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無線設備講習用指導書(艤装工事及び保守整備編)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


4・4・3 電源部の接地
 電波法施行規則第22条にAC300Vを超える電圧を使用する電動発電機・変圧器ろ波器、整流器、その他の機器は、外部より容易にふれることのできないように絶縁遮へい体又は接地された金属遮へい体の中に収容しなければならないと規定されているが、300V以下の低圧であっても危険予防の上から必ず接地すること。また、最近の電源機器はノイズの発生源になりやすく、確実に接地をしないと他の電子機器に妨害を与えることになるので、十分な配慮が必要である。なお、接地線はできるだけ最短距離で配線すること。
 
4・4・4 ケーブルの接地
 各機器の接地が完全であっても、外部接続ケーブルのがい装が接地されていなかったり、遮へい線の接地が指定場所でなかったりして不測の誘導障害を起こす場合があるので、指定された接地方法を守り、水防栓口の防水処理と併せて完全に実施する必要がある。
 通常の場合の電路の接地は、ケーブルのがい装による自然接地とする。
 なお、接地は電気的に連続でなければならないことに注意し、途中で接続箱やコネクタを用いる場合には特にその部分で途切れることのないようにしなければならない。図4・89に同軸ケーブル同士を中継コネクタで接続する場合の接地方法の例を示す。
 
図4・89 同軸ケーブルの接地(例)
 
(1)ケーブルの接地例、その1
 ケーブルのがい装と遮へいは両端共、各機器内の接地端子に接地すること。(図4・90〜図4・91参照)
 
図4・90 ケーブルの接地(例)
 
図4・91 ケーブルの接地(例)
 
(備考)
(1)機器の内部又は外面のケーブル導入部付近には、接地端子が設けられているのが一般的である。ケーブルのがい装の塗装を落としてクランプを挟込み、確実に接地をとる。接地端子のないものは、その機器自体の接地点と同一場所に接地することが望ましい。
(2)簡易型ケーブルクランプ、押さえバンドなどでケーブルの接地をとる場合は、ケーブルのがい装の防食塗装をはがさないと接地効果が期待できないので注意を要する。できるだけ、編組線などを用いて接地することが望ましい。
(3)ケーブル接地用材料としては、一般的に編組線の0.6〜1.0mmの錫めっき軟銅線などが使用される。
(4)接地は、最短距離で接地すること。錫めっき軟銅線1本で不必要に長く接地したりすると、高周波雑音の除去効果は期待できないので注意を要する。万一無線機から雑音が入るようであれば、再度、ケーブルのがい装の接地を調べ直すと同時にケーブルの途中の何箇所かを船体に接地するとよい。
(5)接地線に塗装してはいけない。
(6)機器の接地が船体との自然接地による場合は、接触面の塗料をはがし、さびや汚れを除去するので、そのあとに導電性塗料を塗布するなどをして、経年変化によって接地効果が低下しないように注意すること。
(2)ケーブルの接地例、その2
 空中線やその他の機器で電線貫通金物を使用したものは、図4・92の要領による。
(備考)
 編組織はケーブルがい装に、はんだ付け、若しくは、クランプによって取付け、電線貫通金物に対して下部に向かって引出して接地すること。
 
図4・92 ケーブルの接地(例)
 
4・5 船内における試験・検査
4・5・1 一般
 電気機器及びケーブルは、メーカーにおいて検査機関の定める規則にもとづいて検査されており、良品として納入されるが、これを船内に装備する場合、輸送、保管、取付け、配線、結線等の良否によって所定の性能が得られない場合があるので、必ず船内において所定の手続きを行った後に、試験・検査を実施すること。
 なお、試験・検査を実施する前には、試験方案を作成する等によって試験内容を十分に検討し、その性能、操作、取扱について熟知しておくとともに、客先、メーカー及び関係各部と十分な協議・連絡を行なうこと。
 また、試験・検査は、試験・検査前に合否の判定基準を明確にしておき、試験・検査が終わったら成績書を作成し判定基準と比較確認すること。
 
4・5・2 電路の絶縁抵抗試験
 動作・性能試験前後に電路の絶縁抵抗を計測し、船舶設備規程第261条に掲げる基準に適合していることを確認する。
 計測は500V絶縁抵抗計で行なう。なお、GMDSS機器のほとんどは半導体回路が使用されているのでメーカーと十分協議し、主回路から切り離してテスター(船舶電気装備技術講座(GMDSS・レーダー)基礎理論編第5章5・4・3参照)で測定するなどの注意が必要である。
 
4・5・3 性能試験
 試験を行なう際には、メーカーでの試験成績書と照合し異常のないことを確認すること。
(1)電源電圧の測定
 各相間について測定し、規定値となっていることを確認する。
(2)動作試験
 各装置について実際に動作させ、各部の機能が正常に動作し異常のないことを確認する。







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