象を磁気ひずみという。したがって、交流で磁化すれば振動をおこし固有振動と一致すれば激しく振動することになる。
 これを応用したものに磁わい(歪)式音響測深機や、発振回路の素子などがある。
 
2・11 磁気しゃへい
 
図2・21
 
 電気計器のうち、外部からの磁界の影響をうけ指針に誤差を生ずるような場合には、図2・21に示すようにAの計器の外囲を、パーマロイ等のような強磁性体、即ち、透磁率μ(=μoμs)の大きい物質で包むことが有効である。なぜならば、図2・21のよう強磁性体が殆んど磁力線を吸収し、内部には磁力線が入らないからである。しかし、これでも不十分であれば中空を二重にすれば、いっそう有効である。このように強磁性体を使ってしゃへいすることを磁気しゃへいという。







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