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第252条: 水密甲板、水密隔壁又は気密を要する隔壁を貫通する電路は、その部分に電線貫通金物を使用し、又はその他の方法で水密又は気密を保つことができるようにしなければならない。
 
(関連規則)
船舶検査心得3−1
252.1(a)蓄電池室又は塗料庫と居住区との間の隔壁は、気密を要するものとして取り扱うこと。
 
第253条: 前条の甲板及び隔壁以外の甲板又は隔壁を貫通する電路は、その部分を必要に応じてカラー、鉛その他の適当な軟質物質を用いてこれを保護しなければならない。
 
(関連規則)
NK鋼船規則H編
2.9.15 隔壁及び甲板の貫通
−1. ケーブルが隔壁又は甲板を貫通する部分は、電線貫通金物、箱等を設けて隔壁及び甲板の強度、水密性及び気密性を損うおそれのない構造としなければならない。
−2. ケーブルが水密でない隔壁又は鋼製構造物を貫通する場合には、ブッシングを用いてケーブルに損傷を与えないようにしなければならない。隔壁又は鋼製構造物が十分な厚み(≧6mm)を持っている場合には、孔の両端に丸みを持たせれば、ブッシングと同等とみなすことができる。
−3. 電線貫通金物、ブッシング等は、耐食性材料又は防食処理を施したものでなければならない。
−4. ケーブルが防火壁を貫通する部分の構造は、防火壁の防火性を損うおそれのないものでなければならない。
 
第254条:電路は、接続箱、分岐箱又は端子箱を用いて接続しなければならない。
第255条:ケーブルは、適当な線端処理を施さなければならない。
第256条:電路は帯金を使用して直接船体に、又は導板、ハンガー等に固定しなければならない。
2. 前項の帯金は、耐食性材料で作られたもの又は耐食処理を施したもので、その幅が13ミリメートル以上であり、かつ、ケーブルを傷つけない構造のものでなければならない。
3. 第1項の帯金は、なるべく次表に定める間隔により取り付けなければならない。
 
ケーブルの外径(mm) 帯金の間隔(mm)
がい装のない場合 がい装のある場合
13以下のもの 250 300
13をこえ20以下のもの 300 350
20をこえ30以下のもの 350 400
30をこえるもの 400 450
 
(関連規則)
NK鋼船規則H編
2.9.14 ケーブルの支持及び固定
−1. ケーブル及び配線は、擦損、その他の損傷を被らないように布設し支持しなければならない。
−2. ケーブルの支持及び固定間隔は、ケーブルの種類及びケーブルが布設される場所の振動により選定しなければならず、かつ、40cmを超えてはならない。ただし、暴露区域以外に布設されるケーブルであって、ハンガー等の上に水平に布設されるケーブルにあっては、40cmを超えない間隔で指示され、かつ、90cmを超えない間隔で固定されればよい。また、ケーブルがダクト又は管内に布設される場合は本会の適当と認めるところによる。
−3. バンド、支持物及び付属品は、次の(1)から(4)に適合しなければならない。
(1)バンドは十分な強さを有し、ケーブルの被覆を損傷することなく固定できるものであること。
(2)金属製のバンド、支持物及び付属品は、耐食性材料又は適当な防食処置を施したものであること。
(3)非金属製のバンド及び支持物は、難燃性のものであること。
(4)非金属製のバンドで固定したケーブルは、支持物の上に水平に布設した場合を除き、火災によるケーブルの緩みに対し考慮されたものであること。
2.9.10 ケーブルの布設
−4. 導体の最高許容温度が異なる絶縁ケーブルは、できる限り同一帯金で束ねて布設することを避けなければならない。やむを得ず束ねて布設する場合には、いかなるケーブルも導体の最高許容温度の最も低いケーブルに許容された温度より高い導体温度にならないように使用しなけばならない。
−5. 他のケーブルの保護被覆に損傷を生じやすい保護被覆を持つケーブルは、同一の帯金に束ねて布設してはならない。
 
第257条: 磁気コンパスに接近する電路、電気機械及び電気器具は、これに有害な磁気作用を及ぼさないよう配置しなければならない。
第258条: 外洋航行船(限定近海貨物船を除く。)にあっては、電路はケーブルの難燃性を損わないように布設しなければならない。(39頁限定近海貨物船区域図参照)
 
(関連規則)
船舶検査心得3−1
258.0(a)機関区域、居住区域及び車両甲板の閉囲された場所の電路は、次のいずれかの方法により布設されていること。
(1)1本のケーブルにより布設する方法。この場合において、「1本のケーブルにより布設する」とは、当該ケーブルとの間をこれら2本のうち太い方のケーブルの直径の5倍(隣接するケーブルが束の場合にあっては、束の中の最大径のケーブルの直径の5倍又は束の最大幅のいずれか大きい方の値)以上離すことをいう。(図258.0〈1〉参照)
 
D>d
 
5D>W
 
5D>W
図258.0〈1〉
 
(2)束ねたケーブルにより布設する方法。この場合にあっては、次のいずれかの方法に従うこと。
(i)ケーブルを束ねて電路を布設しても難燃性を保持できるケーブルを使用する方法。この場合において、「難燃性を保持できるケーブル」とは、附属書〔3〕「耐延焼性試験」に掲げる試験に合格したものをいう。ただし、(財)日本海事協会の発行した証明書を有する高難燃性ケーブルについては、同試験に合格したものとみなす。
(ii)ケーブルをトランク又は管に納入して電路を布設する方法。この場合において、その端部には、B級仕切り電線貫通部と同等以上の延焼防止措置を講じること。
(iii)図258.0〈2〉に示すつば付きコーミングであってB級仕切り電線貫通部と同等以上の効力を有するものをケーブルに設ける方法。この場合においては、垂直方向に布設するケーブルに設ける場合にあっては6m以内又は2層以内のうちのいずれかの間隔ごとに、水平方向に布設するケーブルに設ける場合にあっては14m以内ごとに設ける。ただし、つばが外板、甲板又は天井に接触する場合には、当該仕切り壁までとして差し支えない。
 
図258.0〈2〉
 
備考 水平方向に布設するケーブルに設けるものにあってはL=D、垂直方向に布設するケーブルにあってはL=2Dとする。
 
(b)(a)に掲げる方法のほか延焼を防止することが、(a)に規定する方法と同等以上の効力を有する方法と認められる場合には、資料を添えて、首席船舶検査官まで伺い出ること。ただし、(財)日本海事協会の発行した証明書を有する難燃塗料をその証明書に記載された条件に従って塗布する場合にあっては、この限りでない。
 
(拡大画面:127KB)
限定近海貨物船が航行可能な区域







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