日本財団 図書館


2.6 工事施工
 工事施工については、船舶電気装備技術講座(電気艤装工事編)(初級)によるものとする。
 工事に関する規則については、一部前述したものもあるが、まとめの意味で次に要点を示す。
 
2.6.1 電線
(1)船内の給電路の配線工事に用いるケーブルについては、設備規程第235条の規定による。
(2)各種ケーブルについては、設備規程第236条の規定による。
 
2.6.2 配電工事
(1)配電
(a)動力・電熱・照明・船内通信・信号の各設備との電路
 各設備への電路については設備規程第239条の規定による。
(b)照明設備の最終分岐電路
 照明設備の最終分岐電路については、設備規程第240条の規定による。
(c)直流三線式の不平衡電流
 直流三線式の不平衡電流については、設備規程第241条の規定による。
(2)電路の保護
(a)区電盤・分電盤の分岐電路の保護
 区電盤・分電盤の分岐電路の保護については、設備規程第242条の規定による。
(b)自動遮断器による電路保護
 自動遮断器による電路保護については、設備規程第221条及び第243条の規定による。
(c)中性線の遮断装置
 設備規程第244条の規定により、同条に示す配線方式の中性線には、遮断装置を設けてはならない。
(3)配線工事の種別
 配線工事の種類及び内容については、設備規程第245条の規定による。
(4)金属製管を使用する配線工事
 金属製管を使用する配線工事については、設備規程第246条の規定による。
(5)第1種・第2種配線工事によらねばならない工事
 第1種・第2種配線工事によらねばならない工事については、それぞれ設備規程第247条及び248条の規定による。
(6)交流電路
 交流電路については、設備規程第250条の規定による。
(7)電路のわん曲
 電路のわん曲については、設備規程第251条の規定による。
(8)甲板等を貫通する電路
(イ)水密の甲板又は隔壁、気密隔壁を貫通する電路については、設備規程第252条の規定による。
(ロ)前(イ)以外の甲板、隔壁を貫通する電路については、設備規程第253条の規定による。
 電路の接続については、設備規程第254条の規定による。
(10)線端処理
 線端処理については、設備規程第255条の規定による。
(11)電路の固定
 電路の固定については、設備規程第256条の規定による。
(12)磁気コンパスに対する影響
 磁気コンパスに対する考慮については、設備規程第257条の規定による。
(13)電路の布設
 外洋航行船でケーブルの難燃性については、設備規程第258条の規定による。
(14)タンカー等における配線
 タンカー等における配線については、設備規程第259条の規定による。
(15)外洋航行船の配線
 安全上必要な電路については、設備規程第260条の規定による。
(16)国際航海に従事する旅客船の配線
 安全上必要な電路については、設備規程第261条の規定による。
(17)電路の絶縁抵抗
 電路の絶縁抵抗については、設備規程第262条の規定による。
 
2.6.3 接地
(1)ケーブルの金属被覆の接地
 ケーブルの金属被覆の接地については、設備規程第263条の規定による。
(2)接地灯及び接地警報器
 接地灯及び接地警報器については、設備規程第264条の規定による。
(3)中性線の接地
 中性線の接地については、設備規程第265条の規定による。
(4)接地線中の遮断装置
 接地線中の遮断装置については、設備規程第266条の規定による。
 
2.7 試験、検査
 試験、検査については別冊「試験検査編」によるものとする。
 試験、検査に関する規則については、一部前述したものもあるが、まとめの意味で次に要点を示す。
 
2.7.1 材料試験(回転機の軸材試験)
 回転機の軸材試験については、設備規程第180条、第187条の規定による。
 
2.7.2 完成試験
 完成試験については、設備規程第181条の規定による。
 
(完成試験)
第181条 次に掲げる電気機械及び電気器具のうち、船舶の安全性又は居住性に直接関係のあるものは、それぞれ各号に掲げる完成試験のうち、その使用目的に応じて、必要なものに合格しなければならない。
 
1. 発電機− 温度試験、過負荷耐力試験、過速度耐力試験、整流試験、絶縁抵抗試験、絶縁耐力試験、特性試験、並列運転試験
2. 電動機− 温度試験、過負荷耐力試験、過速度耐力試験、整流試験、絶縁抵抗試験、絶縁耐力試験、特性試験
3. 変圧器− 温度試験、短絡試験、絶縁耐力試験、誘導絶縁耐力試験、電圧変動率試験、変圧比試験
4. 配電盤− 温度試験、作動試験、絶縁抵抗試験、絶縁耐力試験
5. 制御器− 温度試験、作動試験、絶縁抵抗試験、絶縁耐力試験
 
(関連規則)
 設備規程第181条関係(船舶検査心得)
 
(完成試験)
181.1(a)本試験は始めて船舶に備え付けるものについてのみ行う。この場合において、工場において行うのが便利であるが、船舶において行われることもある。
(b)「船舶の安全性又は居住性に直接関係のある電気機械及び電気器具」については、174.3(a)を準用すること。ただし、(9)(居住区域用通風機に限る)及び(14)から(19)のうち小型電気器具に該当するものを除く。
(c)同一形式の2台目以降のもので、当該物件の認定事業場で製造されたものであって先任船舶検査官が差し支えないと認めるものについては、完成試験のうち温度試験を省略することができる。この場合において、「同一形式」とは物件の種類に応じ、次に掲げる条件のすべてを満たすものとする。
(1)発電機及び電動機−容量、電圧、電流、回転数、主要寸法、通風方法、絶縁種別等が同一のもの
(2)変圧器−容量、電圧、電流、主要寸法、冷却方式、絶縁の種別 等が同一のもの
(3)配電盤−
(i)同期検定盤を含む発電機盤の外形寸法、内容積及び通風方法がほぼ同じであるもの
(ii)発電機用遮断器及び断路器の形式及び定格が等しく、主母線の寸法、配置及び接続部の構造がほぼ同一であるもの
(iii)主母線の負荷電流が等しいか、又はそれ以下であるもの
(iv)変圧器、リレー、ヒューズ、抵抗器等発熱源となる各種盤取付器具の配置がほぼ同一であって、それらの消費電力の合計が等しいか、又はそれ以下であるもの
(v)操作回路、計器回路を除く端子の構造及び配置がほぼ同じもの
(d)制御機−
(i)盤、箱等容器の外形寸法、内容積及び通風方法がほぼ同じであるもの
(ii)上記(3)(iii)から(v)までに掲げる条件
 
2.7.3 効力試験及び絶縁抵抗試験
 効力試験及び絶縁抵抗試験については、設備規程第182条の規定による。
 
(効力試験及び絶縁抵抗試験)
第182条 電気機械及び電気器具は船舶に備え付けられたのちに行われる効力試験及び絶縁抵抗試験に合格しなければならない。
 
(関連規則)
 設備規程第182条関係(船舶検査心得)
 
(効力試験及び絶縁抵抗試験)
182.1(a)これらの試験は、完成検査が船舶において行われた場合は、省略して差し支えない。
(b)効力試験においては、実負荷をかけて異状なく運転できることを確認するのみとして差し支えない。この場合において、本試験は中間検査、第2回以降の定期検査において行う。
 
2.7.4 発電機
(1)温度上昇
 発電機の温度上昇については、設備規程第190条の規定による。
(2)過負荷耐力
 発電機の過負荷耐力については、設備規程第191条の規定による。
(3)過速度耐力
 発電機の過速度耐力については、設備規程第192条の規定による。
(4)整流
 整流については、設備規程第193条の規定による。
(5)絶縁抵抗
 発電機の絶縁抵旋にづいては、設備規程第194条の規定による。
(6)絶縁耐力
 発電機の絶縁耐力については、設備規程第195条の規定による。
 
2.7.5 変圧器
(1)温度上昇
 変圧器の温度上昇については、設備規程第206条の規定による。
(2)絶縁耐力
 変圧器の絶縁耐力については、設備規程第207条の規定による。
(3)誘導絶縁耐力
 変圧器の誘導絶縁耐力については、設備規程第208条の規定による。
(4)短絡電流に対する耐力
 変圧器の短絡電流に対する耐力については、設備規程第209条の規定による。
 
2.7.6 配電盤
(1)温度上昇
 配電盤の温度上昇については、設備規程第223条の規定による。
(2)絶縁抵抗
 配電盤の絶縁抵抗については、設備規程第224条の規定による。
(3)絶縁耐力
 配電盤の絶縁耐力については、設備規程第225条の規定による。
 
2.7.7 配線器具
(1)刃形開閉器の寿命試験については、設備規程第229条の規定による。
(2)電磁開閉器の温度上昇及び電源電圧変動試験については、設備規程第230条の規定による。
 
2.7.8 動力設備
(1)温度上昇
 電動機の温度上昇については設備規程第278条(第190条を準用)の規定による。
(2)過負荷耐力
 過負荷耐力については、設備規程第276条の規定による。
(3)過速度耐力
 過速度耐力については、設備規程第277条の規定による。
(4)整流
 整流については設備規程第278条(第193条を準用)の規定による。
(5)絶縁抵抗
 絶縁抵抗については第278条(第194条を準用)の規定による。
(6)絶縁耐力
 絶縁耐力については第278条(第195条を準用)の規定による。
(7)電磁制動機の制動
 電磁制動機の制動については、設備規程第279条の規定による。
 
2.7.9 電熱設備
(1)温度上昇
 電熱設備の温度上昇については、設備規程第291条の規定による。
(2)絶縁抵抗
 電熱設備の絶縁抵抗については、設備規程第292条の規定による。
(3)絶縁耐力
 電熱設備の絶縁耐力については、設備規程第293条の規定による。
 
2.7.10 船内電路
 照明設備、動力設備、電熱設備、船内通信設備、信号設備の電路の絶縁抵抗については、設備規程第262条の規定による。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION