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5 小型船舶安全規則(電気関係)
 
5.1 総則
 
(適用)
第1条 船舶安全法(昭和8年法律第11号)第2条第1項の規定により漁船以外の小型船舶に関し、施設しなければならない事項及びその標準については、他の命令の規定(船舶安全法施行規則(昭和38年運輸省令第41号)第2章の2の規定を除く。)にかかわらず、この省令の定めるところによる。
(定義)
第2条 この省令において「小型船舶」とは、総トン数20トン数未満の船舶であって、国際航海に従事する旅客船以外のものをいう。
2 この省令において「検査機関」とは、管海官庁又は小型船舶検査機構をいう。
3 前2項に規定するもののほか、この省令において使用する用語は、船舶安全法において使用する用語の例による。
(同等効力)
第3条 小型船舶の船体、機関、設備及び属具であって、検査機関がこの省令の規定に適合するものと同等以上の効力を有すると認めるものについては、この省令の規定にかかわらず、検査機関の指示するところによるものとする。
 
5.2 電気設備
 小型船舶の電気設備については小型船舶安全規則(以下小安則という)第85条から第99条までの規定による。
 
5.2.1 発電設備
 発電設備については、小安則第85条の規定による。
 
(発電設備)
第85条 小型船舶の推進、排水その他の安全性に直接関係のある補助設備が電力のみにより維持される小型船舶には、必要な電力を十分に供給できる発電設備を備え付けなければならない。ただし、当該電力の供給を外部から受ける係留船については、この限りでない。
 
小安則第85条関係(細則)
 
(発電設備)
85.0(a)「小型船舶の推進、排水その他の安全性に直接関係のある補助設備」とは、次のような設備に使用するものとすること。
(1)冷却水ポンプ、潤滑油ポンプ、燃料油移送ポンプ、空気圧縮機等推進機関の運転に直接又は間接的に関係のある設備
(2)セルモータ (3)操舵設備 (4)ビルジポンプ
(5)船灯 (6)揚錨設備 (7)係船設備
(8)無線設備
(b)「必要な電力を十分に供給できる発電設備」とは、次に適合するものとすること。
(1)沿海区域(限定沿海区域を除く。)を航行区域とする小型船舶にあっては、充電装置付の発電機及び航海中に点灯するすべての航海灯に対し16時間以上給電できる蓄電池よりなるもの。ただし、蓄電池の容量は、夜間の航行時間を考慮して適宜減少しても差し支えない。
(2)限定沿海小型船舶又は平水区域を航行区域とする小型船舶にあっては、すべての船舶の推進、排水その他の安全性に直接関係のある電気設備に対して十分な容量の電力を給電できる能力を有するほか、いかなる場合でも航海中に点灯するすべての航海灯に対して6時間の給電能力を有する蓄電池よりなるもの。
 
5.2.2 供給電圧
 電圧設備への供給電圧は、小安則第86条の規定による。
 
(供給電圧)
第86条 供給電圧は、250ボルトを超えてはならない。
 
5.2.3 配置
 電気機器の配置に関する一般共通的事項は、小安則第87条の規定による。
 
(配置)
第87条 電気機械及び電気器具は、次に掲げる要件に適合する場所に設置しなければならない。
(1)操作点検が容易であること。
(2)他動的損傷及び熱による障害を受けるおそれがないこと。
(3)燃焼しやすいものに接近していないこと。
(4)通風が良好なこと。
 
5.2.4 性能及び構造
 電気機器の性能及び構造について必要とする一般共通事項は、小安則第88条の規定による。
 
(性能及び構造)
第88条 電気機械及び電気器具は、その使用目的に応じた十分な性能を有するものでなければならない。ただし、小型船舶の推進、排水その他の安全性に直接関係のない電気機械及び電気器具であると検査機関が認めるものについては、この限りでない。
2. 電気機械及び電気器具は、通常の使用に際して、取扱者に危険を与えない構造のものでなければならない。
3. 水滴、油、ビルジ等の落下、はねかえり又は浸水のおそれのある場所に設置する電気機械及び電気器具は、正常な機能を妨害されないように保護しなければならない。
4. 爆発若しくは引火しやすい物質が発生し、蓄積し、又は貯蔵される場所に設ける電気機械及び電気器具は、爆発性ガスによる爆発の危険のない構造のものとしなければならない。
 
小安則第88条関係(細則)
 
(性能及び構造)
88.1(a)「その使用目的に応じた十分な性能を有するもの」とは、それぞれ次に適合するものとすること。なお、以下88.1において使用する用語の定義は、設備規程第171条に定めるところによる。
(1)発電機及び電動機
(i)負荷試験を行い、温度上昇が、表88.1〈1〉に掲げる値を超えないものであり、かつ常な振動、有害な火花の発生(整流不良等による)のないもの。
 
表88.1〈1〉発電機及び電動機の温度上昇限度(度)
(基準周囲温度の限度45℃)
 
 
(ii)定格速度の120%の速度で1分間の過速度試験を行い支障なく運転できるもの。
(iii)絶縁抵抗試験を行い、次の値以上あるもの。
 
 
(2)変圧器
 定格出力で負荷試験を行い、温度上昇が、表88.1〈2〉の値を超えないもの。
 
表88.1〈2〉温度上昇限度(度)
(基準周囲温度の限度45℃)
部分 測定方法 A種絶縁 E種絶縁 B種絶縁 F種絶縁 H種絶縁
巻線 乾式変圧器 抵抗法 55 70 75 95 120
油入変圧器 抵抗法 60
温度計法 45    
鉄心表面 温度計法 絶縁物を損傷しない温度   
 
88.2(a)「通常の使用に際して、取扱者に危険を与えない構造のもの」とは、居住区に設置する変圧器にあっては、乾式自冷式のものとすること。
88.4(a)「爆発若しくは引火しやすい物質が発生し、蓄積し、又は貯蔵される場所」とは、ガソリンタンクを設置している区画、ペイント類を貯蔵する場所等をいう。なお、第24条第6項に規定する区画は、本条第4項に規定する場所とみなさなくてよい。







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