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5・1・6 インピーダンス電圧
 一方の巻線に定格周波数の電圧を加え、他方の巻線を短絡して定格電流を通じた場合の印加電圧をインピーダンス電圧という。特に指定されない限り電圧を加えた方の巻線の定格電圧に対する百分率で表わす。
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 船舶設備規程第209条では、インピーダンス電圧が4%以上の変圧器は次に掲げる時間中支障なく短絡電流に耐えるものでなければならないと規定している。
インピーダンス電圧[%] 45 5〜6 6〜7 7以上
試験時間[s] 2 3 4 5
 
 ただし、インピーダンス電圧が4〔%〕未満の場合は、定格電流の25倍の電流に2秒間耐えるものとする。
 
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(1)定格容量=1.866Il・Vl〔VA〕
 ただしT座変圧器が主座変圧器の容量の =0.866倍に設計された場合
(2)定格容量=2Il・Vl〔VA〕
 ただしT座変圧器を主座変圧器と同容量のものを使用した場合
 ここで Tt T座変圧器 線電流Il=Iu IV=Iω〔A〕
Tm 主座変圧器 線間電圧 Vl=Eω Eu〔V〕
注:利用率については、(1)の場合は =0.928、約93〔%〕となる。
(2)の場合は =0.866、約87〔%〕となる。
 
(1)極性が合致すること。
(2)巻数と定格電圧が等しいこと。
(3)抵抗と漏れリアクタンスの比が等しいこと。
(4)百分率インピーダンス降下が等しいこと。
(5)三相式では角変位が等しいこと。
(6)三相式では相回転が等しいこと。
注:角変位とは、変圧器の一次及び二次間における、相対応する起電力のベクトル間の角度をいう。
 例えば、△−△結線の場合の角変位
 上図において、中性点と同一記号の二つのベクトルの先端とを結んだ2直線OUおよびo′uのなす角度を角変位といい、この場合は零である。
 ところが、△−Y結線の場合の角変位
 上図においては位相差が30℃あるから、角変位は−30°である。
(位相の遅れを一般に正にとるから)
 
 上図において、
V1:電源電圧〔V〕、E1:一次起電力〔V〕
V2:二次電圧〔V〕、E2:二次起電力〔V〕
n1、n2はそれぞれac間、bc間の巻数
 ここでabを直列巻線、Ic 分路電流〔A〕
bcを分路巻線、I1、I2はそれぞれ一次及び二次電流〔A〕
とすれば
 単巻変圧器 出力=V2I2≒V1I1(損失を無視すれば)〔VA〕
 また、これを負荷容量又は線路容量という。
 そして温度上昇からみた容量ではV2Icでよいから、これを自己容量又は等価容量といい、次の関係がある。
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〔例題〕単巻変圧器を使用して昇圧し、3,000〔V〕から3,300〔V〕にした。このときの負荷は100〔kVA〕であった。この場合の自己容量を求めよ。
〔解〕昇圧電圧=3,300−3,000〔V〕
自己容量= =0.09〔kVA〕
自己容量は約10〔kVA〕の単巻変圧器を使用すればよい。
 ここでは専ら船用鉛蓄電池(JISF8101:92)について記述する。
 
20℃に換算した1.240±0.05とする。
温度換算は次の式による。
D20=Dt+0.0007(t−20)
D20:20℃における電解液の比重
Dt:t℃における電解液の比重
t:比重を測定したときの電解液の温度〔℃〕







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