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4 漁船特殊規程
 
4.1 漁船に備ふべき航海用具
 漁船に備ふべき航海用具については漁船特殊規程第66条から69条の5及び漁船の基準を定める告示第4条から第6条の規定による。
 
第66条 漁船に備ふべき航海用具は別表第1に定むる所に依る。
 電気船灯を常用する総トン数500トン以上の漁船の穡灯、舷灯及び船尾灯は、二重式と為すべし。但し当該電気船灯に対する予備として油灯を備ふる場合に在りては此の限に在らず。
第67条 底曳網漁業灯(夜間底曳網漁業に従事する漁船が投網若は揚網を行う場合又は障害物に網が絡み付きたる場合に掲ぐる船灯を謂ふ)、かけまわし漁法灯(夜間かけまわし漁法に依り底曳網漁業に従事する漁船が掲ぐる船灯を謂ふ)及巾着網漁業灯(夜間巾着網漁業に従事する漁船が掲ぐる船灯を謂ふ)、灯光等に付告示を以て定むる要件に適合するものなることを要す。但し、当該船舶の構造、航海の態様等を考慮し管海官庁に於て差支なしと認むるときは此の限りに在らず。
第69条の2 第2種漁船又は第3種漁船には機能等に付告示を以て定むる要件に適合する「標準磁気コンパス」及予備の羅盆を備ふべし。但し管海官庁に於て差支えなしと認むる場合に在りては予備の羅盆の備付を省略することを得。
第69条の3 第2種漁船又は第3種漁船には機能等に付告示を以て定むる要件に適合する「方位測定コンパス装置」を備ふべし。但し管海官庁に於て差支えなしと認むる場合に在りては此の限に在らず。
第69条の4 第1種漁船には羅針儀を備ふべし。
第69条の5 第1種漁船を除くの外長さ25メートル以上の漁船(総トン数300噸以上のものを除く)には船速距離計其の他の自船の速力を測定し得る装置を備ふべし。但し、当該船舶の建造、航海の態様等を考慮し管海官庁に於て差支えなしと認むるときは此の限に在らず。
 
【漁船の基準を定める告示】
(漁法灯及び漁業灯の要件)
第4条 規程第67条の告示で定める要件は、次のとおりとする。
(1)底びき網漁業灯、かけまわし漁法灯及びきんちゃく網漁業灯は、次に掲げる灯光を発するものであること。
イ 別表第1第1欄に掲げる船灯の種類ごとに、同表第2欄から第4欄までに掲げる色、水平射光範囲(水平方向における射光の範囲をいう。)及び光達距離を有するものであること。
ロ 航海用具の基準を定める告示(平成14年国土交通省告示第512号)第2条第1項第1号ロからヘまでに掲げる要件に適合するものであること。
(2)かけまわし漁法灯及びきんちゃく網漁業灯は、別表第1第5欄に掲げるところにより閃光を発するものであること。
(漁法灯及び漁業灯の位置)
第5条 漁業灯の位置に係る規程第67条の告示で定める要件は、次のとおりとする。
(1)海上衝突予防法(昭和52年法律第62号)第26条第1項又は第2項の規定により2個の漁業灯を垂直線上に掲げることとされる場合に於ける当該漁業灯のうち下方のものは、当該2個の漁業灯の間隔の2倍以上舷灯より上方に設置すること。
(2)一対の底びき網漁業灯又はきんちゃく網漁業灯は互いに0.9メートル以上隔てて前号に規定する漁業灯より下方に設置すること。
(3)かけまわし漁法灯は海上衝突予防法第26条第3項又は第5項の規定により掲げることとされる場合における当該漁業灯より下方に設置すること。
(準用規定)
第6条 航海用具の基準を定める告示第5条、第13条及び第14条の規定は、規程第68条、第69条の2及び第69条の2の2の告示で定める要件について準用する。
 
別表第1(第4条関係)
船灯の種類 水平射光範囲 光達距離 摘要
白色底びき網漁業灯 360度 1海里  
紅色底びき網漁業灯 360度 1海里  
かけまわし漁法灯 360度 1海里 1秒ごとに閃光を発するものであること
きんちゃく網漁業灯 360度 1海里 1秒ごとに交互に閃光を発するものであり、かつ、それぞれの明間と暗間が等しいものであること。
 
(関連規則)
 漁船特殊規程第69条の5関係(船舶検査心得)
 
(船速距離計)
69−5.0(a)「その他の自船の速力を測定し得る装置」の備付け等については、設備規程心得146−25.2を準用する。
 
別表第1(第66条関係)(電気関係のみ抜粋)
属具名称 数量 摘要
マスト灯 1個(全長50メートル以上の漁船にあっては、2個)
1 全長50メートル以上の漁船にあっては第1種マスト灯、全長20メートル以上50メートル未満の漁船にあっては第1種マスト灯又は第2種マスト灯、全長20メートル未満の漁船にあっては第1種マスト灯、第2種マスト灯又は第3種マスト灯とすること。
2 船舶以外の物件(網、なわその他の漁具を除く。)を引く作業に従事する動力漁船(以下「物件えい航漁船」という。)は、マスト灯2個を増備しなければならない。 ただし、最後に引かれる物件の後端から当該漁船の船尾までの距離が200メートルを超えないものにあっては、増備するマスト灯は1個とすることができる。
3 動力漁船以外の漁船には、備え付けることを要しない。
舷灯 1対
1 全長50メートル以上の漁船にあっては、第1種舷灯とすること。
2 全長50メートル未満の漁船にあっては、第1種舷灯又は第2種舷灯とすること。ただし、全長20メートル未満の漁船にあっては、第1種両色灯1個をもって代用することができる
船尾灯 1個 全長50メートル以上の漁船にあっては第1種船尾灯、全長50メートル未満の漁船にあっては第1種船尾灯又は第2種船尾灯とすること。
停泊灯 1個(全長50メートル以上の漁船にあっては、2個) 全長50メートル以上の漁船にあっては第1種白灯、全長50メートル未満の漁船にあっては第1種白灯又は第2種白灯とすること。
紅灯 2個 全長50メートル以上の漁船にあっては第1種紅灯、全長50メートル未満の漁船にあっては第1種紅灯又は第2種紅灯とすること。
引き船灯 1個
1 全長50メートル以上の漁船にあっては第1種引き船灯、全長50メートル未満の漁船にあっては第1種引き船灯又は第2種引き船灯とすること。
2 物件えい航漁船以外の漁船には備え付けることを要しない。
紅色閃光灯 1個
1 第2種紅色閃光灯とすること。
2 海上交通安全法施行令(昭和48年政令第5号)第4条の規定により緊急用務を行うための船舶として指定された漁船(以下「指定漁船」という。)以外の漁船には、備え付けることを要しない。
緑色閃光灯 1個
1 第2種緑色閃光灯とすること。
2 海上交通安全法(昭和47年法律第115号)第1条第2項に規定する同法を適用する海域を航行する全長200メートル以上の漁船(以下「巨大漁船」という。)以外の漁船には、備え付けることを要しない。
漁業灯 1式 この表の備考によること。
探照灯 1個
1 夜間において二そうびきでけた網その他の漁具(船舶の操縦性能を制限するものに限る。)を水中で引く方法により漁ろうに従事する全長20メートル以上の漁船以外の漁船には、備え付けることを要しない。
2 対をなしている他方の漁船の進行方向を照射することができるように備え付けなければならない。
信号灯 1個
1 昼間でも使用できるものであること。
2 国際航海に従事する総トン数150トン未満の漁船、国際航海に従事しない総トン数500トン未満の漁船、船舶安全法施行規則第1条第2項第1号及び第2号の船舶(同項第2号の船舶にあっては、自ら漁ろうに従事するものに限る。)、第1種漁船並びに長さ25メートル未満の第2種漁船及び第3種漁船には、備え付けることを要しない。
備考(電気関係のみ抜粋)
1 漁業灯を備え付けるべき漁船の種別並びに備え付けるべき漁業灯の種類及び数は、次のイからホまでに掲げるところによる。ただし紅灯又はニにより備え付けるべき白灯のうち1個は、この表の規定により備え付ける紅灯又は停泊灯をもって兼用することができる。
  夜間においてけた網その他の漁具(船舶の操縦性能を制限するものに限る。)を水中で引く方法により漁ろうに従事する漁船、全長50メートル以上の漁船にあっては第1種緑灯及び第1種白灯各1個並びに白色底びき網漁業灯及び紅色底びき網漁業灯各2個、全長20メートル以上50メートル未満の漁船にあっては第1種緑灯又は第2種緑灯1個及び第1種白灯又は第2種白灯1個並びに白色底びき網漁業灯及び紅色底びき網漁業灯各2個、全長20メートル未満の漁船にあっては第1種緑灯又は第2種緑灯1個及び第1種白灯又は第2種白灯1個。
  イの方法により、漁ろうに従事する漁船であって、かけまわし漁法による底びき網漁業を行うものイの漁業灯のほか、かけまわし漁法灯1個。
  夜間において網、なわその他の漁具(船舶の操縦性能を制限するものに限る。)を用いる方法(イの方法を除く。)により漁ろうに従事する漁船であって、当該漁具を水平距離150メートルを超えて船外に出さないもの、全長50メートル以上の漁船にあっては第1種紅灯及び第1種白灯各1個、全長50メートル未満の漁船にあっては第1種紅灯又は第2種紅灯1個及び第1種白灯又は第2種白灯1個。
  ハの方法により漁ろうに従事する漁船であって、当該漁具を水平距離150メートルを超えて船外に出すもの、ハの漁業灯のほか、全長50メートル以上の漁船にあっては第1種白灯1個、全長50メートル未満の漁船にあっては第1種白灯又は第2種白灯1個。
  ハの方法により漁ろうに従事する漁船であって、きんちゃく網漁業を行うもの、ハ又はニの漁業灯のほか、きんちゃく網漁業灯1対。







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