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初級講習用指導書(電気機器編)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


3・12 電流力計形力率計(三相式)
 配電盤用として使用されているもので、電流力計形と可動鉄片形の2種あるが、ここでは電流力計形について概略を説明する。
 図3・22において、Fが固定の電流コイル、M1、M2、M3は可動電圧コイルである。これらの電圧コイルは、Fの磁界内にあって120°ずつの角度で配置され、同一軸に取付けられ、指針が図のようについている。そして、各コイルに抵抗Rが接続されていて、かつ、これらはY形結線をして、その末端は三相の線間に接続された電圧コイルである。Fコイルは三相中の一相に直列に接続され電流コイルとなる。
 M1、M2、M3の3個の電圧コイルは、120°ずつの相差があるから、三相誘導電動機の固定子線輪のように一つの回転磁界を形成することになる。したがって、コイルFの作る電流によった交番磁界と可動コイルの作っている電圧によった回転磁界との相互作用によって、この可動コイルは電流と電圧との間の相差に応じた位置に停止するから、これに取付けた指針は目盛盤上に力率を指示することになる。
 即ち、電流と電圧が同相であれば、力率(=cosθ)は1で指針は中央であり、そうでなければ、進み角であれば右側、遅れ角であれば左側のように指針はふれることになる。
 ここで数学的解説は省略する。単相用の場合はM3コイルを取り除きM2コイルをM1コイルと直角におき、M1にインダクタンス、M2に抵抗を接続したものである。そして上記と同様、この電圧磁界を形成するので原理は三相の場合と同様である。
図3・22
 
図3・23
 
 直流回路の電圧を測定しようとすれば、直流電圧計を+、−の誤結線をしないよう正しく、図3・23(a)のように接続し、電圧計によってその値を測定できる。ところが、電圧測定の範囲を広げようとすれば、図3・23(b)のように外付けに抵抗マンガニンR〔Ω〕を入れて測定する。この場合のRの値は次の式によって求めることができる。
R=(α−1)r・・・(3・12)
 α:電圧計の倍率、r:電圧計の内部抵抗
 したがって、倍率は10倍、100倍にするには、Rの値はrの値の9倍、99倍の値となる。精密測定を行うには、直流電位差計を使用する必要がある。また、分圧器を用いる場合、高電圧を測定する場合には、図3・24のようにR1、R2の抵抗を使用し、分圧して測定する。
電圧計の内部抵抗rがR1、R2より非常に高ければ
としα倍に拡大して測定できる。
図3・24
 
図3・25
 
 直流回路の電流を測定しようとすれば直流電流計の+、−の誤結線をしないように正しく図3・25のように接続し、電流計によってその値を測定できる。
 また、電流の測定範囲をひろげようとすれば次の方法を用いる。分流器を図3・25のように接続すれば、電流計に流れる電流は数+〔mA〕以下であるから、それ以上の電流は分流器に流してやればよい。それによって電流測定の範囲をひろげることができる。一般に30〔A〕以下の電流計とする場合は、この分流器は箱内に設けてある。それ以上の電流を測定する場合は、分流器を外付けとする。
 いま分流器の抵抗をR、〔Ω〕、電流計の内部抵抗をr〔Ω〕、電流をI’、そのときの電圧降下をVとすれば
V=rI' V=R(I−I')
rI'=R(I−I')
故に   ここで、とすれば
I=αI'・・・(3・14)
このαを倍率という。
から    αR=r+R   R(α−1)=r
 (3・15)式から電流計の内部抵抗r〔Ω〕の倍が分流器の抵抗となるから倍率10倍、100倍とすれば、分流器の抵抗R〔Ω〕
とすればよい。
 精密な電流を測定しようとする場合は電位差計を使用するか、また、極小電流を測定する場合は、検流計を用いる。
 
図3・26
 
 交流回路の電圧は交流電圧計によって測定する。
 測定範囲を拡大するためには、計器用変圧器(Voltage transformerrの略VT)を使用する。
 この意味は上記の目的以外に高電圧回路から絶縁して、高電圧が計器取扱い者に、危険が及ばさないようにする目的もあるので、変圧器の二次側の一端を鉄心とともに接地する必要がある。
 図8・26のようにPTを電源と電圧計との間に接続すれば
V1/V1=N1/N2=a の割合で電圧計の読みとなる。
 a:PTの巻数比
 よって、V1の電圧を測定するためには、V1=aV2のようにaを選定する。
 
 交流回路の電流測定には、交流電流計によって測定する。
 測定範囲を拡大するためには、計器用変流器(Current transformerの略CT)を使用する。
図3・27
 
 図3・27は変流器を使用した接続図を示したものである。
 一次電流I1と二次電流I2との割合は次式のとおりである。
I1/I2=N2/N1=1/a1
a1:CTの巻数比
 よって、I1の電流を判定するためにはI1=I2/a1のようにa1を選定する。
 普通二次側電流は5〔A〕を標準としているのでI1=2,000〔A〕とすれば
2,000/5=400=1/a1となるので
CTの巻数比 a1=1/400
注意事項:
 CTでは、一次電流I1の一部が励磁電流として磁束を作り、前に述べたとおり、5〔A〕の二次電流I2が流れているようにできている。ここで、二次側が開放状態になれば、I1は全部励磁電流として働き、I1N1に相応する多くの磁束が生じ、鉄損が増すのみならず、二次巻線に高電圧が誘起されて危険である。故に、二次側は常時短絡しておく必要がある。したがって、電流計を取外すときは、導体で短絡した後にすべきである。
 また、図3・27のように鉄心と二次側巻線の一部を接地する必要がある。
 交流電流の精密測定には交流電位差計を用いる。
注:
 3・13・3及び3・13・4にそれぞれ述べた計器用変圧器及び計器用変流器を総称して計器用変成器という。また、電圧変成器といえば計器用変圧器(PT)をいう。
 そして単に変流器といえば計器用変流器(CT)を指している。







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