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(c)%インピーダンスの意味と短絡電流計算法
 この電圧降下と定格電圧との比をとり、これを百分率で表した値を、パーセントインピーダンス又は百分率インピーダンスと称し、次式で表される。
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 次に%Zを使用して、回路の短絡電流の計算を行う。
 いま、三相交流回路において、E〔V〕を三相交流の短絡点の定格電圧とし、I〔A〕を定格電流とすれば
 三相短絡電流は次式で表される。
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 この(5)式が短絡電流の基本式で、この短絡電流I〔A〕は、その回路の全負荷電流(定格電流)I〔A〕を短絡点から電源までの総合%インピーダンスで除した値である。
 例示すれば、次のようになる。
 上図に配電系において、P点で三相短絡が起きたとする。
 三相交流発電機の発電機容量W〔kVA〕、定格電圧をE〔V〕、定格電流をI〔A〕としてこれを基準と考えれば、発電機のオーム値をZOG、P基準の%インピーダンスをZPG、変圧器のオーム値をZOT、P基準の%インピーダンスをZPT、線路のオーム値をZOL、P基準の%インピーダンスをZPLとすれば、短絡電流Is〔A〕は(3)式から、次のようになる。
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 上図の変圧器においてZ1〔Ω〕、Z2〔Ω〕をそれぞれ一次高圧側、二次低圧側からながめたインピーダンスとすれば、これらの%インピーダンスは次のようになる。
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 すなわち%インピーダンスで表せば、低圧側からの値は高圧側からの値と一致するので、通常のように電圧比巻線比の二乗に換算する必要がなく、甚だ便利である。
(d)用語、記号及び計算用グラフ
(i)非対称短絡電流とは交流分(対称分という)と直流分との合成電流をいう。3・5・2(1)
(b)(ii)の図はこれを示す。
(ii)非対称最大電流尖頭値(Imax)の対称実効値に対する倍数をn又はMPで表す。
(iii)非対称最大電流実効値(Iasym(ms))の対称実効値に対する倍数をK2又はMnで表す。
(iv)非対称三相平均電流実効値(Iasym)の対称実効値に対する倍数をK1、又はMAで表す。
 次に(ii)、(iii)及び(iv)の非対称係数と短絡力率の関係曲線を次に示す。これらは短絡計算の際に用いられる。
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図3.2 短絡力率と非対称係数







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