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初級講習用指導書(電気工学の基礎編)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


1・11 静電気と動電気
 一方、電荷の移動によって電流が流れる電気現象もあり、我々が日常よく利用している電気、例えば、発電機、電動機、照明、通信機等は総べてその応用である。そこでこれらの電気を研究する学問を総称して電気工学と称している。1・3で述べたように摩擦によって生じた電荷が静止状態にあるような電気を静電気といい、静電気による現象は非常に高い電圧を用いる送電線路、絶縁物の破壊又は無線通信、電子技術などに関係がある。これらの学問を静電気学といい、雷の現象、コロナ現象の研究はこれに属する。応用面としては電気集じん、静電印刷法(ゼロックスなど。)、静電噴霧塗装法等がある。
 
1・12 直流、交流、瞬時電流、周波数
 電圧及び電流の大きさや流れる方向が時間とともに変化する有様によって次のように分類する。
 
1・12・1 直流
 図1・17(a)のように電圧又は電流の大きさ及びその方向が時間に対して変化しないで一定の値を保っている電気の流れを直流といい乾電池の電気はこれに属する。
 図1・17(b)のように電圧又は電流の方向は+側に一定であるが、大きさが図中(1)又は(2)のように周期的に脈を打っている。これを正しくいえば脈流であるが、一般にはこれを整流された直流といっている。
 
(拡大画面:9KB)
図1・17 直流波形
 
注:
整流とは、本来後述の交流を整流器又は発電機の整流子を通して直流に変換した波形をいう。
 脈流は図1・17(b)における(1)のように大きいもの、又は(2)のように細かいものなどの差はあるが一応直流である。半導体整流器、水銀整流器をへた電気及び直流発電機の電気はこれに属する。
 
1・12・2 交流
(1)単相交流・周波数・周期
 
図1・18 単相交流波形
 
 図1・18のように電圧又は電流の大きさ及び方向が時間に対して+から−へとある一定の波形をもって変化する電気の流れを単相交流という。
 60ヘルツを例示すれば図1・18において0秒から波が始まって1/60秒間に波が+から−へと1回変化している波を1周波といい、これを1周期T〔s〕という。
 すなわち周波数は1秒間に繰り返す周波の数で表し記号はf、単位にヘルツ〔単位記号Hz〕を用い、周波の変化に要する時間を周期といい、記号Tで表し時間単位は秒〔s〕である。よって、
 
(拡大画面:4KB)
 
注:
船舶の交流では60〔Hz〕を採用している場合が多い。陸上では関西方面が60〔Hz〕、関東方面が50〔Hz〕である。
(2)三相交流
 
(拡大画面:33KB)
 
〔応用〕 単相交流は小型電動機、扇風機、電灯等の電源に使用するが、電動機、大型厨房器等には主として三相交流が使用される。
 
1・12・3 瞬時電流
 静かな池の面に投石すれば、最初大きな波紋ができ、時のたつにつれそれは消滅する。
 このような現象を過渡的現象(過渡現象)という。電気回路においてもこの現象はあって、電源を加えた瞬間電流は図1・20のように、最初は大で時間の経過とともに消滅する現象である。これを電流の過渡現象といっているが、電圧の場合にも同様におこりうる。
 その大きさ及び経過時間は回路を構成する要素によって違ってくる。
 
図1・20 瞬時電流波形
 
1・12・4 周波数・波長
(1)周波数 周波数の定義については1・12・2(1)で説明したが、周波数がどのような範囲に使用されているか、極く簡単に分類してみれば次のようである。
(a)商用周波数 日常の電気機器(電気アイロン、テレビ電源等。)に使用されている交流電源の周波数で、50〔Hz〕又は60〔Hz〕をいう。
(b)可聴周波数 人間の耳に音として聴き取ることのできる音の周波数で、一般に16〔Hz〕から20,000〔Hz〕くらいまでである。
(c)電波機器などの周波数
 電波航法機器、無線電話などそれぞれの機器によって周波数が決っているがこれらを総合して10〔KHz〕から10〔GHz〕の範囲内の周波数を使用している。
注:
Hzの頭に用いた記号について次のように定められている。
記号 名称 倍数
k キロ 103=1,000
M メガ 106=1,000,000
G ギガ 109=1,000,000,000
(2)波長
 交流の周波数が高くなって、電波が大気中に放射されると波長がとりあげられ、例えば、長波、中波、短波、超短波などが無線電話機、ラジオ、テレビジョンなどに使用される。
 電波の波長λ〔m〕と周波数f〔Hz〕との関係を次に示す。
 ただし、真空又は大気中とする。3×108〔m/s〕は電波の速度である。
 電波の呼び方を示せば次のようになる。
 電波法や国際規格で決められている電波の区分を下表に示す。
 
周波数区分 周波数範囲 波長範囲 波長による名称
ELF(extremely low frequency) 3〜3,000Hz 105〜102km  
VLF(Very low frequency) 3〜30kHz 100〜10km ミリアメートル波
LF(low frequency) 30〜300kHz 10〜1km キロメートル波
MF(medium frequency) 300〜3,000kHz 1,000〜100m ヘクトメートル波
HF(high frequency) 3〜30MHz 100〜10m デカメートル波
VHF(very high frequency) 30〜300MHz 10〜1m メートル波
UHF(ultra high frequency) 300〜3,000MHz 100〜10cm デシメートル波
SHF(super high frequency) 3〜30GHz 10〜1cm センチメートル波
EHF(extremely high frequency) 30〜300GHz 10〜1mm ミリメートル波
  300〜3,000GHz 1〜0.1mm デシミリメートル波
 
注:
周波数のHzの頭に用いた記号は次のように定められている。
記号 名称 単位の倍数
G ギガ 単位×109
M メガ 単位×106
k キロ 単位×103
h ヘクト 単位×102
da デカ 単位×10
d デシ 単位×10−1
c センチ 単位×10−2
m ミリ 単位×10−3







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