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初級講習用指導書(電気機器編)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


2・10 照明灯、船灯及び信号灯
 船内照明装置には、次のものがある。
(1)船の安全航行と乗組員旅客の安全確保に必要な照明で、船灯試験規程で規定された航海灯、信号灯、その他ボートデッキランプ等。
(2)船内の作業場、即ち、操舵室、機関室などの照明、荷役照明など。
(3)居住区域の照明で、装飾的な要素が含まれる。
(4)危険場所(引火爆発のおそれがある場所)の照明、危険度に応じた防爆構造のもの。
 
 照明装置の光源は白熱電球が広く使われ、また、居住区域、機関室等では蛍光放電灯が使われる。
(1)白熱電球
 白熱電球は、現在は廃止されたJISF8407−76(船用電球)で規格化されていたものが、まだ一般的に使われ、耐振性に富む。これらの口金はねじ込み口金(エジソンベース)が一般に使われ、一部に差込み口金(バヨネットベース又はスワンベース)や定焦点形口金が採用される。白熱電球の使用に際しては白熱電球(タングステンフイラメント)の電流が電球の定格電流の13〜16倍に達するから、スイッチなどの選定には十分な考慮を払うべきである。
(2)蛍光放電灯
 蛍光放電灯は白熱電球に比べて消費電力の割合に光束が非常に大きく、寿命が数倍も長い。しかし、管電圧波形が矩形波に近いために、高次の高調波を含み、これが電波として放射されるか又は電流として伝播して無線設備に対して妨害となることがある。蛍光放電灯から直接放射されて生ずる電界強度は距離2mで実用に差しつかえない程度になるが、配電線路での妨害電圧の防止には適当なろ波器を使えばよい。蛍光放電灯の一般的な点灯回路は図2.132、図2.133に示すとおりであるが、グロースタータ式及びラピッドスタータ式は天井灯、壁付灯などに、また、マニュアルスタータ式は一般に押ボタンスイッチで点滅するので押ボタン式ともいわれ、卓上灯や寝台灯に使われる。ラピッドスタート式の蛍光灯はグロースタータ式と同じく予熱始動形のものであるが、予熱始動時間がグロースタータ式のものより短く、1〜2秒の始動時間で点灯する。始動電圧はグロースタータ式より幾分高い程度で、かつ、グローランプを必要としないで、安定器がグロースタータ式のものより多少大形であるが点灯動作がすぐれているので広く使用される傾向にある。図2.132(c)はラピッドスタート式蛍光ランプの点灯回路の基本結線例を示す。安定器にはフィラメント加熱巻線があり、灯具又はランプ自体に始動補助導体が設けてある。電源に接続すると、ランプ両端に安定器の二次電圧が印加され同時にフィラメントも加熱される。電極から熱電子放出が起ると、始動補助導体(近接導体ともいう。)とこれを接続していない側の電極との間に微放電が始まり、やがてランプ全体に広がり、次いで完全な放電に移行する。このような始動補助電極は始動を容易にし速やめる働きをするが、実際のランプでは管内面に透明導電被膜を付けたり、又は管外面に導電条を付けて、始動補助導体を自蔵したものが多く使用されている。
 図2.132(d)はフリッカレス形蛍光ランプの結線例を示す。図中のコンデンサCは2灯中の1灯の管電流を他方の電流より位相を進ませるためのもので、これにより両ランプの光のちらつきを互いに打ち消す効果が得られる。
(拡大画面:27KB)
図2.132 蛍光放電灯ランプ
 
図2.133 電波障害防止回路の一例
 
(3)水銀ランプ
 水銀蒸気圧102mmHg以上の高圧水銀中の放電は、可視部の効率が高く、この発光を利用した光源を一般に水銀ランプといい、点灯中の管内水銀蒸気圧によって次のように大別される。
(a)高圧水銀ランプ
 点灯中の水銀蒸気圧が1気圧程度のもので、一般照明用(JISC7604−99高圧水銀ランプ)とする。
(b)超高圧水銀ランプ
 点灯中の水銀蒸気圧が10気圧以上の程度のもので、高輝度光源として探照灯などに使う。
 水銀ランプは、一般に負性抵抗をもち、安定な放電を持続するためには電流制限用安定器を必要とする。直流点灯の場合は抵抗、交流点灯の場合はおもにリアクタンスで構成される。
 
 船用照明器具は使用金属が塩害に対して、十分な耐食性のある材料か、耐食処理した材料が使われ、取付け、結線作業が容易な構造であって、一般に手のふれやすい部分の温度が60℃以下、取付部で90℃以下、接続端子部で75℃以下とされている。また、グローブと発熱電球との距離は、出来る限り表2.3に示す値とすべきである。
 
電球の大きさ(w) 距離(mm)
10以下 5以上
10をこえ100以下 7以上
100をこえ200以下 10以上
200をこえるもの 20以上







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