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1・1・6 電気(同調)回路(直列共振と並列共振)
 コイルとコンデンサを組合せた回路は同調回路又は共振回路と呼ばれ特定の共振周波数において回路に流れる電流が最大値(直列共振)又は最小値(並列共振)となる。ラジオやテレビのチューナーはこの共振を利用して希望の周波数に同調させることができる。
 直列共振回路:
 図1・15に直列共振回路と回路電流の周波数特性を示す。この回路はコイル、コンデンサ及び抵抗を直列に接続した回路(a)と、交流又は高周波の一定電圧を加えたときの回路電流(b)について示してある。
 この回路は共振周波数frのとき電流が最大Irとなる。この現象を直列共振と呼ぶ。
 
(a)
(b)
 
図1・15 直列共振回路
 
 この理由は図1・11で示したようにコイルとコンデンサに流れる電流、iLとiCとがプラスとマイナスの逆向き(逆相)に流れて互いに打ち消し合い、合成リアクタンスがゼロとなることによる。このためにはコイルとコンデンサのリアクタンスの大きさが等しいことが必要であり1・13)式1・16)式から
(1・18)
(1・18)式から共振周波数fr
(1・19)
となる。LとCの大きさを組合せることから特定な共振周波数frを選択できるのでこの回路を同調回路と呼びテレビや通信機等のチューナーに使用されている。
 共振したときに流れる電流はコイルとコンデンサのリアクタンスXLとXCが互いに打ち消すので抵抗Rだけの回路と等価となり直列共振回路の共振電流は
(1・20)
となる。ここで、eは回路に加える電圧、Rは抵抗分である。
 共振回路による周波数選択性の良さはQで表され
(1・21)
となり、抵抗Rが小さいほど、インダクタンスLが大きいほど、及び容量Cは逆に小さいほどQが大きくなり、鋭い同調特性が得られる。
並列共振回路:
 図1・16に並列共振回路と並列共振回路に流れこむ電流の周波数特性を示す。
 
(a)
(b)
 
図1・16 並列共振回路
 
 加える電源電圧eから電源抵抗Rを通してコイルLとコンデンサCの並列回路へ電流iが流れこむ。コイルとコンデンサの内部電流をiLとiCで表す。共振周波数frでは直列共振回路で説明したようにiLとiCは逆向きで大きさが等しくなるので互いに打ち消し合い、電源eから電流iが並列回路に流れ込めなくなる。このことはコイルとコンデンサとの間に並列共振を生じて並列回路の外部から電流の出入りがなくなることとも考えられる。
 並列共振回路のリアクタンスXPはコイルとコンデンサのリアクタンスXLとXCの並列回路より
 
(1・22)
(1・23)
(1・24)
 
 並列共振回路のリアクタンスXPが無限大となるので共振回路に流れ込む電流はゼロとなることが(1・24)式から判る。
 共振しているときのコイル又はコンデンサ両端の電圧VLCは電流iL又はiCが最大となるので電圧VLCは最大となる。図1・16(b)に点線で共振回路に流れこむ電流iと実線でコイル両端の電圧VLCの変化を示した。







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